家にある物でつくる、乾いた素材のセンサリービン
センサリービンは、すくったり、注いだり、掘ったりできる物を容器に入れただけのものです。たったそれだけ、と思うかもしれませんが、そこから生まれる静かで夢中な遊びは、多くの小さな子がまさに求めているものです。いちばんいいアイデアは、戸棚にある物を使うもの。買い物に行かなくても、数分で用意できます。
乾いたセンサリービンが子どもにくれるもの
入れて出す、うめて見つける、カップからカップへ注ぐ。こうしたくり返しの動きは気持ちを落ちつかせ、手の動きを育てます。乾いた素材なら、水遊びのように水びたしにならずに、いろいろな手ざわりを感じ、集中する練習ができます。料理中やひと息つきたいときに、集中した10分をつくってくれる、たのもしい遊びになる家庭も多いものです。これは小さなことではありません。
たぶん家にある素材
特別な感触遊び用の砂はいりません。乾いたパスタ、オートミール、お米、レンズ豆、ひよこ豆、小麦粉、細く切った紙、コットンボール、きれいなペットボトルのふた。どれもよく使えます。手ざわり、音、重さがそれぞれちがうので、入れかえるたびに新鮮です。戸棚の奥の穀物の袋から始めるのがいちばんかんたんなことも。素材は一度に1種類にすると、ごちゃまぜにならず、誘われる箱のままです。
注ぐ、すくうを誘う道具を
素材は楽しさの半分。かんたんな道具をいくつか足すと、子どもが何度ももどってくる遊びになります。スプーン、小さなカップ、じょうご、空のヨーグルトのカップ、分けて入れる製氷皿、かきまぜる泡立て器。どれも目的をくれます。大きさのちがう入れ物を選べば、大きなスプーン1杯で小さなカップがいっぱいになってあふれることを、子どもが発見します。こうした身近な道具が、素材だけのときよりずっと遊びをのばしてくれます。
散らかりは始まる前に
乾いた素材はあちこちに散らばるので、少し準備すれば掃除がぐっとらくです。大きなバスタオル、古いシーツ、ふけるマットの上に容器を置いて、こぼれた物を受けとめましょう。カーペットではなくかたい床の上なら、片づけはさっと掃くだけ。空のビニールプールや大きな収納ケースの中に容器ごと入れて、こぼれても一か所にとどまるようにする家庭もあります。少しは散らばるものと受けいれ、防ぐのではなく受けとめると、気楽に遊べます。
大切な安全のこと
乾いたセンサリービンには本当に窒息の危険があるので、ここは大事です。乾いた豆、レンズ豆、パスタのような小さくてかたい素材は、まだ物を口に入れる子には向きません。どの子も、センサリービンで遊ぶときにひとりにしてはいけません。ずっとそばにいて、部屋を離れるときは片づけましょう。小麦粉のようなとても細かい粉は、吸いこむと気道を刺激することがあるので、赤ちゃんの顔の近くでは避けて。食物アレルギーのある子には、その食べ物の素材は使わないでください。小さな子には、コットンボールやペットボトルのふたのような大きめの物のほうが安全です。いつも大人が見ていることが前提です。
小さな変化で新鮮に
毎週新しいテーマはいりません。素材を替えるか、道具をひとつ足すだけで、手間なく新鮮になります。ある日はオートミールとスプーン、別の日はパスタとじょうご、また別の日は細く切った紙に小さなおもちゃをかくして。大きめのおもちゃをいくつかうめて探してもらうと、宝さがしになり、小さな子は大喜びします。準備はらくなまま、小さな変化で新しい気持ちが続きます。
年齢に合わせて
小さな子には大きくて安全な物と、より近くでの見守りが必要で、遊びはおもに、出して入れなおすことです。幼児期の後半なら、細かい素材、多めの道具、色分けやカップを同じ量ずつ満たすような、かんたんなチャレンジもできます。すくった物の名前や、カップがどのくらいいっぱいかを口にすれば、数やことばの芽も育ちます。中身をその子の段階に合わせれば、ちょうどいい手ごたえで、安全なまま遊べます。
遊びは子どもにまかせる
ほかの創作遊びと同じように、魔法は大人が一歩下がることから生まれます。準備ができたら、何をするかは子どもに決めてもらいましょう。ていねいに注ぐ子、思いきりかきまぜる子、カップを一列に並べる子。正しい結果はありません。指示せずに気づいたことを口にすると、夢中が続きます。思いもしなかった遊びを考えだしたら、ついていきましょう。子どもの想像は、どんな指示よりもシンプルな材料を遠くへ連れていきます。
しまって、また使う
乾いた素材の多くは、ふたつきの容器にもどせば何度も使えるので、センサリービンは本当に安上がりです。素材、道具、かくすおもちゃをまとめておけば、すぐにまた出せます。素材がしめったり、不衛生な物とまざったりしたら、とっておかずに処分しましょう。すぐ出せる箱があれば、長い午後にきっと手がのびます。
シンプルなものがいちばん
感触遊びは、手がこんでカラフルでなければ意味がないと思いがちです。そんなことはありません。戸棚の素材ひとつ、スプーンがふたつ、下にタオル。それで子どもが本当にほしい、落ちついた、集中した、手を使う体験が届きます。いちばんシンプルなアイデアこそ、何度も用意できるもの。そしてそのくり返しが、子どもが深く満ちたりた遊びに落ちつくのを助けます。
ポイント: 容器に戸棚の素材をひとつ入れ、スプーンを足し、窒息に気をつけてしっかり見守る。ほとんどお金をかけずに、落ちついて集中できる感触遊びになります。