ねんど遊び、つくる物を決めずに楽しむには

ねんどは、たいていの家で人気の遊びです。つぶして、転がして、つまんで、ひっぱって、可能性はつきません。ただ、ついとなりにすわって、ヘビやかたつむりをつくって見せたくなります。でも本当に自由なねんど遊びは、大人が手を出さずに、ねんどが何になるかを子どもが自分で見つけるほうがうまくいきます。

自由な遊びとは

決まりのない材料には、ひとつの正しいできあがりがありません。平らにする、つつく、物をうめる、100こにちぎる、丸める。どれも成功です。価値は探ることにあって、見てわかる作品をつくることにはありません。自由なままにしておけば、ねんどはこう使うものという大人の考えへ、そっと子どもを導いてしまうことなく、その自由を守れます。

作品をつくって見せないほうがいい理由

きれいな小さな人形をやって見せるのは親切に思えますが、逆の効果になることがよくあります。自分がつぶしているのはだめなんだと思ったり、全部大人につくってと頼んだり、急にハードルが上がって見えて興味をなくしたり。自由なねんど遊びでは、子どもが主役で、大人はまねさせる物をつくりたい気持ちをこらえます。ヘビをつくりたいなら、自分で考えさせましょう。ゆがんだできあがりは、まるごとその子のものです。

シンプルに用意して、一歩下がる

テーマのあるセットはいりません。ふける面にねんどのかたまりがひとつあれば始められます。近くにすわってひとかたまりわたしたら、あとは見守ります。ペースも方向も子どもにまかせて。長いことだまって探る子もいれば、していることをおしゃべりする子もいます。大人の役目は、場を仕切ることではなく、興味をもってそばにいること。その静かな存在が、深く夢中な遊びを広げます。

自由なままの道具を足す

かんたんな道具を足すと、遊びを閉じずに広げられます。めん棒、先の丸いナイフ、型ぬき、もようをつけるフォーク、押しこんでまた取りだすボタン、さしこむ乾いたパスタ。どれも試すことを誘います。決まったできあがりへ押しやる物は避けましょう。いい道具は、何をつくるか教えるのではなく、試せることを増やしてくれます。ねんどが主役でいられるよう、一度にひとつかふたつずつ。

ねんどを安く手づくりする

手づくりねんどは、早くて安くて、すぐにつくりなおせます。火を使わないかんたんなものなら、小麦粉、塩、少しの油、水、好みで食紅を数滴まぜるだけ。子どもが注いだりまぜたりして、いっしょにつくるのも楽しみのうちです。ほとんどお金がかからないので、乾いても床に落ちても気楽にかまえられ、親がつい遊びを仕切りすぎてしまうプレッシャーもなくなります。

作品ではなく、していることを話す

声のかけ方で、子どもがどれだけ自由に感じるかが変わります。結果を判定するのではなく、動きや感触を言いましょう。「ぎゅっとにぎってるね」「深い穴ができたね」「長く細くのばしたね」。何をつくったつもりか聞くのは避けて。楽しく探っていた子をあわてさせることがあります。こんな実況が、注意を過程に向け、同時にことばも育てます。

ねんどの安全について

ねんどはふつう安全ですが、知っておきたいことがいくつかあります。手づくりねんどには塩がたくさん入っていることが多く、小さな子がたくさん食べると害になることがあるので、見守り、なめないように声をかけましょう。まだ物を口に入れる小さな子ではとくに。ビーズや乾いたパスタのような小さな足し物は、飲みこみそうな子から遠ざけて。小麦にアレルギーや過敏がある子には合ったつくり方を選び、肌に反応が出たら中止して洗い流してください。反応が心配なときは、薬剤師やかかりつけ医に相談を。

年齢によって遊びはまったくちがう

小さな子は、ねんどをつついたり、ぺたぺたしたり、ちぎったりがほとんどで、わかる物をつくることはめったにありません。それがその段階にぴったりなのです。幼児期の後半になると、形を転がし、名前をつけ、おはなしをしはじめるかもしれません。どちらにも価値があり、どちらも大人の作品がなくても育っていきます。比べずに、それぞれのレベルで遊ばせれば、ねんどはテストではなく楽しいもののままです。

いつでも、何度でも

ふたつきの容器に入れて、たびたび出てくるねんどは、なじみの、ほっとする遊びになります。毎回新しい計画はいりません。子どもは同じかたまりから、毎週新しいアイデアを見つけるからです。ここではなじみが強み。いつも一からではなく、より深く取りくめます。ねんどが乾いたり汚れたりしたら、新しくつくって続けましょう。

守っている自由

できあがりを決めない理由はシンプルです。自由なねんど遊びは、自分の考えにはついていく価値があり、探り方にまちがいはないと子どもに教えます。つぶすのも、つくるのも、こわすのも好きにしていいと信頼された子は、創造的で、自分から動く子でいつづけることが多いものです。ねんどの机での大人のがまんは、子どもにひそかに大切なものを手わたします。自分のやり方でつくる自信です。

ポイント: ねんどは少しの自由な道具といっしょに。作品をつくって見せずに、子どもが自由に探れば、遊びはその子のものになります。

NHS, Play ideas and reading

UNICEF, Learning through play