忙しい親でもできる、5分で親子がつながるアイデア
仕事、ごはん、洗たく、家族の暮らしの細々とした段取り。そのあいだに、子育ての理想に出てくるような、長くてゆったりした午後はめったにやってきません。でも、長年の子どもの発達の研究から、ほっとする知らせがあります。親子の近さは、大きなまとまった時間でできるのではなく、何度もある小さな、本当に向き合う瞬間でできていく、ということです。まるごと向き合う5分を何度もくり返すほうが、たまの豪華なお出かけより、きずなのためになることがあります。
短く何度も、が勝つわけ
小さな子の「愛されている」という感覚は、週末にまとめてではなく、一日じゅう小さく貯金されていきます。大事なのは、短くても、本物で、まるごとの注目であることです。確かな5分の親子時間を一日に何回かくり返すほうが、親はへとへと、子どもはまだもっとほしい、というまれなマラソンのような時間より、子どものしくみにずっと合っています。
5分を、本当に生かすには
ふつうの5分をつながりに変えるたったひとつの材料は、まるごとの注目です。つまり、スマホは置いて見えないところへ、体は子どものほうへ向けて、気持ちはぜんぶその子に。そばにいる親と、近くにいるけれど画面をなでている親の違いを、子どもは一瞬で見分けます。質さえ守れば、長さはほとんど関係ありません。
ふつうの一日に入るアイデア
本当にすぐできるものをいくつか。その子とその日に合うものを選んで、あとは気にしなくていいのです。
- とくべつな「おかえり」。再会したら、用事より先に、まる1分すべてを止めて、うれしい気持ちでむかえる。
- 子どもが主役のミニ遊び。タイマーを5分にセットして、遊びの中身はぜんぶ子どもにまかせる。親はついていくだけ。
- 2分の抱っことおしゃべり。ソファで、目的なしに、くっついて、子どもが話したいことを聞く。
- へんてこ鏡ごっこ。数分、おたがいの顔や動きをまねっこする。笑いはすぐにきずなをつくる。
- 寝る前の懐中電灯トーク。暗い部屋で懐中電灯をつけてのおしゃべりは、特別な感じがして、お金もかからない。
- いっしょの用事をひとつ。少しの洗たく物を、おしゃべりしながらいっしょにたたむ。
親の計画より、子どものリードで
近さへのいちばんの近道は、主導権を手わたすことであることがよくあります。その5分で何をするかを子どもに選ばせると、親にとってはくり返しでちょっとたいくつでも、子どもは自分には力があって、見てもらえていると感じます。子どもが主役の時間は、あなたの好きなことは大切だよ、と伝えます。教えたり、上達させたり、方向を変えたりしなくていいのです。この数分の親の仕事は、ただ子どもといるのを楽しむことだけです。
もうしていることに、くっつける
ない時間をさがしまわるかわりに、5分の親子時間を、もうある毎日の流れに結びつけましょう。起きたときの5分、おむかえのときの5分、お風呂の直前の5分。もう続けている習慣の中に住まわせると、自然に続くようになります。新しいことをなじみのことにくっつけるのは、定着させるいちばん確かな方法です。そして、よい心がけが尽きた日にも、つながりが生まれます。
上手さより、そこにいること
この時間に、楽しい親、工夫上手な親、どこまでも根気強い親でいる必要はありません。疲れた日は、床にねころんで、子どもに足の上でミニカーを走らせてもらうだけでも、ちゃんと数に入ります。子どもは親の創造力に点数をつけているのではありません。親がここにいて、自分といて、自分を選んでくれている、ということを感じとっているだけです。魔法のような時間にしなきゃ、というプレッシャーを手ばなすと、そもそも向き合うことが楽になることがよくあります。
やりなおしも、つながりのうち
きつく当たってしまう日も、くたくたで5分さえあげられない日もあります。みんな少しすりきれた気持ちで寝る夜もあるでしょう。そんなときこそ、短いあたたかなつながりなおしが大切です。ちょっとの抱っこと、正直な「今日は大変で、ママ、ふきげんだったね。大好きだよ」。それで一日がつくろわれます。こうした小さなやりなおしは失敗ではありません。子どもが受けとる、いちばん力強いつながりの瞬間のひとつです。
もっとずっと多くを求めているように見えるとき
ときどき、終わりがないと感じるほどいつも近さを求めてきたり、何をしてもつらそうでなかなか落ち着かなかったりする子もいます。べったりがひどくなる、不安が続く、眠りが変わる、関わってもまったく落ち着かない。そうしたことは、もう少し見てみたい何かを指していることがあります。こうした様子が何週間も続く、あるいは何かおかしいと勘が告げるときは、地域の保健師さんやかかりつけ医に話してみましょう。早めに相談するのは、よい子育てのしるしで、やり方がまちがっているということではありません。
子どもが覚えているのは、パターン
5分のひとつひとつが、記憶に残ることはないでしょう。残らなくていいのです。子どもがこの先に持っていくのは、忙しい暮らしのすきまで、何度も何度も自分のほうを向いてくれた親、という積み重なった感覚です。ふつうの一週間に織りこまれた、短くて何度もある本物のまなざしは、親子の関係のゆるがない鼓動になっていきます。それこそが、育っていく子にいちばん必要なものです。
ポイント: 本物の、まるごとの注目を短く何度も。もうある毎日の流れに結びつければ、たまの大きなことより強いきずなを育てます。