年齢に合わせた「ストップ遊び」のアレンジ
音楽が止まったら固まる遊びは、はずむ赤ちゃんからくすくす笑う5歳の子まで、ほとんどだれにでも合う、めずらしい遊びです。音楽が流れ、みんながおどり、音楽が止まったらみんな固まる。シンプルですが、聞く力、自分をおさえる力、そしてたっぷりの笑いを静かに育てます。何年も新鮮に保つ秘訣は、年齢に合わせたアレンジをいくつか知っておくこと。そうすれば、遊びはおさがりにならず、子どもといっしょに育っていきます。
遊びが本当に教えていること
楽しさの下で、ストップ遊びは脳のトレーニングです。合図で止まるには、合図を聞いて、動きつづけたい気持ちをおさえる必要があります。それは待つ、順番をとる、落ちつくのに子どもが使う、自分をおさえる力そのものです。おどることは小さな子に必要な体を動かす時間になり、いっしょのおふざけがきずなを強めます。こうした力は何年もかけて育つので、同じ遊びが、だんだんむずかしい形で、何度でも役に立ちます。
赤ちゃんと、小さな子には
この年齢では本当に固まることはできないので、大人がかわりに固まります。赤ちゃんを抱いてやさしくおどり、止まってじっとし、うれしそうにたっぷり間をとってからまた始めましょう。もう少し大きな子は、大人が固まるのを見て大喜びし、あとで1拍まねしたり、そのままくねくねしつづけたりするかもしれません。それがその子にぴったりです。音楽はやさしく、動きはやわらかく、正確さではなくいっしょの喜びを大切に。間と笑顔が遊びのすべてです。
よちよち歩きを卒業するころには
止まることがわかりはじめます。止まるのが遅れても、ぐらぐらしても。どんなに遅れても、固まろうとするたびに喜びましょう。興味を保つ、小さなひと工夫を。
- 低く固まる、高く固まる。体のことを考えます。
- 動物になって固まる。ねこ、羽ばたきの途中の鳥。
- 止まる合図をはっきりしたことばや太鼓のトンにする。
短く、おおらかに。この時期は、きりっとした像より、止まろうとすることのほうがずっと大切です。
幼児期の後半には
幼児はもっとぴたっと止まれるようになり、ちゃんとしたチャレンジを楽しみます。ここで年齢別のアレンジが本当に広がります。
- 決まった形で固まる。星、ボール、いちばん背の高い形。
- ぐらぐら像。笑ったりたおれたりしないようにじっとする。
- 合図を変える。ことば、明かり、上げた手と変えて、ずっと気をくばるように。
- 固まるあいだはスローモーションダンスや、決めた体のところだけでおどる。
- 音楽を止めて「ストップ」を言う役を子どもにまかせる。
年齢のちがうきょうだいで
年のちがう子がいっしょに遊ぶときは、みんなが自分のレベルで勝てるようにしましょう。いちばん小さい子はだいたい動いて固まり、上の子はむずかしい形をキープし、幼児にはリーダーの仕事をあげて大きくなった気分に。ひとつの基準がないので、ストップ遊びはきょうだいにぴったりです。赤ちゃんとお兄ちゃんがまったく同じ遊びをとなりあってでき、ふたりとも「できた」と感じられます。
主導権をわたす
どの年齢でも、子どもに遊びを仕切らせるのは贈り物です。音楽を止める子、大人があわてて止まるなか「ストップ!」と叫ぶ子は、その力にわくわくし、きまりを守って使うしっかりした練習をします。反対側から聞く番にもなり、いつ驚かせるかを決めます。リーダーを交代すれば、遊びにまったく新しい楽しさが加わります。
安全に、落ちついて
少し準備しておけば楽しいままです。回っている子がテーブルの角にぶつからないよう場所をあけ、なめらかな床ではすべり止めつきの靴下かはだしで。この遊びは子どもを興奮させやすいので、元気さにも目を配りましょう。落ちつかせるたしかな方法は、最後をゆっくりやさしい回にして、やわらかいねむたい形で固まって終えること。高ぶったままではなく落ちついて、次のことに向かえます。
発達について、やさしいひと言
自分をおさえる力と体の協調は、ゆっくり、でこぼこに育つので、止まるのが遅れたりぐちゃぐちゃだったりするのは、長いあいだまったくふつうです。ストップ遊びは、その育ちを楽しく支える方法にすぎません。時間がたっても音楽や止まる合図にまったく反応しない、大人の声が聞こえていないように見える、年齢から考えて動いたり加わったりしない、できていたことができなくなった、という場合は、地域の保健師さんやかかりつけの小児科医に伝えましょう。見ているのは聞く力と体の動きで、完ぺきな像ではありません。
覚えておきたいこと
ストップ遊びに居場所があるのは、子どもといっしょに育つからです。赤ちゃんには大人が固まり、ぐらぐらの小さな子にはおおらかに、幼児には形や変わる合図でチャレンジを、年齢のちがうきょうだいはいっしょに。リーダー役をまかせ、少し場所をあけ、やさしく終える。ひとつのシンプルな遊びが、どこまでも形を変えて、何年も喜びと静かな学びをくれます。
ポイント: 赤ちゃんには大人が固まり、幼児には形のチャレンジを。ストップ遊びをその子の段階に合わせ、リーダーの番もまかせましょう。
WHO, Guidelines on physical activity, sedentary behaviour and sleep for children under five