祖父母の家ではルールが違う、子どもは混乱しない?
おばあちゃんの家では、おやつがひとつ多い。おじいちゃんの家では、寝るのが遅い。家ではぜったい通らない決まりが、なぜかそこでは通る。ほとんどの家庭にとって、それは害がないどころか、祖父母を特別にしているすてきな部分です。でもときには、ふたつの家の違いが子どもを混乱させたり、親がゆずれない線をこえたりして、ていねいに向き合う必要が出てきます。
ひと言でいうと
祖父母と親のルールが違うときにうまくいくのは、たいてい安全にかかわる本当にゆずれないことと、ほかの家ならではの味わいにすぎない小さな違いを分けることです。前者はしっかり守り、後者はおおらかに。そうすれば、子どもはちゃんとやっていけます。
安全のルールと、家ごとのルール
ルールをふたつの山に分けてみましょう。ゆずれないのは、安全と健康にかかわるルールです。チャイルドシート、赤ちゃんの安全な睡眠、アレルギー、水のそばでの見守り、薬。これは、子どもがどこにいても曲げません。家ごとのルールは、柔軟でいいものです。お菓子をいくつ食べるか、テレビの時間、片づけ、30分の寝る時間の違い。保育園が家とは違うやりかたで回っているのと同じように、場所によって習慣が違うことを、子どもはちゃんと覚えられます。安全の山にエネルギーをとっておくと、平和が保たれ、本当に大切なところで親の言うことの重みが保たれます。
はじめに見ておきたいこと
わが子が実際に困っているのか、それとも主に親が気になっているのかを見ましょう。おばあちゃんの家で少しはしゃぎすぎて、家に帰るとまた落ち着く小さな子は、傷ついてはいません。それより、本当のまさつに目を向けます。毎回帰ってくると落ち着かない、安全のルールが無視されている、今まさに大切にしている食事や睡眠の流れなど、親がとりくんでいることをくずすパターンがある。動く合図は、違いがあることそのものではなく、子どもへの影響です。
話し合いのためのプラン
- 本当にゆずれないルールを前もって決め、リストは短くしておく。
- ぶつかる場面のさなかではなく、その前に、ふたりのときにあたたかく伝える。
- とくに祖父母が子育てをしたころから目安が変わっている場合は、理由を説明する。
- 小さなことは手ばなすと声に出して伝え、祖父母が取りしまられているのではなく、信頼されていると感じられるようにする。
敬意をもって祖父母と話す
祖父母は自分の子どもを育ててきて、たいていはうまく育てています。だからルールの一覧をわたされると、ちくりと痛むことがあります。ルールそのものだけでなく、感謝とルールの理由から話しはじめましょう。寝かせる向きからチャイルドシートまで、安全の目安の多くはひと世代のうちに本当に変わったので、「今は目安が違うんだって」と伝えるのは本当のことでもあり、個人的にも聞こえにくいのです。できるなら理由を伝えます。「この子はピーナッツに本当にアレルギーがあるから、きびしくしないといけないの」。理由がわかる線なら、ほとんどの祖父母は喜んで守ってくれます。
親にできることと、できないこと
親にできるのは、ゆずれないことははっきりと、ほかのことには落ち着いていることです。ほかの大人の家をこまかく管理することはできませんし、そうしようとすると、まさに恐れている反発を生みがちです。小さなことで祖父母と親のルールが違っても、子どもの世界はくずれません。子どもを本当に不安にさせるのは、大好きな大人どうしのぎくしゃくです。だから関係を守ること自体が、子どもを守ることの一部なのです。
ふたつのルールをもてるよう、子どもを助ける
違いがかんたんに、対立なしに伝えられると、子どもは違いを上手に受けとめます。「じいじの家ではいいけど、うちではしないの。それでいいんだよ」と軽く伝えると、どちらかの味方をさせずに、はっきりした枠をあげられます。家では親の流れをぶれずに保ち、錨をしっかりさせておきましょう。子どもを家と家とのあいだの伝言係や取りしまり係にしないでください。帰ってきたあとのゆれが予想できるなら、叱るのではなく、なじみの流れで切りかえをやわらげましょう。子どもは悪さをしているのではなく、合わせなおしているところだからです。
どうしても動かないルールがあるとき
ときには、祖父母が本当の安全のルールを無視し続け、あたたかさだけではうまくいかないこともあります。やさしく、でもあいまいさなく伝えましょう。具体的なルール、その理由、そして親が必要としていること。今のような訪問を続けるにはいくつかのゆずれないことを守ってもらう必要があると伝え、必要ならしばらくもっとそばで見守るのは、無理のないことです。勝ち負けの話ではありません。子どもの安全の話で、それを守るのは、まさに親の役目です。
外からの見かたを借りたいとき
ルールの違いのほとんどはふつうのことで、なごやかな話し合いで解決します。ただ、はっきりお願いしているのに、食事、睡眠、アレルギー、見守りについての安全のルールが無視され続ける、意見の違いが深刻な対立になって続き、子どもの心と体に影響している、という場合は、地域の保健師さん、かかりつけ医、自治体の家庭の相談窓口に相談する価値があります。中立で最新の情報源は、事実についての言いあいをおさめ、熱をさましてくれます。
覚えておきたいこと
めざすのは、まったく同じふたつの家や、親とそっくり同じに子育てする祖父母ではありません。どこにいても安全で、祖父母が得意なやさしい甘やかしを楽しめる子どもです。祖父母と親のルールが違うときは、本当に大切な少しだけを守り、残りはにぎる手をゆるめて、おばあちゃんの家にはおばあちゃんの家の、とびきりの習慣があることを、子どもに楽しませてあげましょう。
ポイント: 安全はしっかり守り、小さなことはおおらかに。家ごとに習慣が違うことを子どもはかんたんに覚えるので、ぶつかるのは本当に大切なことのためだけにとっておきましょう。