祖父母のプレゼントが多すぎるとき、角を立てない伝えかた
ほとんど遊んでいないおもちゃでぱんぱんの押し入れ。会うたびに新しいプレゼント。祖父母が玄関に入ったとたん、おみやげを期待する子ども。わが家のことだとしても、親が恩知らずなわけでも、祖父母が悪者なわけでもありません。気前のいい祖父母はたいてい、いちばん自然に感じられる方法で愛情を注いでいるだけです。解決策は、その愛情を止めることではなく、行き先を変えることです。
ひと言でいうと
祖父母のプレゼントが多すぎるときは、ぶっきらぼうな「やめて」より、落ち着いた線引きのプランのほうがずっとうまくいきます。何が心配なのかを伝え、それでもたっぷり愛情を注げる別の形を提案し、誰ものけものにされないよう、いっしょにペースを決めましょう。
プレゼントが止まらない理由
多くの祖父母にとって、贈ることは愛情の表しかたであり、会えない時間のうめあわせであり、自分の子育て時代の喜びをもう一度味わうことでもあります。もう片方の祖父母とひそかに張りあっている場合もあれば、お店のかわいいおもちゃについ手がのびてしまうだけの場合もあります。何がきっかけかを知るのは大切です。愛情から贈る祖父母と、張りあいから贈る祖父母では、必要な話し合いが違うからです。それでもほとんどいつも、プレゼントの山の裏にある気持ちはあたたかいものです。その結果がそうでなくても。
はじめに見ておきたいこと
子どもへの影響に目を向けましょう。すてきな習慣を、向き合うべき問題に変えるのはそこだからです。祖父母に会うなり「何持ってきたの?」と聞く、いつももっと新しいものがあって落ち着いて遊べない、プレゼントがいつものことになって、がっかりを受けとめるのがむずかしくなっている。親自身の気持ちにも目を向けます。ものがあふれる、むだになる、価値観が合わない、というのはもっともな心配です。本当の影響とちょっとしたいらだちを分けておくと、話し合いをちょうどいい温度で始められます。
落ち着いた線引きのプラン
- 何が本当に心配なのかを決める。ものがあふれること、もらって当然と思うこと、むだ、価値観。
- それでも気前よく感じられる別の形を提案する。体験、貯金、特別なプレゼントをひとつだけ。
- 会うたびではなく、誕生日や行事のときにする、などのペースを決める。
- あたたかく、何度も感謝を伝え、拒否ではなく、行き先を変えるお願いだと伝わるようにする。
気前のよさを止めるのではなく、行き先を変える
プレゼントが多すぎるときの線引きの中心は、祖父母の愛情に、もっといい行き先を用意することです。体験はとても喜ばれることが多いものです。動物園、プール、電車でのお出かけ、いっしょにお菓子をつくる午後。どれもものではなく思い出を増やし、祖父母には孫とのふたりきりの大切な時間をくれます。貯金や、いつか買う自転車、いっしょに使う定期購読にお金を出すことを喜ぶ祖父母もいます。おもちゃを何個か祖父母の家に置いておくのを喜ぶ人もいて、家に持ちこまれる量を減らしながら、楽しみは残せます。
やさしく伝えるには
子どものいないところで、プレゼントを贈る場面からも離れた、落ち着いたふたりの時間を選びましょう。批判ではなく、感謝と子どものことから話しはじめます。子どもがどれだけ愛されていると感じているかを伝え、その気持ちを大切にするために、間をあけたり体験に変えたりしたい、と話してみてもいいでしょう。感謝の心やものを大事にする心など、教えたい価値観の話として伝えると、「甘やかしすぎ」と言われるより、ずっと聞いてもらいやすくなります。祖父母のアイデアもたずねて、上から言いわたす決まりではなく、いっしょにつくるプランだと感じてもらいましょう。
親にできることと、できないこと
親にできるのは、はっきりした期待を伝え、別の形を提案し、家に入ってくるものを管理することです。衝動買いのすべてを止めることはできませんし、ときどきおまけのお菓子をこっそりくれる祖父母が、子どもの育ちをくずしてしまうわけでもありません。本当に大切な線を選んで、そこは落ち着いて守りましょう。それ以外は、祖父母らしいちょっとした甘やかしも、この関係の魔法の一部です。すべてのプレゼントをきびしく取りしまると、片づいた部屋で得るものより、失う信頼のほうが大きくなりかねません。
祖父母がどうであれ、子どもを助ける
プレゼントの量にかかわらず、家の中で親ができることはたくさんあります。感謝のお手本を見せる、小さくなったおもちゃを人にゆずるのに子どもも参加させる、出しておくおもちゃを入れかえて一度に多くなりすぎないようにする。祖父母を袋を開けることではなく、ぎゅっとして遊ぶ予定で迎えて、プレゼントを訪問の気持ちの中心にしないようにしましょう。祖父母が持ってくるものより、祖父母と過ごす時間を大切にするよう子どもに教えることこそ、より深い勝利です。そしてそれは、ほとんど親の手の中にあります。
プレゼントだけの話ではないとき
ときには、贈りものが、もっとむずかしい何かの表れであることもあります。家どうしの張りあい、罪悪感、あるいはプレゼントで影響力を買ったり、親の決まりをくつがえしたりしようとしている祖父母。気前のよさにひもがついている、深刻な対立を生んでいる、親の立場をくずすのに使われている、というときは、話はプレゼントから、関係の中の線引きへと移ります。自治体の子育てや家庭の相談窓口は、こうしたむずかしい関係についても相談にのってくれます。外からの落ち着いた見かたを求めるのは、はずかしいことではありません。
覚えておきたいこと
祖父母のプレゼントが多すぎるとき、落ち着いた線引きのプランは、親の価値観と関係の両方を守ってくれます。誰かに、子どもを愛するのを減らしてほしいと頼んでいるのではありません。その気前のよさが、思い出、体験、いっしょの時間へと流れていくよう手伝っているのです。おもちゃを卒業したずっとあとまで、子どもが本当に覚えているのはそういうものです。あたたかく行き先を変え、何度も感謝を伝え、愛情をしっかり真ん中に置いておきましょう。
ポイント: 気前のよさは止めずに、行き先を変えましょう。山のようなおもちゃを、体験や貯金、数少ない特別なプレゼントに置きかえ、あたたかく感謝を伝えれば、拒否とは感じられません。