おじさん、おばさん、いとこって?子どもに親戚の関係を教える
「おばさんって、ママのお姉ちゃん?それともパパのお姉ちゃん?」「あの子が、なんでいとこなの?」。親戚のつながりは、小さな子にとって本当に不思議なものです。同じ人が、自分のお母さんでもあり、誰かの娘でもあり、ほかの誰かのお姉さんでもある。そのことを、子どもは一生けんめい理解しようとしています。家系図がわかるよう手伝うと、子どもはあたたかい居場所の感覚を得て、自分を愛してくれる人たちのことを話す、すてきな毎日の話題も手に入ります。
ひと言でいうと
おじさん、おばさん、いとこなど親戚の関係を伝えるには、具体的に、知っている人と結びつけて、少しずつ何度もくり返すのがいちばんです。抽象的な図は、小さな子にはほとんど意味がありません。誰が誰とつながっているかのおはなしこそが、すべてなのです。
知っていると、子どもの助けになる理由
家族の中で自分がどこにいるかがわかると、子どもは安心と自分らしさ、「自分の大切な人たちは誰か」への実感のこもった答えを得ます。たくさんの関係のことばを覚えるので、ことばの力も育ちますし、人がどうつながっているかを考えるのは本物の頭の体操なので、考える力も育ちます。きずなも深まります。お正月に会うあの男の人がパパの弟、つまり自分のおじさんだとわかっている子は、もっとあたたかい気持ちでその人と関われるからです。家系図は愛情の地図で、子どもは地図をもつのが大好きです。
はじめに見ておきたいこと
関係の理解は一歩ずつ育つので、わが子の段階を見ましょう。小さな子は、まず名前と顔を覚え、それから「ばあば」「おじさん」のようなかんたんな呼び名を覚えます。おじさんが親の兄弟だとわかるのは、それよりずっとあとです。3歳から5歳くらいになると人どうしをつなげはじめますが、いとこやひいおばあちゃんはまだ不思議なままかもしれません。実際にわが子の暮らしの中にいる親戚は誰かも見ておき、そこから始めましょう。会ったことのある人は、図の中の遠い名前より、ずっとわかりやすいのです。
理解を育てるプラン
- 子どもが知っている人から始め、つながりをかんたんに伝える。「なおこおばさんは、ママのお姉ちゃんだよ」
- 写真や、指させるかんたんな家系図を使う。
- 勉強としてではなく、毎日の会話の中で自然につながりをくり返す。
- 年齢とともに理解が育つのを待ち、小さな子にはとこまでわかることは期待しない。
具体的に、目に見える形で
小さな子は、抽象的なことではなく、絵と人で考えます。だから家系図を、見てさわれるものにしましょう。写真をはったかんたんな絵、写真立てを並べた壁、手づくりの家族の本。どれも助けになります。名前を言いながら指さします。「これはじいじ。パパのお父さんだよ」。一度の大きな説明より、たくさんの小さな瞬間でくり返すほうが、ずっとしっかり定着します。そのうち親戚の関係を伝えることは、座って聞かなければならない勉強ではなく、自然な実況中継になっていきます。
ややこしいつながりを説明する
小さな頭には本当にむずかしい関係もありますし、それでかまいません。いとこは、子どもが好きななぞなぞです。「おばさんの子どもは、あなたのいとこだよ」とかんたんに伝え、すっかりわかるのはもっとあとでいいのです。ひいおばあちゃんは「ばあばのお母さん」と伝えると、子どもはおもしろがります。理屈を無理に通す必要はありません。なぜかを説明できるずっと前から、子どもはあの子がいとこだと楽しく知っていられます。聞かれたことには、聞かれた深さで答え、もっと深い仕組みは年齢とともに自然におさまるのにまかせましょう。
どんな家族の形も、大切に
家族の形はさまざまです。わが家のことを子どもに伝えるとは、その本当の形を大切にすることです。再婚によるきょうだいや親戚、父親や母親の違うきょうだい、養子縁組による家族、同性のふたりの親、いくつかの家族がひとつになった家庭、親しみをこめて友人を「おばちゃん」と呼ぶ家族。どれもまったくそのとおりの家族です。わが家で実際に使っていることばを使い、わが子の家族をふつうで、すてきなものとして伝えましょう。子どもにとって、それはただの「うち」だからです。めざすのは教科書どおりの家系図に合わせることではなく、自分を愛してくれる人たちのつながりを子どもが理解し、誇りに思えるようにすることです。
親にできることと、できないこと
親にできるのは、はっきりした、くり返しの、あたたかい説明です。理解を急がせることはできません。理解は考える力の発達とともに広がっていくもので、誰が誰のお姉さんかを3歳や4歳の子がごちゃまぜにしても、直すべき問題ではありません。軽い調子で、質問についていきましょう。家系図の途中で子どもがあきたら、そこでやめます。理解は、一度にではなく、何年もかけた数えきれない小さな会話で積みかさなっていくものなので、合格すべきテストも、守るべき期限もありません。
つながりに変えていく
本当のごほうびは、関係を正しく言えることではなく、その名前の向こうにいる人たちとのつながりを感じることです。覚えることを、実際のふれあいと結びつけましょう。おじさんへの電話、いとこの家への訪問、ひいおばあちゃんの昔話。呼び名が、あたたかくなじみのある人と結びつくと、関係は生き生きとしてきます。いっしょに写真を見て、親戚ひとりひとりの小さなおはなしをすると、味気ない家系図が、生きた居場所の感覚に変わります。それこそがいちばん大切なことです。
覚えておきたいこと
親戚の関係を伝えることは、本当は、広い人の輪に包まれていると子どもに感じてもらうことです。具体的に、実際に知っている親戚と結びつけて、どんな形の家族も大切にし、年齢とともにやさしく理解が育つのを待ちましょう。名前はやがて自然に整理されていきます。その途中で育てた居場所の感覚こそ、子どもが持ち歩いていくものです。
ポイント: 親戚の関係は、具体的に、わが子が実際に知っている人と結びつけて。写真を使い、毎日の会話でつながりをくり返し、わが家の本当の形を大切にして、年齢とともに理解が育つのを待ちましょう。