離れて暮らす祖父母と孫、きずなを深める習慣
祖父母がほかの町やほかの国に住んでいると、日曜日のお昼ごはんや、ふらりと立ちよることにたよって親しくなることはできません。小さな習慣を何度もくり返して、意識して育てていく必要があります。うれしいことに、小さな子がきずなを結ぶのは、いっしょに過ごした時間数より、なじみとリズムを通してです。だから距離は、こえられない壁ではなく、工夫のしがいのある課題なのです。
ひと言でいうと
離れて暮らす祖父母とのきずなを強く保つには、たまに大きくより、少しずつたびたびをめざしましょう。短い連絡をたびたび、いくつかの共有のならわし、毎日の会話に出てくる祖父母。そのほうが、年に一度の豪華な訪問よりずっと大きな力になります。
少しずつたびたびが勝つ理由
小さな子は今を生きていて、くり返しで覚えます。週に3回の5分の電話は、小さな子には長くてつかみどころのない月に一度の1時間より、確かに顔を覚えさせ、安心を育てます。見通しのある、ひと口サイズの関わりは、祖父母の顔と声を子どもの「なじみの人」の輪の中にとどめておきます。そうすれば、実際に会えたとき、それは自己紹介ではなく、再会のように感じられます。
はじめに見ておきたいこと
わが子が集中できる長さと機嫌のいい時間帯を見て、大人の都合ではなく、それに合わせて連絡を組み立てましょう。小さな子が、ビデオ越しに祖父母の水やりを4分間楽しく「手伝って」、それからふらっといなくなる。それは失敗ではなく、成功です。どの形が届くかも見ておきます。電話が大好きな子もいれば、音声メッセージ、郵便で届く絵、何度も聞きなおせる寝る前の絵本の録音のほうが好きな子もいます。
近くにいるためのプラン
- 土曜日の朝の電話など、ゆるい決まった枠をつくって、思い出したときだけの連絡にならないようにする。
- 話すだけでなく、いっしょに何かをする。同じ絵本を読む、ブロックで遊ぶ、歌う。
- 祖父母の写真を、子どもが毎日目にする場所に置く。
- はがき、シール、押し葉など、手にとれる小さなものを、お互いに送りあう。
ビデオ通話を、本当に楽しいものに
画面越しに顔を合わせるのは力がありますが、それは小さな子に合っているときだけです。通話は短く、端末は立てかけて手があくようにし、通話にいっしょにする目的をもたせましょう。庭やペット、ゆうべの夕ごはんを見せてくれる祖父母は、小さな子に見て話すものをくれます。絵本を読む、いないいないばあをする、同じかんたんな工作を両方でする。それだけで、見ているだけの通話が遊びに変わります。子どもがふらっといなくなったら、そのままにしましょう。いやいや続ける長い通話より、楽しい短い通話のほうがいいのです。
祖父母を、毎日の暮らしに織りこむ
いちばん強い遠距離のきずなのいくつかは、通話と通話のあいだに生かされています。ふだんの何気ない瞬間に祖父母の話をしましょう。「じいじも電車が大好きなんだよ」「ばあばが見たら笑うね」。祖父母から教わった料理をつくって、そう伝えましょう。子どもがひとりでめくれる小さなアルバムを置いておくのもいい方法です。こうした糸があると、祖父母は子どもの想像の中にいつもいて、連絡のたびに関係を最初からやりなおすのではなく、つぎ足すことになります。
祖父母とも、がんばりを分けあう
遠距離のきずなを強く保つには、両方からの歩みよりが必要で、何がうまくいくかを正直に話すのが助けになります。機械が苦手で不安な祖父母や、じっとしていない小さな子にどう話せばいいかわからない祖父母もいます。やさしくコツを伝えると助けになります。質問からではなく遊びから入る、短くする、子どもの興味についていく。いつも自分ばかりが連絡していると誰も感じないよう、いっしょにリズムを決めましょう。負担が分けあえていると、連絡は長続きします。
親にできることと、できないこと
親にできるのは、機会とリズムと小道具をつくることです。すぐに親しくなることを無理につくりだしたり、電話越しに小さな子に愛情をふるまわせたりはできません。最高の通話もあれば、子どもが10分間天井を映しているだけの通話もあるでしょう。そのでこぼこはふつうのことです。きずなを育てるのは一回一回の通話の出来ではなく、何か月にもわたって続けることです。だから気軽に顔を出し続けて、平均に仕事をしてもらいましょう。
距離がつらく感じるとき
長いあいだ直接会えないのは、みんなにとって本当にさみしいものです。平気なふりをするより、そう口にしてかまいません。次の帰省の予定を立て、子どもに見えるカレンダーに印をつけて、つかまっていられるカウントダウンをつくりましょう。子どもの気分が心配なとき、祖父母の体調が悪く連絡が気持ちの面で重いときは、地域の保健師さんやかかりつけ医が支えにつないでくれます。距離をつらいと感じるのは、はずかしいことではありません。
覚えておきたいこと
離れて暮らす祖父母とのきずなを強く保つのに、大きなことや完璧な通話はいりません。必要なのは、家族が続けられるリズムと、毎日の暮らしに織りこまれた祖父母です。少しずつたびたび、画面越しにいっしょに遊ぶ、郵便で届く小さなもの、夕ごはんのときの気軽なひと言。それを1年静かに続ければ、子どもは遠くの祖父母を、本当によく知っている人として迎えるようになります。
ポイント: 距離に勝つのは、豪華な訪問ではなくリズムです。短く、たびたび、遊びのある関わりのほうが、まれな長い通話よりずっとよく、離れて暮らす祖父母とのきずなを保ってくれます。