子どもの前で祖父母と言いあいに、そのあとのフォロー

どんなにいい家族にも起こることです。ぴりぴりした帰省が、つい大きな声になる。祖父母と親が、ささいなことでぶつかる。そしてそこには、目をまるくして全部を見ているわが子。でも安心してください。家族の対立について何十年も研究されてきたことからわかっているのは、子どもにいちばん影響するのは、言いあいそのものではなく、そのあとに起きることだということです。あたたかく解決される対立を見た子は、関係は折れずにしなれるのだと学びます。

ひと言でいうと

子どもの前で家族が言いあってしまったら、まず大人は大丈夫で、あなたは安全だとすぐに伝えて安心させ、それから関係がなおっていくところを見せたり聞かせたりしましょう。言いあいより仲なおりのほうが大切で、子どもは仲なおりを見ることで、おどろくほど安心します。

言いあいより、仲なおりが大切な理由

子どもに必要なのは、対立のない家ではありません。そんな家はそもそもありません。必要なのは、怒りは乗りこえられるもので、意見がぶつかっても愛情は続くと知ることです。大人が言いあって、それから仲なおりするのを見ると、子どもは力強いことを学びます。大きな気持ちは過ぎていくこと、意見が違っても大切に思いあえること、こわれた関係はなおせること。冷たい沈黙のまま宙ぶらりんにされた対立は、あとであたたかく修復される目に見える言いあいより、子どもにとってずっとつらいものです。

はじめに見ておきたいこと

子どもがどう反応したかを見ましょう。それがこたえかたの手がかりになります。小さな子は静かになる、しがみつく、泣く、荒れる、などするかもしれません。少し大きな子は質問したり、ひきこもったりするかもしれません。表面上は平気そうでも、明らかに緊張をかかえている子もいます。親自身の状態にも目を向けましょう。まだ見るからに怒っているうちは子どもを安心させられないので、まずひと呼吸おいて自分を落ち着かせることが先になることもよくあります。子どものサインを読めば、どのくらいの安心と説明が必要かがわかります。

仲なおりのプラン

  • みんな大丈夫で、言いあいは子どものせいではないと、すぐに伝えて安心させる。
  • 話す前に自分を落ち着かせ、落ち着きを本物にする。
  • できるなら、大人どうしのあたたかさが戻っていくところを子どもに見せる。
  • 言いあいの中身に子どもを巻きこまず、気持ちを年齢に合ったかんたんなことばで伝える。

まずは、子どもを安心させる

家族の言いあいのあと、小さな子がいちばん気にしているのは、たいてい「自分は安全?自分のせいでこうなったの?」ということです。その両方に、すぐに、かんたんに答えましょう。落ち着いてぎゅっと抱きしめ、はっきりしたことばを少しかけるだけで、ずいぶん違います。大人どうしで意見がぶつかったけれど、今はみんな大丈夫で、あなたとはまったく関係ないよ、と。大人の事情をくわしく話さず、短く正直に。子どもに言いあいの中身はいりません。足もとの地面がしっかりしていると知ることが必要なのです。

なおっていくところを見せる

いちばん力のある仲なおりの方法のひとつは、仲なおりしたと伝えるだけでなく、それを子どもに見せることです。親と祖父母が、あたたかいひと言や、ぎゅっや、ふつうのなごやかなやりとりを子どもの前でかわせれば、子どもは関係が続いたことを自分の目で確かめられます。それはどんな説明よりも力をもちます。対立と愛情はいっしょにありうると、言うのではなく見せることになり、それは一生子どもを支える教えになります。

あやまることと、ゆるすことのお手本を

子どもは、大好きな大人を見て、対立とのつきあいかたを学びます。親や祖父母が不公平なふるまいをしたなら、子どもに聞こえるところでの、心からのかんたんなおわびは、かけがえのないことを教えてくれます。大人もまちがえるし、それを自分のこととして引きうけられる、ということです。ゆるしが差しだされ、受けとられるのを見ると、関係はひとつの悪い瞬間より大きいのだと子どもは知ります。子どものために演じるというより、ふつうの健やかな仲なおりの仕組みを、ちらりと見せてあげるのです。いつか子どもは、自分の友だちや家族との関係でそれを使うでしょう。

親にできることと、できないこと

親が動かせるのは、自分のふるまい、子どもを安心させること、そして仲なおりしようとする気持ちです。怒ったままの祖父母をいつも動かせるとはかぎりませんし、子どもが見た言いあいを巻きもどすこともできません。自分の手の中にあることに集中しましょう。自分を落ち着かせること、子どもをなぐさめること、自分の側から関係をなおすこと。もう一方の大人がどうであれ、親が落ち着いてやさしくいる片側だけの仲なおりでも、少なくとも自分の大切な人のひとりは安全な港だと、子どもを安心させられます。

対立がしょっちゅう、またはこわいとき

ときどき言いあいがあって、あたたかく仲なおりできるなら、それは家族の暮らしのふつうの一部で、心配することではありません。ただ、家族の中の対立がしょっちゅうある、激しい、子どもにとってこわいものになっている、乱暴がからむ、子どもに眠りの問題、べったり、行動の変化などのつらさのサインが長く続いている、という場合は、支えを求める価値があります。地域の保健師さん、かかりつけ医、自治体の家庭の相談窓口が助けてくれますし、たずねるのははずかしいことではありません。続いて解決しない対立は、子どもに本当に影響することのひとつで、支えがそれを変えられます。

覚えておきたいこと

子どもの前で言いあったあとに仲なおりすることは、つらい瞬間を、立ちなおる力についての静かな教えに変えることです。完璧で対立のない家族はいりません。なおせる家族であればいいのです。すぐに子どもを安心させ、自分を落ち着かせ、あたたかさが戻るのを見せ、まちがいを引きうけるお手本を見せる。そうすれば、望まない言いあいでさえ、愛情はちゃんと続くと、子どもに少し確かに感じさせてくれます。

ポイント: 言いあいより、仲なおりのほうが大切です。あなたは安全で、あなたのせいではないとすぐに伝えて安心させ、それから関係があたたかくなおっていくところを見せましょう。

AAP HealthyChildren, Family Dynamics

NHS, Children and young people's mental health