祖父母といっしょにつくる、家族のフォトブック
小さな子がソファまで持っていって、ページをめくり、大好きな顔を何度も何度も指させる写真の本には、画面ではなかなかかなわない何かがあります。小さな子にとって、家族の写真をまとめたシンプルな本は、記念品以上のものです。顔を覚え、居場所を感じ、ことばを育てる道具なのです。そこに祖父母が入っていると、会えないあいだも、その存在をそっと身近にしておいてくれます。
ひと言でいうと
祖父母といっしょにつくる家族のフォトブックは、シンプルで、じょうぶで、なじみの顔がふだんのことをしている写真でいっぱいのものがいちばんです。子どもに、見映えのいいアルバムはいりません。必要なのは、自分を愛してくれる人たちのはっきりした写真が、いつでも手にとって見なおせる形になっていることです。
フォトブックが小さな子の助けになる理由
くり返しと見覚えは、小さな子が記憶と「誰が自分の家族か」の感覚を育てる方法です。毎日見られるフォトブックは、なじみの顔を強くしてくれます。たまにしか会えない祖父母にとっては、とくに価値のあることです。ページをめくるとことばも生まれます。子どもが人の名前を言い、親がそれぞれの写真の裏にある小さなおはなしをするからです。居場所の感覚、「わたしの家族は誰?」への目に見える答え、そして安心できる物。そのすべてを一度にくれます。
はじめに見ておきたいこと
写真を見るときに、わが子が何に反応するかを見て、それを生かしましょう。赤ちゃんのころの自分の写真が大好きな子もいれば、ペットや、おもしろい顔をしている祖父母に夢中になる子もいます。小さな読み手ならではの実際の必要にも目を向けます。かじられても落とされてもだいじょうぶなじょうぶなページ、小さな手で扱える大きさ、顔が大きく見やすいはっきりした写真。小さな子には、こわれやすいアルバムより、厚紙の絵本のような本がいちばんです。
つくりかたのプラン
- はっきりした写真を何枚か集める。それぞれの祖父母、身近な親戚、そして子どもがその人たちとふだんのことをしている写真。
- とくに赤ちゃんや小さな子向けには、毎日さわってもだいじょうぶなよう、短くじょうぶにする。
- どのページにも、子どもが使っている呼びかたで名前を入れる。「ばあば」「じいじ」など。
- 祖父母にも写真を選んでもらったり、ひと言を書いてもらったりして、巻きこむ。
ぴったりの写真を選ぶ
いちばんいい写真は、完璧な構図より、あたたかくてはっきりしたものです。それぞれの祖父母の顔のよく写った近い写真に加えて、子どもが実際にその人といっしょにいる写真を入れましょう。抱っこ、いっしょのごはん、散歩、遊び。ふだんの瞬間は、その顔と、その人に愛されている気持ちを結びつけてくれます。誰も目立たない大人数の集合写真をページにつめこむのは避けましょう。小さな子には、にぎやかなコラージュより、1ページに大きくはっきりした顔ひとつのほうがずっと向いています。
祖父母も、つくる仲間に
祖父母がつくるのを手伝ってくれると、フォトブックはさらに豊かになります。孫といっしょの写真でお気に入りを選んでもらったり、自分の昔の写真を送ってもらって入れたりしましょう。祖父母自身のことばで短いひと言を書いてもらったり、子どもがそのページを開いたときに流す音声メッセージを録ってもらったりするのもいいでしょう。とくに遠くに住む祖父母は、この計画に加わるのをとても喜びます。遠くからでも、子どもの毎日の暮らしの中に本当の役割ができるからです。
いっしょに、何度も読む
フォトブックは、くり返し読まれてこそ役に立ちます。だから毎日のリズムに組みこみましょう。寝る前に開いて、ひとりずつ名前を言い、小さなおはなしをします。「じいじが、カモにえさをあげるのを教えてくれたね」。子どもについていき、好きなページでゆっくりしましょう。そのうち子どもが自分で名前を言い、おはなしを話してくれるようになります。このやさしい毎日のならわしが、写真の束を、子どものそばにずっと残る生きた家族の感覚に変えていきます。
親にできることと、できないこと
親にできるのは、すてきでじょうぶな本をつくり、よく読むことです。子どもに予定どおりそれを宝物にさせることはできませんし、トラックのおもちゃに負けて見向きもされない日もあるでしょう。それでかまいません。手の届くところに置いておき、興味が行ったり来たりするのにまかせましょう。価値は一回で生まれるのではなく、たくさんの小さな「見る」を重ねて、ゆっくり育っていきます。よく読まれて少しぼろぼろになった本は、こわれたのではなく、成功のしるしです。
子どもの成長に合わせて、続けていく
フォトブックは一度きりのものではありません。子どもが大きくなったら、ページを足し、写真を新しくし、祖父母との新しい冒険を入れていきましょう。少し大きな子は写真選びを手伝ったり、ひと言を言って書きとってもらったりできるので、自分のものだという感覚と居場所の感覚がさらに深まります。赤ちゃん用のシンプルな厚紙の本をひとつ、そのとなりにもっと中身のあるアルバムを置いておくのもいいでしょう。本を新しくし続けると、中の祖父母もいつも今の姿のままで、ある1年の一場面ではなく、子どもの家族の本当の姿であり続けます。
覚えておきたいこと
祖父母といっしょにつくる家族のフォトブックは、小さな子に、自分を愛してくれるのは誰かという、強くて持ち運べる感覚をあげる、いちばんシンプルな方法のひとつです。はっきり、じょうぶに、本物のふだんのあたたかさでいっぱいにして、祖父母にもつくるのに加わってもらい、いっしょによく読みましょう。ページがやわらかくすり切れたずっとあとまで、子どもはそれが育てた居場所の感覚を持ち歩いていきます。
ポイント: なじみの顔が並ぶ、シンプルでじょうぶなフォトブックは、居場所の感覚を育て、祖父母を身近にしてくれます。祖父母にもつくるのに加わってもらい、写真ははっきりと、いっしょによく読みましょう。