孫が祖父母に聞いてみたい、子どものころの質問

小さかったころの学校はどんなだったか、祖父母に聞いてみてください。テレビがなかったこと、石けりやおはじきで遊んだこと、遠い道を歩いて通ったこと。子どもの目はまんまるになります。とても小さい人ととても年上の人とのあいだのいちばんあたたかいきずなのいくつかは、好奇心の上に築かれます。いい質問がいくつかあれば、ふつうの帰省が、家族の歴史をめぐる宝さがしに変わり、ふたつの世代のどちらにとっても楽しい時間になります。

ひと言でいうと

子どもが祖父母に子どものころのことを聞くなら、いちばんいい質問は、シンプルで、具体的で、「はい」「いいえ」ではなくおはなしの扉を開くものです。遊び心をもって、ひとつの答えが次の質問につながるようにすれば、祖父母は喜んで別の世界への扉を開いてくれます。

こうした会話が大切な理由

祖父母のおはなしを聞くと、子どもは根っこと、つながりの強い感覚を得ます。自分より古い何かに属しているという気持ちです。大人も昔は小さくて、こわがりで、おどけていたと知ることで、思いやりの心も育ちます。本気でたずねられ、しっかり耳をかたむけてもらうのは、何歳になってもうれしい贈りものなので、きずなも強まります。そして、放っておけば失われてしまう家族の歴史や受けつぎものを、語ってくれる人がいるうちに残すことにもなります。

はじめに見ておきたいこと

わが子自身の好きなことに目を向け、そこから質問を始めましょう。好奇心は、すでにあるレールの上をいちばんよく走るからです。食べものが好きな子は祖父母が何を食べていたかで目をかがやかせ、動物好きな子はペットのことを知りたがるでしょう。祖父母のほうも見ておきます。少しつつけばおはなしがあふれる語り上手の人もいれば、自分の昔のことには照れくさくて、やさしい具体的な問いかけで少しずつ話しはじめる人もいます。子どもにも祖父母にも合った質問を選ぶと、会話が止まらずに流れていきます。

まずは、こんな質問から

  • スマホもパソコンもなかったころ、何をして遊んでいたの?
  • いちばん好きだった食べものは何?誰がつくってくれたの?
  • ペットはいた?なんていう名前だったの?
  • どんな遊びをしてたの?どんなことで叱られた?

質問が届くように

小さな子には、抽象的な質問より、開かれた具体的な質問のほうがずっとうまくいきます。「何して遊んだの?」はおはなしを招き、「子どものころはどうだった?」はたいてい肩をすくめられて終わります。五感と具体的なことに結びつけましょう。好きだった駄菓子、学校までの道、親友、いたずらした瞬間、宝物のおもちゃ。ひとつの答えが好奇心に火をつけたら、それについていきます。いちばん豊かな質問は、計画していなかったあいづちであることがよくあります。「それで、どうなったの?」が、おはなしを生かし続けます。

いっしょにする活動にする

質問は、活動で包むともっと記憶に残ります。子どもが質問して、親が答えを小さな本に書いたり描いたりするのを手伝う「インタビュー」をしてみてもいいでしょう。昔の写真をいっしょに見ると、自然と質問が生まれ、生き生きしたおはなしが出てきます。祖父母の子ども時代の料理を、つくりかたを話してもらいながらいっしょにつくると、すべての感覚が使われます。音声や動画で残したおしゃべりは、子どもがずっとあとまで大切にする記念品になります。いっしょに何かをすることが、照れくさい子にはたずねる理由を、照れくさい祖父母には答える理由をくれます。

つらい歴史には、やさしく

祖父母の過去のすべてが明るいわけではなく、子どもが悲しみや苦労や喪失の話にふれてしまうこともあります。祖父母についていき、どこまで話すかは祖父母に選んでもらい、安心できる空気を保ちましょう。人生にはつらいところもあったと、子どもが受けとめられる深さで知るのは、かまわないことですし、すてきなことでもあります。質問が何かつらいことにふれたら、あたたかく話題を変えれば、みんなが守られます。めざすのはつながりで、問いつめることではありません。だから、いつでもやさしさが先です。

親にできることと、できないこと

親にできるのは、質問を用意し、場を整え、あたたかい調子を保つことです。気のりしない祖父母に思い出話を無理にさせたり、気が散っている小さな子に座って聞かせたりはできません。すてきなおはなしがあふれる日もあれば、質問ふたつで子どもがふらっといなくなる日もあるでしょう。どちらでもかまいません。一度の大きなインタビューを仕組むより、たくさんのふつうの帰省に質問を軽くちりばめていけば、おはなしは時間とともに自然と積みかさなっていきます。

おはなしを、あとのために残す

残した思い出は、残る思い出です。できるときは、走り書きのメモ、絵と答えの小さな本、短い動画など、祖父母のおはなしをそっと記録しておきましょう。子どもは同じおはなしを何度も聞くのが大好きですし、こうした記録は、とくに何年もたってから、かけがえのないものになります。凝ったものはいりません。スマホと好奇心いっぱいの子どもがいれば十分です。たずねること、そして答えを残すことは、あなたの人生は大切なものだったと祖父母に伝えることでもあり、それ自体が静かな贈りものになります。

覚えておきたいこと

子どもが祖父母に子どものころのことを聞く質問は、集めた事実よりも、育つつながりのほうに意味があります。シンプルに、遊び心をもって、子どもの好奇心にまかせ、おはなしが向かう先についていき、いくつかはあとのために残しておきましょう。そうすることで、子どもには根っこと思いやりが、そして祖父母には、すてきなほど本当に知ってもらえたという気持ちが手に入ります。

ポイント: シンプルで具体的な質問が、祖父母のおはなしの扉を開き、子どもに根っこと思いやりをくれます。子どもの好奇心についていき、遊び心をもって、いくつかの答えを宝物として残しましょう。

UNICEF, Parenting

CDC, Positive Parenting Tips