祖父母と孫の「いつものあれ」、長く続くならわしのつくりかた

大人に大好きだった祖父母の話を聞くと、高いお出かけの話はめったに出てきません。出てくるのは、いつもいっしょにしていたことです。土曜日のホットケーキ、同じベンチまでの散歩、ふたりだけの握手、毎回同じように話してくれる昔話。小さな、くり返されるならわしは、祖父母と孫のきずなを静かにつなぎとめるのりのようなもの。意識してひとつつくっておくと、何年も続く「居場所」の感覚を子どもにあげられます。

ひと言でいうと

長く続く祖父母と孫のならわしをつくるコツは、シンプルで、無理がなく、くり返せるものを選び、何度も起こるように守ることです。特別さは、豪華さではなく、くり返しに宿ります。だから、大きくてたまにより、小さくていつものほうが、いつだって勝ります。

ならわしが大切な理由

決まった、見通しのあるならわしは、子どもに安心と、自分らしさと、ある特定の人に深く知られているという感覚をくれます。共有のならわしは「ふたりのあれ」になり、祖父母と孫だけの、ほかの誰のものでもない小さな世界になります。祖父母にははっきりした意味のある役割がうまれ、子どもには楽しみにして頼れるものができます。くり返すからこそ、親しさのもとであるなじみも育ち、ならわしがひとまわりするたびに、きずなは少しずつ深まっていきます。

はじめに見ておきたいこと

祖父母と子どもが自然といっしょに楽しんでいることに目を向けましょう。いちばんいいならわしは、義務ではなく、本当に共有できる楽しさから生まれるからです。おばあちゃんとのお菓子づくりで目がかがやく?おじいちゃんとの散歩?決まったおはなし?距離、体調、体力を考えて、本当に続けられるものかどうかも見ておきます。負担の大きすぎるならわしは、いつのまにか消えてしまいます。ふたりが本当に楽しめて、現実にくり返せるものに合わせることが、ならわしを長生きさせます。

ならわしをつくる手順

  • 立派なものではなく、祖父母も子どもも楽しめるシンプルなことを選ぶ。
  • 距離や体力もふくめて、今の暮らしの中でくり返せる形にする。
  • 決まった間隔を守って、頼れる、楽しみなものにする。
  • 子どもの成長に合わせて、糸は残しながら、中身をやさしく変えていく。

ぴったりのならわしを選ぶ

いちばん強いならわしは、小さくて、具体的で、くり返しやすいものです。いっしょにつくる決まった朝ごはん、池のカモにえさをやりに行くゆっくりの散歩、その祖父母だけが読んでくれる寝る前の絵本、いつもとなりあってする庭仕事、ふたりだけのおどけたあいさつ。遠くに住む祖父母なら、ならわしは画面の中にあってもかまいません。毎週の絵本の電話、いっしょにするゲーム、毎週同じ時間の歌。大切なのは何をするかではなく、それがくり返されること、そしてふたりのものであることです。

決まった間隔を守る

ならわしが宝物になるのは、頼れるからです。だから、そのリズムを守ることが本当の仕事です。会うたび、毎週日曜、ビデオ通話のたびなど、決まった枠をつくり、ときどきではなく、来るとわかっているものにしましょう。ときには暮らしにさえぎられることもありますし、それでかまいません。でも、そのまま流してしまうのではなく、また戻ってくることをめざします。楽しみに待つこと自体が喜びの一部で、「おじいちゃんに会ったら、いつもこれをするんだ」とわかっている子は、会えないあいだも小さな変わらない安心を持ち歩いています。

子どもといっしょに育てる

長く続くならわしは、子どもの変化に合わせて、折れずにしなるものです。3歳でいっしょにつくったホットケーキは、7歳では子どもがひっくり返すのを手伝うホットケーキになり、17歳では受けつぐレシピになるかもしれません。小さな子に読んであげていた絵本は、ふたりの読み手が交代で読みあう本になるかもしれません。「これはふたりのあれ」という糸は残しながら、中身を新しくしていく。それが、ならわしを子ども時代を通して、その先まで運んでいきます。変わろうとしないならわしは消えていきやすく、子どもといっしょに大きくなるならわしは長く残ります。

親にできることと、できないこと

親は、ならわしを提案し、場を整え、守ることができます。でも、相性を無理につくることはできませんし、すべての試みが根づくわけでもありません。立ち消えになるならわしもあれば、計画していなかったのに自然と生まれるならわしもあります。本当に喜びをくれるものについていき、あとは手ばなしましょう。親の役目はたいてい静かなものです。機会をつくり、リズムを守り、それから一歩下がって、祖父母と子どもが自分たちのものにしていくのを見守る。いちばんいいならわしは、押しつけられたものではなく、見つけたもののように感じられます。

義務ではなく、楽しみのままに

ならわしは楽しみであって、けっして義務ではありません。無理やり、しなければならないこと、見せるためのもののように感じはじめたら、ゆるめたり、形を変えたりしましょう。大切なのはつながりと喜びで、項目にチェックを入れることではありません。祖父母も子どもも楽しみにできるくらい、気負わないものにしておきます。本当の喜びをもってする小さなならわしは、期待で重くなった大きなならわしより長く続きます。そして、子どもが続けたいと思うのは、その喜びがあるからです。

覚えておきたいこと

長く続く祖父母と孫のならわしは、親がそっと用意できる、いちばん力のある贈りもののひとつで、お金はほとんどかかりません。小さくて本当に愛されているものを選び、そのリズムを守り、子どもといっしょに育てていきましょう。何年もたってから、それが子どもがいちばんあたたかく思い出すことになるかもしれません。ある祖父母が自分だけのものだったと、何度も何度も伝えてくれた、小さなくり返しの瞬間として。

ポイント: 魔法は豪華さではなく、くり返しに宿ります。ふたりが本当に楽しめる小さなことを選び、リズムを守り、子どもといっしょに育てていけば、一生続くならわしになります。

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AAP HealthyChildren, Family Dynamics