実家に子どもを預けるとき、残しておきたい情報
祖父母はたいてい子育ての経験者です。だからこそ、「いつもどおりでお願い」とさっと家を飛びだしたくなります。でも、毎日の流れも、安全の目安も、そしてわが子に必要なことも、祖父母が毎日の子育てをしていたころからは変わっていることが多いもの。数分かけて書いておくだけで、「まあまあ」の引きつぎが、本当に安全な引きつぎに変わります。祖父母が台所の引き出しを必死にさがしまわる手間もはぶけます。
ひと言でいうと
祖父母にあずけるときに残しておきたい情報は、いくつかのはっきりしたまとまりに分けられます。緊急時と健康のこと、子どもの毎日の流れ、家と安全の基本、そして親への連絡のしかた。一度書いて手近に置いておけば、みんなが肩の力をぬいて、その時間を楽しめます。
そもそも、なぜ書いておくの?
どんなに頼れる祖父母でも、あわてた瞬間にかかりつけの小児科の番号が出てこないことはありますし、安全の目安が自分のころから変わっていることを本当に知らないこともあります。書いたメモは、祖父母の力を疑うものではありません。何かがうまくいかなくなったその1回のための落ち着いた手引きであり、出かけているあいだの親の静かな安心でもあります。口で伝えたことはすぐに忘れられますが、冷蔵庫のメモは忘れられません。
はじめに見ておきたいこと
今のわが子ならではのことに目を向けましょう。それこそ、祖父母がいちばん知らない可能性が高いことだからです。今飲んでいる薬と量、アレルギー、ためしはじめた新しい食べもの、ないと眠れないお気に入りの物、最近こわがるようになったもの、切りかえている途中の毎日の流れ。祖父母がふだん使わない家のことにも目を向けます。防犯ブザー、給湯器、開けにくい鍵、救急箱の場所などです。
残しておきたい情報
- 緊急時と健康:親の携帯電話、もうひとりの連絡先、かかりつけの小児科、アレルギー、薬と量、そして受診の電話のときのための子どもの生年月日。
- 毎日の流れ:食事とおやつの時間、お昼寝と寝る時間、お気に入りの物、食べものやテレビについての「していいこと、いけないこと」。
- 安全と家:救急箱の場所、ドアや防犯ブザー、暖房の使いかた、気をつけたい危ないもの。
- 安心のために:親がどこにいて、いつ帰るか、いつでも電話していいこと。
健康と緊急時の情報は、まちがいなく
いちばん大切なのはここなので、見のがしようがない形にしましょう。親の携帯番号と、出てくれそうな予備の連絡先を書きます。かかりつけの小児科の番号と、重い緊急時には119番に電話すること。アレルギーは、そのときにすることや、抗ヒスタミン薬や吸入薬などの薬の置き場所とあわせて、はっきり書いておきます。医療者にかならず聞かれる、子どものフルネームと生年月日も入れましょう。ふだん飲んでいる薬があるなら、量と時間を正確に書いて、当て推量がいらないようにします。
一日をなめらかにする、毎日の流れ
一日のリズムを知っている祖父母は、ずっと楽に過ごせますし、子どもも同じです。食事やおやつの時間、食べるものと食べないもの、今の食事の段階を書いておきましょう。お昼寝と寝る前の流れを、お気に入りの物、絵本の冊数、子どもが待っている決まったことばもふくめて、順番に書きます。テレビの時間など、守ってほしい今の決まりや、泣いたときによく効くなだめかたも書きそえましょう。親と祖父母がいつも同じであることが、子どもの落ち着きにつながります。
ふれておきたい安全の基本
安全の目安は年月とともに本当に変わるので、とくに赤ちゃんの場合は、やさしく確認しておく価値があります。赤ちゃんなら、安全な睡眠。かならずあおむけで、何も置いていないベッドに。どの年齢でも、お風呂ではずっとそばで見守ること、薬や洗剤は手の届かないところに置くこと、車で出かけるならチャイルドシートの正しい使いかた。救急箱の場所や、玄関、防犯ブザー、暖房の使いかたも伝えます。どれも祖父母を疑っているわけではありません。メモでうめられるすきまを、うめているだけです。
親にできることと、できないこと
親にできるのは、わかりやすい情報と、落ち着いた引きつぎを残すことです。すべての「もしも」を台本にすることはできませんし、その必要もありません。祖父母には深い経験と確かな勘があります。それを信じて、20分ごとに電話したくなる気持ちはこらえ、祖父母にその時間を楽しんでもらいましょう。はっきりしたメモが1枚と、つながる電話があれば十分です。遠くからあれこれ指図すると、子どももふくめて、みんなが落ち着かなくなりがちです。
もっと気をつけたいとき
ほとんどの場合、祖父母にあずけるのに必要なのは、このメモだけです。ただ、子どもに大きな持病や重いアレルギー、複雑な配慮が必要なことがあるとき、あるいは祖父母自身にお世話に影響する体の制限があるときは、もっと気をつけて、前もって腰をすえて話す時間をもちましょう。そういうときはメモにまかせきりにせず、事前にいっしょに計画を確認し、緊急時の手順がだれにでもはっきりわかるようにしておきます。
覚えておきたいこと
祖父母にあずけるときにどんな情報を残すか考えるのは、不信の表れではありません。親が肩の力をぬいて家を出られ、祖父母があれこれ迷わずに孫との時間を楽しめるようにするためです。大事なことを一度書き、目につく場所に置き、子どもの成長に合わせて書きかえていきましょう。短いメモはささやかな手間ですが、みんなにおだやかで安全な夜をくれます。
ポイント: 緊急時と健康のこと、毎日の流れ、家と安全の基本を、書いて残しておきましょう。冷蔵庫に1枚のメモがあれば、祖父母は安心でき、子どもも安全に過ごせます。