祖父母の家ではじめてのお泊まり、どう準備する?
はじめて親とはなれて過ごす夜は、子どもにとって大きな節目です。そして親にとっては、それ以上かもしれません。やさしく進めれば、祖父母の家でのお泊まりは宝物のような冒険になり、すてきな自立の一歩になります。急いだり、行きあたりばったりだったりすると、夜遅くに涙の電話がかかってくることもあります。少しの準備が、うれしいほうへと天秤をかたむけてくれます。
ひと言でいうと
祖父母の家でのお泊まりの準備は、まずなじみをつくり、寝る前の流れはできるだけ家と同じにして、何が起きるのか子どもによくわかるように話しておくことです。年齢より準備ができているかどうかのほうが大切なので、カレンダーではなく、子どもについていきましょう。
準備はできている?
はじめてのお泊まりに、決まった年齢はありません。準備ができているかどうかは、その祖父母とどれだけくつろげているか、親と離れることにどう向き合えているか、親が近くにいない夜を過ごせるかで決まります。おじいちゃんの家で何時間も楽しく遊べて、保育園でもすんなり別れられる子なら、ためしてみる準備ができていることが多いでしょう。分離不安のまっただ中にいる子は、もう少し待ったほうがいいかもしれません。ゆっくり段階をふむのも、はじめての挑戦を途中でやめるのも、まったくかまいません。それは失敗ではありません。
はじめに見ておきたいこと
わが子が、ふだんのお別れにどう向き合っているかを見ましょう。それがいちばんの手がかりです。家での寝る前の様子も見ておきます。どのお気に入りの物が必要か、夜中に起きるか、また眠るには何が効くか。こうしたこまかなことこそ、祖父母が夜を順調に進めるために必要な情報です。親自身の準備ができているかにも目を向けましょう。子どもは親の不安を感じとるので、落ち着いて自信をもって送りだすと、子どもも落ち着きやすくなります。
段階をふむプラン
- まず昼間の長めの訪問を何回かして、次に泊まらずに祖父母の家で寝る前の流れだけしてみてから、お泊まりする。
- 前もって予定を話しておく。どこで寝るか、寝る前に何をするか、朝に親が迎えに来ること。
- 家の安心を持っていく。いつもの枕、お気に入りの物、パジャマ、好きな寝る前の絵本。
- 祖父母の家での寝る前の流れを、できるだけ家と同じにする。
寝る前の流れを、なじみのままに
小さな子は毎日の流れに支えられているので、祖父母の家の寝る前が家と似ているほど、夜はなめらかに進みます。お風呂から絵本、消灯まで、いつもの順番と、子どもが待っている決まったことばを書いておきましょう。いつものお気に入りの物と、家のにおいがする親のTシャツも持っていきます。使っているなら常夜灯、同じ子守唄、同じ冊数の絵本。なじみの合図が、新しい寝室でも「大丈夫」だと小さな脳に伝えてくれます。
子どもと話しておく
子どもは、思いうかべられることのほうが、ずっとうまく乗りこえられます。前の数日に、お泊まりのことを明るく具体的に話しましょう。どんな楽しいことがあるか、どこで寝るか、そして朝にはかならず親が迎えに来るという安心のこと。お泊まりの絵本を読むのも助けになります。話しすぎたり、親が不安そうに聞こえたりすると、楽しい冒険が心配ごとに変わってしまうので気をつけましょう。質問にはかんたんに正直に答え、家とのつながりを感じられる小さなものを持っていかせてあげましょう。
祖父母も準備の仲間に
お泊まりの準備をしっかりするには、祖父母がただの行き先ではなく、準備の一員である必要があります。寝る前の流れ、子どもがこわがっていること、眠いときのサイン、夜中に起きたらどうするかを伝えましょう。ゆれたときにどうするか、親に電話するかどうか、するならいつか、も決めておきます。寝る前に少し泣くのはふつうで、たいてい短いこと、落ち着いたいつもの流れがいちばんのこたえであることを伝えて、祖父母を安心させましょう。自信のある祖父母のほうが、子どもを早く落ち着かせられます。
親にできることと、できないこと
どれだけすてきに準備し、荷物をつめ、計画しても、予定どおりにいかない夜もあります。それはふつうのことで、子どもや祖父母への評価ではありません。子どもに準備ができたと感じさせるのを無理強いはできませんし、とても不安な子を早く押しだしすぎると、お泊まりへの気持ちがかえって遠のくこともあります。はじめての挑戦が早めに終わったら、練習だったとあたたかく受けとめましょう。最初はうまくいかなかった子のほとんどは、最後はうれしい再会だとわかると、次はすんなりやりとげます。
見送るとき、相談したいとき
はじめてのお泊まりにどきどきするのは、まったくふつうのことです。ただ、どんなお別れにもひどくつらそうにする、お泊まり先の安全に心配がある、家での寝る前のむずかしさが大きく、解決していない、という場合は、いったん見送り、地域の保健師さんに相談してみる価値があります。決まった時期にお泊まりをしなければならない理由は何もありません。子どもの準備ができるまで待つのは、立派な判断です。
覚えておきたいこと
めざすのは、完璧にうまくいくはじめての夜ではなく、親がとなりの部屋にいなくても、安全で、楽しくて、愛されていられると学んでいく子どもです。やさしく段階をふみ、寝る前の流れはなじみのままに、決まりではなくその子のペースで準備しましょう。やさしく向き合えば、はじめてのお泊まりは、たくさんの楽しい冒険のはじまりになります。
ポイント: 年齢より、準備ができているかどうか。昼間の訪問から段階をふみ、寝る前の流れはできるだけ家と同じに。早く帰ることになっても、失敗ではなく練習だと考えましょう。