家族のきずなを育てる、毎週の小さなならわし

家の中のつながりが、ひとつの大きなことでできることは、めったにありません。何度もめぐってくる、ふつうの瞬間のしずくでできていきます。だからこそ、家族のきずなを育てる毎週の小さなならわしは、何年もたつうちに、たまの大きなお出かけよりも大きな働きをすることが多いのです。毎週のリズムは、子どもに楽しみに待つもの、あてにできるもの、属しているものをあげ、そしてもう手いっぱいの親に、ほとんど何も求めません。

毎日でも毎年でもなく、毎週であるわけ

毎日の習慣はすてきですが、ばたばたした週にはすぐに消えてしまいます。毎年の行事は特別ですが、ふだんの近さを形づくるには間があきすぎています。毎週のリズムは、ちょうどいいところにあります。頼れると感じられるくらいにはよくめぐってきて、特別なままでいられるくらいにはまれなのです。子どもは、こうした目印も手がかりにして、一週間の形を覚えていきます。その見通しのよさが、小さな子の神経を本当に落ち着かせてくれます。

何がならわしになるのか

ならわしとは、少しの意味とあたたかい気持ちをのせた、くり返しのことにすぎません。気がきいている必要も、写真映えする必要もありません。何かが用事からならわしへと変わったサインは、シンプルです。子どもがそれを待つようになり、なくなったら気づくようになること。土曜日にいっしょに食べる朝ごはん、日曜日にいつもの木までのお散歩、金曜日に1枚の毛布にくるまって見る映画。くり返しとまなざしが、ありふれたことを、家族をつなぎとめるものに変えるのです。

まねしたいアイデアをいくつか

  • たとえ15分でも、ひとりずつと毎週1対1で、その子が選んだことをする時間。
  • みんなでとる食事で、一週間のよかったことと大変だったことをひとつずつ話す。
  • ひとりひとりの係が決まった、毎週のピザと映画の夜。
  • いつも同じ小さなところ、たとえば池のカモや、お気に入りのベンチで終わる、週末の短いお散歩。
  • 音楽をかけてみんなでする日曜日のお片づけと、そのあとのお楽しみ。

ぜんぶはいりません。ひとつ選んで、確かなものにして、それが居場所を得てから、次を足しましょう。きちんと続けているならわしひとつは、何度もやめてしまう5つに勝ちます。

予約のように守る

よい心がけが消えていくのは、つながりがめったに大声を出さないからです。メールは大声を出す、疲れは大声を出す、洗たく物も大声を出す。静かな金曜日の映画は出しません。だから、ならわしには決まった時間をあげて、予約した習いごとのように、やさしく守りましょう。大変な週に何かをゆずらなければならないときは、なくすのではなく、小さくします。5分の形でも糸はつながり、その時間は今もあなたのものだよと、子どもに伝えます。

子どもの声の場所をつくる

家族のきずなを育てる毎週の小さなならわしは、子どもがそれを形づくるのを手伝うとき、いちばんうまくいきます。週末の朝ごはんに何を入れたいかたずねる、映画を選ぶ人を順番にする。子どもは自分の意見が入ると思いを入れるようになり、その思いが、子どもが育ってもならわしを生かしつづけます。そして、自分の好みは大好きな人たちにとって大切なのだと、そっと教えてもくれます。それこそが、居場所を感じることの芯です。

プレッシャーは低く

ならわしは発表会ではありませんし、うまくいかなくてもちゃんと数に入ります。お散歩がふきげんな週も、食事がとぎれる週も、誰もとくにつながった気がしない週もあるでしょう。それはふつうのことで、何も取り消されません。価値は積みかさなっていくもので、毎回きらきらすることからではなく、そこにいつづけることから生まれます。理想の家族ではなく、本物の家族の暮らしをならわしが生きのびられるように、わざとハードルを下げておきましょう。

ふたつの家や、大きな変化のときにも

家族がふたつの家で暮らしていたり、新しい赤ちゃん、引っ越し、身近な人との別れに慣れようとしていたりするとき、毎週のならわしは、まさにほかのすべてがぐらついて感じられるときの錨になれます。持ちはこべるように、シンプルにしておきましょう。歌、遊び、寝る前のひと言は、手のこんだイベントよりずっとかんたんに家と家を行き来でき、その変わらなさが、変化の中を進む子どもを深く安心させます。

もっと助けを求めたいとき

ならわしは元気を支えますが、治療ではありません。子どもがずっと悲しそう、心配そう、心を閉ざしている、前は好きだったことへの興味をなくしている、あるいは家の中のぶつかりあいで、あたたかい時間がとても手の届かないものに感じる、という場合は、地域の保健師さん、かかりつけ医、園や学校に話してみましょう。早めに手をのばすのはよい子育てのしるしで、親自身のストレスを大切にすることは、子どものつながりの感覚のためにできる、いちばん力のあることのひとつです。

ふつうの毎週に、仕事をまかせる

めざしているのは、名場面集ではありません。何度もめぐってきて、「あなたの居場所はここ、これがわたしたち」と静かに伝える、頼れて手間のかからない瞬間をいくつかもつことです。毎週の小さなならわしをひとつ選び、その時間を守り、子どもを招きいれ、ふつうのことに、ゆっくりで力強い仕事をまかせましょう。

ポイント: 確かな毎週の瞬間をひとつ選び、小さく保って、その時間を守りましょう。つながりを育てるのは、出来ばえではなく、続けることです。

NHS, Start for Life: bonding and attachment

WHO, Nurturing care for early childhood development