いろいろな家族の形を、小さな子にどう伝える?
子どもは、早いうちから違いに気づきます。4歳の子は、お友だちにママがふたりいること、別の子がおばあちゃんと暮らしていること、クラスの子の家族が自分の家族とまったく違うことに気づくでしょう。いろいろな家族の形について小さな子とどう話すかは、ふたつのことを同時に形づくります。自分の家族にどれだけ安心していられるか、そして、ほかの誰の家族にもどれだけやさしく、ひらかれた気持ちでいられるかです。
すべての家族に共通する、ひとつのことから
いちばんシンプルで、いちばん本当の錨は、愛情とお世話です。どんな形でも、家族とは、あなたのお世話をして、あなたを愛してくれる人たちのこと。ここから始めると、子どもに、どんな違いもゆったりおさまる、はっきりした安心の定義を渡せます。違う形の家族についてたずねられたら、「家族っていうのは、おたがいを大好きで、お世話しあう人たちのことだよ。いろんな形があるんだよ」と言えば、質問に答えながら、子どもを落ち着かせることもできます。
ことばはシンプルに、さらりと
小さな子は、親の声の調子から合図を受けとります。ひとり親の家、パパがふたりの家、養子をむかえた家族、ステップファミリー、祖父母に育てられている子について、ほかのことを話すときと同じ、落ち着いたふつうの声で話せば、どれもふつうのことなのだと子どもは学びます。大げさなまじめな話しあいはいりません。いろいろな家族の形について小さな子と上手に話すには、違いを、特別な重々しさが必要な話題ではなく、とくに目立たないこととして扱いましょう。
よくある質問と、かんたんな答え
- 「どうしてあの子にはママがふたりいるの?」家族にはいろいろな形があって、それはうれしいことなんだよ。
- 「あの子のパパはどこ?」パパがいる家族もいれば、いない家族もあるよ。家族はみんな違うんだ。
- 「どうしておばあちゃんと住んでるの?」おじいちゃんおばあちゃんに大切に育てられている子は、たくさんいるよ。
- 「本当にきょうだいなの?」そうだよ。家族のつくられ方は、養子縁組もふくめて、いろいろあるんだ。
短く、あたたかく、正直な答えがいちばんうまくいきます。ぜんぶ説明しなくていいし、よその家族のプライベートな事情を話すべきでもありません。「家族はみんな違って、それでいいんだよ」は、着地点としてじゅうぶんです。
わが家の形も、はっきり映す
ほかの家族を理解することと並んで、子どもには、自分の家族の形への、はっきりした誇らしい感覚が必要です。とくに、絵本や画面で描かれることの少ない形ならなおさらです。わが家の家族の形に、あたたかく、ひけめなく名前をつけましょう。ひとり親、ステップファミリー、養子縁組の家族、同性の親の家族、三世代の家族の子は、自分の家族の形が、何かが欠けたものではなく、まるごとそろった、いいものとして語られるのを聞くべきです。
絵本と、毎日の瞬間を使う
質問を待たなくていいのです。いろいろな家族を描いた絵本は、いちばん入りやすい入口のひとつで、たくさんの形が世界のふつうの一部なのだと、子どもに見せてくれます。毎日の瞬間も助けになります。子どものお友だちのいろいろな家族のことを、やさしく、すてきだねという気持ちでふれると、ふつうとはどんなものかの感覚が、そっと広がっていきます。描かれることの少ない家族の子にとって、そうして映されることは安心になります。
テレビ番組や映画、まわりの人たちも、自然なきっかけをくれます。おはなしや本物の家族が、わが家と違う形を見せたら、「あの家はパパがひとりだね。楽しそうだね」のような、シンプルで明るいひと言で、いろいろあるのはふつうで、いいことなのだという考えを植えられます。子どもを座らせて、あらたまって話す必要はまったくありません。
その子自身のおはなしには、正直に
子どもの家族に、別居、親の死、養子縁組、精子や卵子の提供による妊娠、ステップファミリーがかかわっているなら、その子にわかる高さで正直に、早くから話しましょう。そうすれば、本当のことは、あとで明かされるショックではなく、ただずっとその子の世界の一部になります。ひらかれていることが子どもを守り、ひみつははずかしさを教えます。説明しすぎずに、その子のおはなしの本当の芯を愛情をこめて伝え、育つにつれて少しずつ足していけばいいのです。
いやなことを言われたとき
ときどき、ほかの子が、わが子の家族の形や、誰かの家族の形について、傷つくことを言うことがあります。シンプルで自信のあるひと言を用意しておきましょう。「わたしの家族は、わたしにぴったりなの」。あなたの家族はすてきだと安心させ、家族の形についてのからかいが続くなら、園や学校に相談しましょう。子どもは、自分の家族が尊重されていると感じる権利があり、大人はそれをしっかり支えるべきです。
支えを求めたいとき
家族の形について話すのは、ふつうで健やかな子育ての一部です。でもときどき、別居、死別、新しいステップファミリーなど、家族の形の変化が、長く続くつらさをもたらすことがあります。子どもがずっと悲しそう、不安そう、べったり、引きこもっている、なかなか慣れられない、という場合は、地域の保健師さん、かかりつけ医、園や学校に話してみましょう。家族が移りかわる時期の支えは、子どもがまた安心を感じる助けになりますし、早めに求めるのは弱さではなく、かしこさです。
自分の家族に安心し、よその家族にやさしく
いろいろな家族の形について小さな子と話すなら、愛情から入り、ことばは落ち着いてふつうに、質問にはシンプルに正直に答え、わが家の家族が誇りをもって語られるのを子どもが聞けるようにしましょう。そうすれば、自分の家族に根をはりながら、ほかの誰の家族にも気前よくやさしい子が育ちます。それこそが、いろいろな人がいる世界で居場所をもつために必要なことです。
ポイント: 家族を愛情とお世話で定義し、落ち着いたふつうの声で話し、わが家の家族の形を誇りをもって語りましょう。子どもは安心し、やさしいままでいられます。
CDC, Positive parenting and healthy family relationships
NHS, Children and young people's mental health and wellbeing