子どもの小さな成長を、比べずにお祝いするには
はじめての一歩、はじめてのことば、はじめての登園。どの家族も、こうした瞬間をお祝いするのが大好きです。でも、発達の表とほかの人のいいところばかりの投稿があふれる中では、うれしい瞬間が、進んでいるのか遅れているのかという不安にすっぱく変わってしまいがちです。子どもの小さな成長を比べずにお祝いできるようになると、あたたかさとよろこびは残したまま、誰のためにもならない、とくに子どものためにならない比較を手ばなせます。
順位ではなく、その子をお祝いする
節目をお祝いするいちばん健やかなやり方は、わが子自身の道のりにまるごと目を向けることです。「できたね、すごくがんばったもんね」は、「いとこより先にできたね」とはまったく違うことを伝えます。前者は誇りとがんばる気持ちを育て、後者は比べることを植えつけます。子どもの小さな成長を比べずにお祝いするとき、親はよろこびを、その子ひとりの伸びに向けつづけています。そこが本来あるべき場所で、いちばんよく働く場所です。
子どもは、それぞれのペースで育つと覚えておく
発達の目安が示しているのは、競争ではなく広い範囲で、健やかな子でも、同じ節目に届く年齢には大きな幅があります。10か月で歩く子もいれば、15か月で歩く子もいて、どちらもまったくよくあることです。これをしっかり心にとめておくと、比べる気持ちをあおる不安から身を守れます。わが子は自分の発達の道のりを走っていて、ひとつひとつの一歩をその子にとっての意味で受けとめることのほうが、ほかの誰とくらべてどうかより、ずっと大切です。
比べずにお祝いする方法
- やりとげたことだけでなく、がんばりやねばり強さに気づく。
- お祝いは、みんなに見せる得点板ではなく、家族の中でのものにする。
- 日記や思い出ボックスなど、わが家なりのやり方で成長を記録する。
- その子がしたことを、あたたかく、具体的にほめる。
- 親の心からのよろこびを見せる。それは、どんなごほうびより意味がある。
お祝いは、観客や比較がなくても、ちゃんと意味があります。静かで心のこもった「がんばってたの見てたよ。できたね」のほうが、大さわぎより深く届くことがよくあり、自分の価値は競争ではないのだと子どもに教えてくれます。
結果だけでなく、がんばりをほめる
よろこびをどんなことばで伝えるかが、子どもが何を学ぶかを形づくります。やってみたこと、続けたこと、勇気を出したこと。過程をほめると、立ちなおる力と学ぶことへの好きな気持ちが育ちます。結果だけをほめたり、ほかの子とくらべたりすると、うまくやらなきゃと不安になり、むずかしいことに挑戦するのをこわがるようになることがあります。だから、ぐらぐらの最初の挑戦も、みがかれた成功と同じくらいあたたかく祝いましょう。やってみようとする気持ちこそが、いちばん大切な節目なのです。
比べるわなに気をつける
比較は、いろいろなドアからしのびこんできます。家族のグループチャット、SNS、善意の親せき、成長の記録アプリ。わが子は「順調」なのかという心配の波が、実は誰かよその子への反応だと気づいたら、そうした場所から一歩離れていいのです。親の仕事は、わが子を知ってお祝いすることで、基準とくらべることではありません。ここで親自身の心のおだやかさを守ることが、子どもがプレッシャーを吸いこむことからも守ってくれます。
きょうだいや友だちには、ていねいに
家族の中では、つい、ひとりの子をもうひとりとくらべてしまいがちです。そのつもりがなくても。それぞれの子の節目を、その子自身のものとしてお祝いし、ひとりを基準として持ちあげないようにしましょう。どの子も、自分ができたことが、きょうだいや友だちと比べてではなく、自分のこととして気づかれていると感じる必要があります。それが、家の中で子どもの小さな成長を比べずにお祝いすることの中心です。
よろこびを、本物に
節目のお祝いは、義務感や不安からではなく、あたたかく感じられるものであるべきです。目的はつながりとよろこび、「見て、こんなことができるようになったね」といういっしょの瞬間で、誰かに見せるための発表会ではありません。お祝いが、追いついていることへの安心ではなく、わが子への本当のよろこびから生まれているとき、子どもはその違いを感じとります。その本物のあたたかさこそが、ありのままの自分として愛されている、と子どもが覚えて、心にきざむものです。
相談したいとき
比べることをやめるのは、本当の心配を無視することではありません。いくつかの発達の分野で大きく遅れている、前はできていたことができなくなった、あるいはただ心配がぬけない、という場合は、地域の保健師さんやかかりつけ医に話してください。これは比較ではなく、目の前のわが子の発達の話で、早めに確かめると、心配するよりずっと多く、安心できるものです。自分の勘を信じて、たずねましょう。そのためにこそ、こうした窓口があるのです。
その子のペースを、まるごと祝う
子どもの小さな成長を比べずにお祝いするなら、よろこびをわが子に向けつづけ、結果よりがんばりをほめ、お祝いは家族の中でその子らしく、比べる気持ちをあおる場所からは一歩離れましょう。そうすれば、どの「はじめて」も、プレッシャーのない、あたたかい瞬間になって、子どもに本当のことを伝えます。あなたは自分のペースで、すてきに育っている。そして、ありのままのあなたを誇りに思っているよ、と。
ポイント: よろこびは、わが子のがんばりと道のりに向けて。お祝いは家族の中でその子らしく、比べることからは離れましょう。子どもはみんな、自分のペースで育ちます。
CDC, Developmental milestones and Learn the Signs. Act Early.
NHS, Children and young people's mental health and wellbeing