季節の行事の準備を、子どもといっしょに。疲れさせずに楽しむコツ
お祭りや季節の行事は、子どもに手わたせるいちばんあたたかい思い出のひとつです。でもその準備期間は、すぐにストレス、散らかり、かんしゃくへとかたむいてしまいます。めざすのは、子どもを疲れさせずに行事の準備に巻きこむこと。その季節が、くたびれた大人と疲れすぎた子どもではなく、つながりと居場所を育てるように。理想のお手伝いさんではなく、小さな子の本当の限界に合わせて計画すれば、そのバランスは十分にとれます。
子どもを巻きこむことが大切なわけ
行事の準備に参加した子は、できあがった会にただ来ただけの子より、ずっと深くその行事を理解します。料理、飾りつけ、包むこと、お片づけ。いっしょに準備する中でこそ、子どもは行事の意味を吸いこみ、家族のみんなでとりくむことの一員だと感じます。そして楽しさが引きのばされ、一日だけだった行事が、いっしょに楽しみに待つ季節に変わります。それこそが、子どもがいちばんなつかしく覚えている部分であることがよくあるのです。
お手伝いは、その子に合わせて
落ち着いたままでいるひみつは、子どもが本当にできることに、お手伝いを合わせることです。2歳の子は、物を手わたす、ボウルに入れる、シールをはる、ができます。4歳の子は、クッキーのデコレーション、飾りを色ごとに分ける、割れない物を運ぶ、ができます。本物で、でも手の届くお手伝いをあげれば、いらいらのかわりに「できた」がやってきます。子どもを疲れさせずに行事の準備に巻きこむには、ちょうどいい大きさのお手伝いが、戦いの半分です。
刺激の量に気をつける
- 準備は、長いマラソンではなく、短く区切って何回かに分ける。
- 忙しい季節でも、お昼寝、おやつ、いつもの寝る時間を守る。
- 疲れの早めのサインに気づいて、かんしゃくの前にやめる。
- 毎日、静かで刺激の少ない時間を少しつくる。
- いちいち注意しなくてすむように、散らかってもいい場所を決めておく。
行事はわくわくするもので、わくわくもひとつの負担です。明るい光、にぎやかな集まり、甘いもの、くずれた毎日の流れ、たくさんの人。どれも小さな子の神経を圧倒することがあります。休む時間を組みこむのは、お祭り気分の失敗ではありません。子どもが行事のまっただなかでくずれるのではなく、行事を楽しめるようにしてくれるものです。
準備を、あわただしいひと朝につめこむのではなく、何日かに分けるのも助けになります。今日は少し飾りつけ、明日はお菓子づくり、その次の日は包む。そうすると、子どもはくたくたにならずにひとつひとつを味わえて、楽しみに待つうれしさを、いっぺんに燃やしつくさずに、準備期間まるごとに広げられます。
親自身の期待を下げる
行事のまわりのいっぱいいっぱいの多くは、何もかも完璧に見せたいという、大人がつくりだしたものです。子どもに雑誌のような飾りつけは必要ありません。必要なのは、そこにいて、まあまあ落ち着いている親です。することを減らして、ていねいにやると決め、完璧な食卓や完璧な衣装を手ばなすと、みんなの気分が守られます。ゆがんだ飾りを手伝う子どもとのんびりした親は、きれいな家とぴりぴりした親に、いつだって勝ちます。
範囲を決めて、選ばせる
子どもは、少し自分で決められると感じると、ずっとうまく乗りこえられます。「何がしたい?」ではなく、「クッキーとお飾り、どっちを手伝う?」と、範囲のある小さな選択肢をさしだしましょう。混乱や、かなえきれないたくさんのお願いへのドアを開けずに、子どもを巻きこみ、乗り気にさせておけます。範囲のある選択は、忙しい準備に小さな子を巻きこむ、いちばん落ち着いた方法のひとつです。
当日にそなえる
少しの予告が、大きく役に立ちます。何が起きるか、誰が来るか、何をすればいいかを話しておきましょう。とくに、圧倒されやすい大きな集まりの前には。休んでもいいのだと伝え、逃げこめる静かな場所を決めておきます。音や人ごみが苦手な子なら、帰り道を考えておいて、いる時間を短くしましょう。何がくるかわかっていると、子どもはわくわくの中でも安心していられます。
基本を守る
お祭り気分のまっただなかでも、子どもを支えるのはふつうのことです。じゅうぶんな眠り、決まった時間の食事、水分、少しの落ち着き。疲れすぎと空腹が、行事のときのかんしゃくの大きな部分の裏にあります。集まりから帰るのがもったいなく感じても、お昼寝と寝る時間を守ることが、たいてい、1時間後のごきげんな子と大泣きの子の違いを生みます。
支えを求めたいとき
行事のときのストレスはふつうのことで、過ぎていきます。それでも、集まり、音、光、変化を、ふつうの疲れすぎをこえているように見えるほど、いつもひどくつらがる場合は、地域の保健師さんやかかりつけ医に話してみましょう。その子が感覚をどう受けとっているか、何か支えがあったほうがいいかを見てくれます。親の勘を信じてください。子どものことをいちばん知っているのは親で、たずねてみるのはいつだって筋の通ったことです。
「自分も手伝った」という思い出を
子どもを疲れさせずに行事の準備に巻きこむことは、十分にできます。年齢に合ったお手伝いをあげ、一回は短く、眠りと静かな時間を守り、完璧へのハードルを下げ、当日の予告をしておく。そうすれば季節は本来の姿になります。魔法が子どもを疲れさせたのではなく、自分も魔法をつくるのを手伝ったのだと感じられる、あたたかい、いっしょの準備期間に。
ポイント: 年齢に合った小さなお手伝いをあげ、眠りと静かな時間を守り、親自身の基準を下げましょう。落ち着いて参加できた子は、行事をなつかしく覚えています。
NHS, Children and young people's mental health and wellbeing