紙と積み木で橋をつくろう:幼児のはじめての工作実験
積み木をふたつ、手のひらひとつ分はなして立て、そのすきまに平らな紙を1枚わたして、ミニカーをのせてみましょう。紙はたわんで、車はすべり落ちてしまいます。今度は同じ紙をじゃばらに折ってからわたすと、なんと車をらくらく支えます。この小さな変身は本物のものづくりの技術で、リビングのテーブルにちょうど収まります。紙と積み木があれば、お子さまは本物の問題を解く建築家になれます。
橋が、子どもの想像力をつかむ理由
子どもは、おもちゃのための道をつくるのが大好きです。想像の川をこえて、車をこっちからあっちへ渡す道。橋は遊びに目的をくれて、ちゃんと支えられるか試すことが、はっきりしたゴールをくれます。なによりいいのは、橋がこわれても安全で、たいていはおもしろいこわれかたをすること。だから、もう一度やることが、失敗ではなく楽しみの一部に感じられます。
その下にある考え
平らな紙は、かんたんに曲がるので弱いのです。でも形を変えると、強くなります。紙をじゃばらに折ったり、丸めて筒にしたりすると、折り目が重さを分けあうので、ずっと曲がりにくくなります。本物の橋も、アーチや梁で同じ工夫をしています。お子さまにこうしたことばはいりません。弱い紙が、形を変えたとたん強くなるという、びっくりを感じられればいいのです。
集めるもの
- 紙を何枚か、厚紙、かための橋をつくるための情報カード。
- 橋の両側の支えになる木の積み木、しっかりした本、缶。
- 試すための、小さくて軽いおもり。ミニカー、動物のフィギュア、ドミノ、硬貨。
- デザインをとめたいなら、少しのテープ。でも紙だけでもじゅうぶんです。
支えのあいだの距離はいつも同じにして、それぞれの橋の試しが、公平なくらべっこになるようにしましょう。
いっしょにつくって、試す
紙と積み木の橋づくりは、挑戦にするといきいきしてきます。まず、何もしていない平らな紙をすきまにわたし、お子さまにおもちゃをのせてもらいます。こわれるまで、いっしょに数えましょう。次に、新しい紙をじゃばらに折って試し、いくつ多くのせられるかくらべます。丸めた紙の筒、折ったアーチ、2枚重ねも試してみましょう。毎回、試す前にどのデザインがいちばん強いか予想してもらい、それからいっしょに確かめます。
遊びのなかで育つ力
ここでの学びは豊かで、手で感じるものです。お子さまは、やってみてはまちがえながら本物の問題を解きます。それがものづくりの技術の中心です。材料だけでなく形が強さを決めるという、本当に力のある考えを発見します。結果をくらべて数え、はじめての算数も織りこまれます。折ったりバランスをとったりしながら、ていねいな手の動きを練習します。デザインがうまくいかなかったとき、あきらめずに直してまた試すという、かけがえのない習慣を学びます。それぞれのデザインがこわれるまでに何台の車を支えたかを数えると、はじめての算数が加わり、その数をくらべると、どの形がいちばん強かったかがわかります。折る、アーチ、強い、たわむ、といったことばで何が起きたかを話すと、自分の考えを説明することばが身につきます。
挑戦を広げる
こつがつかめてきたら、課題をのばしましょう。支えのあいだを広げて、橋をどう変えればわたれるか見てみる。紙1枚だけで、いちばん強い橋をつくる挑戦をする。2階建てにしたり、カードをつなげて長い道にしたり。わたったことのある本物の橋の話をしたり、アーチや梁の写真を見たりして、テーブルの上の模型を、お子さまが動きまわる広い世界とつなげましょう。
安全のために
危険の少ない遊びですが、いくつかの習慣が役立ちます。硬貨などの小さなおもりは、まだ物を口に入れる赤ちゃんや小さな子から遠ざけてください。のどにつまる危険があります。いちばん小さな子には、大きめのおもちゃをおもりにしましょう。支えにした本や缶が、小さな指の上にたおれないように気をつけてください。厚紙を切るのにはさみを使うなら、大人が使うか、子ども用のはさみを見守りのもとで使いましょう。
相談してみてもいいとき
これは合格も不合格もない、遊び心のある問題解決なので、軽やかに、励ましながら続けましょう。お子さまのことは、だれよりも親がいちばんよく知っています。手の使いかた、毎日の問題の解きかた、集中、遊びかたに、もっと広い心配がある、課題に見あわないほど強くイライラしているようだ、という場合は、かかりつけの小児科医や地域の保健師さんに落ち着いて話してみると助けになります。早めに質問するのは賢明で、いつでも歓迎されます。
形が、弱い紙を強くする
紙と積み木の橋づくりは、弱い材料も形を変えれば強くなること、そして失敗は次の挑戦のための情報にすぎないことを、お子さまに見せてくれます。計画して、試して、直して、また試す。それはまさに、ものづくりをする人の働きかたです。紙と積み木を出して、挑戦をひとつ出し、お子さまにつくって、こわして、またつくりながら、わかっていってもらいましょう。
ポイント: ふたつの積み木に紙をわたし、それからじゃばらや筒に折ると、ずっと重さに耐えるようになります。形が材料を強くすることを、お子さまに見せてあげましょう。
WHO, Improving early childhood development: WHO guideline
AAP HealthyChildren, The Power of Play: How Fun and Games Help Children Thrive