シャボン玉で楽しむ、幼児のはじめての科学
シャボン玉をふくと、小さな子の顔がぱっと輝きます。追いかけて、つついて、はじけるとはっと息をのむ。その喜びの奥には、いっしょに探ってみたい、すてきな科学のなぞがあります。輪がどんな形でも、シャボン玉はいつもまるく出てくるのです。せっけん水の入った入れ物と、手づくりの輪がいくつかあれば、ふつうの午後が、お子さまが「もう一回!」とせがむ実験に変わります。
シャボン玉が、子どもを夢中にさせる理由
シャボン玉は、子どもが大好きな動きかたをします。ふわふわただよい、色にきらめき、パチンと気持ちよく消える。ひとつひとつがすぐに消えてしまうので、見つめる時間にすてきなどきどきがあり、ひと息でまたつくれるので、子どもは自分がふしぎを動かしている気持ちになれます。その、びっくりと「自分でできる」のまざりあいが、好奇心にぴったりのレシピです。
まるい形のひみつ
シャボン玉は、空気のかたまりをとじこめた、せっけん水のうすい膜です。その膜は、できるだけぴんと小さくなろうとします。そして、いちばん少ない膜でいちばん多くの空気を包める形が、球なのです。だから、まるい輪でも、しかくい輪でも、星形の輪でも、シャボン玉は毎回まるくなります。お子さまが楽しむのに、この説明はいりません。でも、どの輪でもまるいシャボン玉ができると気づくのは、いっしょに味わいたいすてきな発見です。
用意するもの
- 台所用洗剤を水でうすめたシャボン液。砂糖ひとさじかグリセリンを入れると、長もちします。
- ふくための輪。形を曲げたモール、プラスチックの輪、ストロー、クッキーの型、小さなシャボン玉がたくさん出るざる。
- 液を入れるトレーや、浅い入れ物。
- 外の場所か、ふきとりやすい床。シャボン玉遊びはすべりやすくなります。
いっしょに液を混ぜることも、楽しい遊びの一部です。
試してみたい実験
シャボン玉の科学は、質問をひとつ足すと輝きます。モールを、しかく、さんかく、ハートに曲げて、ふく前に「どんな形のシャボン玉ができると思う?」と聞いてみましょう。そして全部まるく出てくることに、いっしょにびっくりします。そっとふいて大きなシャボン玉をひとつ、強くふいて小さなシャボン玉をたくさん。息の強さで結果が変わることに気づきます。ぬらした手でシャボン玉を受けとめるとはじけないか試し、どのくらいもつか数えてみましょう。どの工夫も、新しい予想に誘ってくれます。
お子さまが学んでいること
楽しさのなかに、本物の考えがあります。予想して、それから観察する。これは実験の中心です。そっとふくのと強くふくのでちがう結果になるという、原因と結果に気づきます。大きさをくらべ、シャボン玉を数え、うく、はじける、まんまる、きらきら、われる、といったことばを身につけます。一定の強さでふくことは、息のコントロールや口のまわりの筋肉を育てるのにもとてもよく、静かに話すことを支えてくれます。シャボン玉を追いかければ、体まるごとが動きます。輪をひとひたししていくつシャボン玉が出たか、大きなひとつがはじけるまで何秒もったかを数える、ちょっとした数の楽しみもあります。ただよう、ゆれる、くっつく、はじける、とシャボン玉のすることをことばにすると、遊びながら、お子さまのことばがどんどん育っていきます。
遊びを広げる
基本になれてきたら、科学をのばしてみましょう。ぬらしたトレーの上で、シャボン玉のなかにシャボン玉をふいてみる。あたたかい日とすずしい日、ぬれた面とかわいた面で、シャボン玉のもちかたがちがうか見てみる。食用色素を少し入れて見た目を変えてみる。扇風機でシャボン玉を飛ばして、風がどう運ぶかを見る。シャボン玉はどうしてはじけるのかを聞いて、お子さまに声に出してふしぎがってもらいましょう。
シャボン玉遊びを安全に
せっけん水は目にしみるので、ぬれた手で目をこすらないように伝え、目に入ったらすぐに洗い流しましょう。シャボン液は飲みものではないので、なめてみたがる小さな子からは目をはなさず、液の入れ物を赤ちゃんの手の届くところに置きっぱなしにしないでください。ストローを吸わずにふくのは少し練習がいるので、先にやってみせて、そばで見守りましょう。シャボン液は床や道をすべりやすくするので、芝生や、ふきとれる場所を選び、足もとのすべりに気をつけてください。
もっと広い心配があるとき
これは身につけることも何もない、ただ遊び心いっぱいの科学なので、プレッシャーはゼロにしておきましょう。いつものように、お子さまをいちばん知っているのは親です。発達全体、呼吸、動くものを目で追ったり手をのばしたりする様子に心配がある、ふくことがとてもむずかしそう、という場合は、かかりつけの小児科医や地域の保健師さんに落ち着いて話してみる価値があります。早めの質問は、いつでも妥当で歓迎されるものです。
どの輪でも、まんまる
シャボン玉の科学は、楽しい遊びのなかに本物の発見を隠しています。どんな形の輪でも、シャボン玉はまるくなる。お子さまは庭できらきらの球を追いかけながら、予想し、観察し、くらべ、ふしぎがります。液をひと入れ物混ぜて、輪をいくつか曲げ、好奇心のある質問をひとつして、シャボン玉を飛ばしましょう。
ポイント: シャボン液といろいろな形の輪をつくり、どの輪でもまるいシャボン玉ができると発見させてあげましょう。せっけん水は目に入れないように、すべりやすい床にも気をつけて。