赤ちゃんが発達の目安に届かないとき、次にすること
赤ちゃんが発達の目安のひとつに届いていないと気づいたなら、それは診断をしたのではなく、続けて確かめる価値のあることに気づいた、ということです。チェックリストの1項目だけで、ある技能がない理由はわかりません。役に立つ次の一歩は、正しい年齢を使っているかを確かめ、毎日の暮らしの中でその技能を見て、資格のある専門家に心配を伝えることです。
基準を一度だけ確かめる
子どもの年齢に合った公式のチェックリストを使いましょう。赤ちゃんが出産予定日より3週間を超えて早く生まれたなら、はじめの数年間、修正月齢を使うかを医師にたずねます。説明と例をそのまま読みましょう。バイバイ、なんご、おすわり、といったことばの意味が、親とチェックリストでちがっていることがあるからです。
自然な機会をつくる
赤ちゃんが起きていて、心地よく、おなかがすいていないときを選びましょう。遊びの中で、その技能を見せるチャンスを1〜2回つくります。たとえば、手をのばすのを見るためにおもちゃを少し横に置く、こたえを誘うためになじみの音のあとにひと間おく。技能をくり返し練習させたり、体を無理にその姿勢にしたりはしないでください。
- できなかったことではなく、赤ちゃんがしたことを書く。
- 人、部屋、時間帯によって反応が変わるかをメモする。
- 身ぶり、目線、声、動きなど、関係する得意なことも記録する。
ふさわしい人に連絡する
小児科医、かかりつけ医、地域の保健師など、地域の子どもの健康の専門家に、どの目安が見られないか、何を観察したかを伝えましょう。発達の検査、聞こえや見えかたの検査、ほかの評価がふさわしいかをたずねます。早めに相談しても、子どもが診断や治療に進むと決まるわけではありません。次の一歩がはっきりするのです。
早めに対応したいこと
できていたことができなくなった、目に見えて反応が少なくなった、体の片側の使いかたがとてもちがう、いつになくぐにゃっとしている、かたい、授乳や食事、呼吸、聞こえ、見えかたの心配がある、というときは、早めに相談しましょう。赤ちゃんの急な体調不良や息の苦しさには、119番などの救急を使ってください。
心配になった最初の1時間に、しないこと
いくつもの年齢のチェックリストを行き来する、技能を何度もテストする、ほかの赤ちゃんの動画とくらべる、というのはやめましょう。検索結果は、ちがう定義や年齢の考えかたがまざっていて、わからなさを大きくしがちです。SNSで見たきびしい運動プログラムを始めたり、赤ちゃんを自分でコントロールできない姿勢に押しこんだりしないでください。
ひと息ついて、チェックリストのことばをそのまま書きうつしましょう。それから、赤ちゃんがしている、関係することをメモします。項目が「バイバイと手をふる」なら、だっこしてと手をのばす、物を見せる、ほかの身ぶりをまねする、といったことがあるかもしれません。関係する力があるからといって、見られない目安がどうでもよくなるわけではありませんが、医師には、コミュニケーションのより全体の姿が伝わります。
受診の準備
- 子どもの生年月日、早く生まれたなら出産予定日、関係する病歴を持っていく。
- いつから心配になったか、パターンが変わってきているかを書きだす。
- 家、保育園、ちがう大人のもとで、どうなっているかを伝える。
- 動き、声、やりとりが病院で再現しにくいときは、安全にとった短い動画を持っていく。
- いちばん聞きたいことを書いておき、あわただしい受診の中でも忘れないようにする。
話の始めかたとして役に立つのは、「チェックリストでは、多くの子が今ごろまでにこれができるとあります。この2週間、自然な機会をつくってみましたが、見られませんでした。次に何をすすめますか?」という言いかたです。不安であることをあやまったり、診断を医師に納得させようとしたりするより、ずっとはっきり伝わります。
次の一歩は、どれも同じではない
専門家は、決まった再受診の日を決めて見守る、標準化されたスクリーニングを受ける、聞こえや見えかたを調べる、体の動きを見直す、早期の療育や専門の機関に紹介する、のどれかを提案するかもしれません。それぞれの一歩で何をはっきりさせたいのか、どのくらい待つのか、どんな変化があったら早めに連絡すべきかを聞きましょう。
見守るという計画なら、はっきりした期間と、見ておく行動を決めてから帰りましょう。「6週間たっても、いつも同じ指さしが見られなければ、また来てください」のほうが、「様子を見ましょう」よりずっと役に立ちます。心配が続くのに、スクリーニングも再受診もすすめられないなら、別の専門家の意見を求めるのは、もっともなことです。
待つあいだの支え
見られない技能を練習させずに、ふだんのこたえる遊びを続けましょう。赤ちゃんの興味についていき、毎日の流れの中で話しかけ、安全に動ける機会を用意します。受診の予定は守り、資格のある早い時期の支援をすすめられたら受けましょう。早い時期の支援は、発達と家族の参加を助けるためのもので、使うのに、長い先の結果を予測する必要はありません。
自分の気持ちにも場所を
発達の心配は、こわさ、罪悪感、今すぐ全部なんとかしたいという強い気持ちを運んでくることがあります。目安が見られないことは、親が原因をつくった証拠ではありません。できれば実際の負担を信頼できる大人と分けあい、心配で眠れない、食べられない、毎日のことができない、というときは、自分のための医療者に話しましょう。わからなさをひとりで背負わなくても、子どものためにしっかり動けます。
ポイント: 病院では見せにくい心配なら、短い動画を持っていきましょう。短く、そして撮るために、赤ちゃんをなぐさめたり守ったりするのを遅らせることは決してしないでください。