赤ちゃんの手先を育てる遊び、身近な物でできるアイデア
赤ちゃんの手先の遊びに、電子おもちゃや手のこんだ準備はいりません。見やすく、持ちやすく、さわって確かめやすい安全な物がひとつあれば、手をのばす、にぎる、片手からもう片方の手へ持ちかえる、といった力を育てられます。遊びは、対象年齢だけで選ぶのではなく、赤ちゃんが「もう少しでできそう」なことから選びましょう。
手をのばす、手を開くために
赤ちゃんが安全にあおむけになっているときに、軽い布や、にぎりやすいリングを、体のまんなかの近くで持ってみましょう。赤ちゃんが見たり腕を動かしたりするのを待ってから、少しだけ近づけます。にぎった手の中に入れてしまうのではなく、赤ちゃん自身がさわれるようにしてあげて。左右を交代しながら、1回で満足したようなら、無理に続けないことです。
にぎる、持ちかえるために
- 赤ちゃんを支えているときに、柄の太い清潔な木のスプーンを手わたす。
- にぎりやすいおもちゃをひとつ、どちらの手でも届くようにまんなかに置く。
- しっかり持てるようになったら、もうひとつ物をわたして、2つをどう扱うか見守る。
- 重ねカップで、持つ、打ちあわせる、手から手へ移すを楽しむ。
もっと細かな指の使いかたのために
しっかりおすわりができて、食べ物を安全につまめるようになったら、ちゃんと下ごしらえした手づかみ食べは、意味のある練習になります。大きめの厚紙絵本のページ、シリコンのめくり、口の広い入れ物も、つつく、めくる、手放す、を誘ってくれます。ビーズ、ボタン、硬貨、電池、磁石など、のどにつまる大きさの物は使わないでください。
持ちかたを直すより、がんばりについていく
物を回す、落とす、拾う、のやりかたを赤ちゃんが自分で見つけられるよう、時間をあげましょう。ぎこちない試みも、手と目にとっては役に立つ情報です。手を出すのは安全のために必要なときだけで、動きをきれいに見せるためではありません。くり返し物を投げて、興味が戻ってこないようなら、その遊びはおしまいにしましょう。
相談したいこと
はっきりした利き手が出てくるよりずっと前から、いつも片手だけをよく使う、片方の手をぎゅっとにぎったままのことが多い、いつにないかたさやぐにゃっとした感じがある、手でできていたことができなくなった、というときは相談しましょう。専門家は、ひとつの遊びで判断するのではなく、体全体の動きを見てくれます。
手先の育ちは、体全体から始まる
頭、肩、胴体が腕を支えられるくらい安定していると、赤ちゃんはより正確に手をのばせます。だから手の遊びは、赤ちゃんが自分でコントロールできる心地よい姿勢でするのがいちばんです。おすわりに全力を使っているようなら、あおむけのときや、大人にもたれて支えてもらっているときに、にぎる練習をしましょう。
見ること、さわること、動くことは、いっしょに働きます。手をのばすのを期待する前に、見る時間をあげましょう。赤ちゃんが計画できるくらい物をじっと止めて持ち、最後の近づきは赤ちゃんの手にまかせます。
今の力に合った物を選ぶ
- はじめてさわる練習には、体のまんなかの近くで、軽いスカーフや大きなリングを。
- にぎる練習には、細かな指の動きのいらない、太い柄のものを。
- 持ちかえの練習には、物をひとつわたし、もう片方の手が加われるよう空けておく。
- 手放す練習には、うまくいったのが見えて聞こえる、口の広い入れ物を。
- ページをめくる練習には、厚紙絵本のページや布のめくりから。
毎日のお世話が、手の練習になる
ごはんを用意しているあいだに清潔なスプーンを持たせる、ゆるいくつしたを引っぱってぬがせる、お風呂で水をぱちゃぱちゃたたく、いないいないばあで布のはしをにぎる。手づかみ食べが発達に合っていて、安全に下ごしらえされていれば、食べ物をつまむことは、手に意味のある目標をくれます。食事のときは、いつも赤ちゃんを体を起こした姿勢で座らせ、見守ってください。
落とす遊びを許す価値
落とすことは、手放すこと、距離、「こうすると、こうなる」を教えてくれます。元気があれば何度か拾ってわたし、どこへ行ったかを言ってあげましょう。終わりにしたいときは、はっきり線を引きます。「あと1回落としたら、スプーンはテーブルの上ね」。終わりのないゲームを引きうけなくても、学びは支えられます。
手の形を、いちいち直さない
赤ちゃんは、効率のよい持ちかたを見つける前に、ぎこちない持ちかたをいろいろためします。資格のある専門家から具体的な遊びを教えてもらったのでなければ、指を何度も開かせたり、親指の位置を直したりするのはやめましょう。不完全でもうまくいったにぎりは、感覚と動きの大切な情報をくれます。
小さな物について、大切な注意
手先の練習に、窒息の危険がある物を使ってはいけません。硬貨、ビーズ、ボタン、ペンのキャップ、しぼんだ風船、ボタン電池、小さな磁石は、赤ちゃんの遊びではありません。おもちゃに外れそうな部品や傷みがないか確かめ、上の子が遊んだあとは床を見回しましょう。ボタン電池や磁石は、飲みこむと体の中に重いけがを起こし、すぐに医療機関にかかる必要があります。
手の使いかたがちがって見えるとき
姿勢や物の置き場所のせいで、赤ちゃんが少しのあいだ片手だけを使うことはあります。早くからの利き手のかたより、片方の手がぎゅっとにぎったまま、体の片側の動きが少ない、いつにないかたさやぐにゃっとした感じ、身についた手の力がなくなる、ということが続くなら、専門家に相談しましょう。無理に再現させようとせず、ふだんの遊びの中で見たことを伝えてください。
ポイント: 家にある物をわたす前に、とがったところ、外れる部品、はがれた塗装、長いひも、窒息の危険を確かめましょう。安全な物も、こわれたり組み合わさったりすると危なくなるので、そばにいてください。