赤ちゃんと、1日どのくらい遊べばいい?
赤ちゃんが1日にどのくらい遊べばいいか、ひとつの答えはありません。赤ちゃんは、動く、見る、聞く、やりとりする機会がたくさんあるとよく育ちますが、だからといって、親がずっと楽しませ続けなければならないわけではありません。授乳、着がえ、お風呂、だっこ、いっしょに窓の外をながめること。どれにも、遊びのようなやりとりがふくまれています。
ノルマではなく、ひとときで考える
1日に何回かくり返す数分の注意深い時間のほうが、決まった長い1回より続けやすいものです。おむつ替えのときに声をひとつまねする、お昼寝のあとに床で過ごす、授乳の前に絵本を2ページ見る。眠い時間に遊びをおしこむのではなく、赤ちゃんがぱっちり目ざめている時間についていきましょう。
ペースは赤ちゃんに決めてもらう
- 興味のサインは、手をのばす、目がきらきらする、体がゆったり動く、声を返す、などです。
- ひと休みしたいサインは、顔をそむける、そりかえる、ぐずる、しゃっくり、目を閉じる、などです。
- だっこ、授乳、姿勢を変える、静かな1分のあとで、また遊びに戻ってくることもあります。
「もうおしまい」のサインにこたえることも、遊びの一部です。伝えると届く、ということを赤ちゃんに教えてくれます。
ひとりで探検する時間も
起きている赤ちゃんは、大人がそばにいれば、安全な床の上で少しのあいだひとりで探検できます。おもちゃをふって見せたり、一秒一秒を実況したりする必要はありません。静かに見る、足をける、物をさわることは、どれも積極的な学びです。赤ちゃんが楽に過ごせる長さから始め、ひどく泣きだす前に戻りましょう。
大人のエネルギーも守る
親には、食事、睡眠、おしゃべり、ふだんの用事をすませる時間が必要です。赤ちゃんが安全にしているあいだに、そばで洗たく物をたたんだり、少し休んだりしても、赤ちゃんが機会をのがすことはありません。遊びが、うまくできていないと感じるもうひとつの基準になってしまったら、計画を、楽しいふれあいひとつにまで小さくしましょう。
バランスのとれた1日
1日を通して、こたえるやりとり、安全な動き、静かな時間、眠る機会、ふだんのお世話を、めやすにしましょう。ちょうどいい配分は、年齢、気質、病気、家族の事情で変わります。発達に意味のある1日にするのに、高い教室は必要ありません。
大切なのは、熱心さではなく、こたえること
質の高い遊びに、にぎやかな演技はいりません。赤ちゃんの今の動きに気づいてこたえられるくらい、大人の注意が向いていることです。赤ちゃんのとなりに座って、声をひとつまねして、待つ。時計を見ながらいくつもの遊びを次々に出すより、そのほうがずっとこたえていることもあります。
気質も関係します。にぎやかな歌や動きが好きな赤ちゃんもいれば、静かに顔を合わせて話すときにいちばん生き生きする赤ちゃんもいます。だれかの理想の遊びをまねるのではなく、興味と回復のサインについていきましょう。
お世話を、ふれあいの枠組みに
- 授乳中は、ひと休みや、おなかがすいた、もういらないのサインにこたえる。
- 着がえのときは、体の部分をひとつ言って、動くのを待つ。
- おむつ替えのときは、短いわらべうたをくり返すか、声をまねする。
- だっこして歩くときは、音や物をひとつ、いっしょに見つける。
こうしたひとときが大切なのは、ことば、ふれること、先回りして待つこと、関係が、いっしょになっているからです。別の発達のための遊びは、あってもなくてもいい、おまけです。
大人が導く、子どもが導く、ひとりで、をまぜる
大人が導く遊びでは、歌、ゲーム、安全な体験を紹介します。子どもが導く遊びでは、赤ちゃんの注意と選択についていきます。ひとりの探検では、大人がそばにいるあいだ、赤ちゃんが見る、動く、安全な物をさわる、をします。役に立つ1日には、この3つが少しずつ入っていればよく、決まった割合はありません。
いつも楽しませると、逆効果になる理由
おもちゃを次々に替えたり、静かな時間をすべて埋めたりすると、赤ちゃんが自分で何を選ぶかが見えにくくなります。少しのどっちつかずを、待ってみましょう。赤ちゃんは物にもう一度手をのばしたり、自分の手をじっと見たり、新しい動きを始めたりするかもしれません。手を出すのは、支えやふれあいが必要なときで、大人から見て遊びが何も起きていないように見えるから、ではありません。
遊びを、まわりの人たちと分けあう
メインで子どもをみる親が、すべてのやりとりをする必要はありません。パートナー、祖父母、きょうだい、信頼できる人は、ちがう歌、ちがう声、ちがう遊びを運んでくれます。安全の大事なことだけ伝えて、それぞれの関係のスタイルにまかせましょう。メインの親のエネルギーを守ることにもなります。
大変な日の、最低限の計画を
病気、寝不足、仕事のプレッシャーで大変な日は、床の時間をひとつと、落ち着いたふれあいをひとつだけ選びましょう。授乳、なぐさめ、だっこにも、感覚と関係の経験はちゃんとあります。発達は何か月もかけて積みあがるもので、元気のない午後ひとつで、勝ったり負けたりするものではありません。
罪悪感が予定を動かしているとき
遊びを記録していて、いつも遅れている気がするなら、1週間、回数を数えるのをやめてみましょう。1日を通して、赤ちゃんに安全な動き、こたえてもらえるお世話、楽しいやりとりが少しあるかを見ます。それでも不安がずっと頭を占めるなら、自分のための医療者に話してみてください。子どもをみる人を支えることも、子どもを支えることの一部です。
遊びは、静かにそばにいることでもあります。赤ちゃんが探検しているあいだ、そばに座って、ときどきの目線にこたえる。たえず導かなくても、いっしょにいることは、意味のある関係の経験です。
ポイント: 3分ルールをためしてみましょう。赤ちゃんが今していることに3分だけしっかり加わり、それから続けるか、ひと休みするか、次へ行くかを、いっしょに決めます。