赤ちゃんのことばを育てる、かんたんな遊びと語りかけ

赤ちゃんのことばを育てるよい遊びは、教えることより、おしゃべりに近いものです。親子で見えているものについて話し、赤ちゃんの声をまねし、こたえるためのひと間をあけましょう。赤ちゃんは、たくさんのことばをわかったり言ったりする前に、コミュニケーションのリズムと目的を学んでいきます。

生後0〜4か月ごろ:顔と声

赤ちゃんが楽に大人の顔を見られる位置でだっこしましょう。あたたかい声で、短いことばを。赤ちゃんがクーイングをしたり表情を変えたりしたら、一度まねして、待ちます。お世話のときは、今していることを実況しましょう。「くつした、はこうね。こっちの足、それからこっち」。ことばをたえまなく流し続ける必要はありません。

生後4〜8か月ごろ:声と順番のやりとり

  • 赤ちゃんが出した声をくり返して、次の番をひと間まつ。
  • なじみの歌をひとつ歌い、くり返しのことばや動きの前で止める。
  • 赤ちゃんがもう見ている物、手をのばしている物の名前を言う。
  • じょうぶな絵本を数ページ、赤ちゃんが気に入った絵についていきながら。

生後8〜12か月ごろ:意味と身ぶり

かんたんなことばを、くり返す体験と結びつけましょう。持ち上げるときに「たかいたかい」、もっとあげる前に「もっと?」、手をふりながら「バイバイ」。赤ちゃんの指さしや目線についていき、ことばをひとつ足します。ボールを見て「ば」と言ったら、正しく言いなおさせるのではなく、「ボール。そう、赤いボールだね」とこたえればいいのです。

楽しいやりとりのままに

家族がいちばん自然に話すことばを使いましょう。いくつかのことばにふれるからといって、親が家のことばをやめる必要はありません。大切なのは、ひんぱんな、意味のあるやりとりです。いっしょに話しているときは、つけっぱなしのテレビやスマホの音を小さくしましょう。音がきそいあうと、話しことばが聞きとりにくくなります。

相談したいとき

聞こえの心配、音や人とのやりとりへの反応が少ない、声の遊びがとても少ない、できていたコミュニケーションがなくなった、というときは、かかりつけの小児科医に相談しましょう。聞こえの検査が話題になることもあります。発達の目安のチェックリストは話しあいの手がかりになりますが、ことばの遅れを診断するものではありません。

赤ちゃんが選んだものから、ことばを

共同注意とは、大人と赤ちゃんが同じものに注意を向けることです。赤ちゃんが犬、スプーン、天井の扇風機のほうを見ることから始まるかもしれません。目線についていき、物の名前を言い、役に立つことをひとつ足しましょう。関係のないカードを見せるより、たいていこちらのほうが意味があります。赤ちゃんがすでに興味をもっている瞬間に、ことばが届くからです。

赤ちゃんの注意が移ったら、いっしょに移りましょう。説明を最後まで言いきったり、目線を大人の選んだものに戻したりしなくていいのです。注意についていくことで、コミュニケーションは分かちあうものだと伝わり、ことばと体験がはっきり結びつきます。

ひと間も、会話の一部

赤ちゃんはまだことばでこたえられないので、大人はつい沈黙を埋めてしまいます。短いひと言のあとに、5秒待ってみましょう。口の小さな動き、足のひとけり、目線、声が、次の番かもしれません。それが大切なことのようにこたえましょう。たくさんのやりとりを重ねるうちに、赤ちゃんは、始めて、待って、こたえをもらう、という流れを学びます。

毎日の流れを、見通せることばに

  • 持ち上げる前に「よいしょ、だっこしようね」と言い、動く前に少しまつ。
  • おむつ替えのときは、同じ体の歌や、2行のわらべうたをくり返す。
  • お風呂では、ざぶーん、ぱしゃぱしゃ、あらおうね、ふこうね、と動きのことばを。
  • 玄関では、手をふって、いつも同じ「いってきます」「おかえり」を。

見通せることばは、赤ちゃんが意味を先回りして感じとる助けになります。一日中台本どおりに話すのではなく、自然に使いましょう。

絵本はやりとりのためのもの、読みきるためではない

小さな赤ちゃんには、絵のはっきりしたじょうぶな絵本を選びましょう。大人がそばにいるあいだ、赤ちゃんがたたいたり、なめたり、ページをめくったりしてかまいません。絵をひとつ名前で言う、音をまねする、身近なものと結びつける。赤ちゃんが2ページで本を閉じても、それはちゃんと読み聞かせになっています。最後のページまでこだわるより、楽しいくり返しのほうが、読む習慣をしっかり育てます。

歌は、ことばを予想しやすくする

どのことばでも、大人が本当に好きな歌を使いましょう。くり返しとリズムが、音のパターンをきわだたせます。なじみのことばや動きの前にひと間おきますが、どんなこたえも受けとめましょう。じっと動かなくなったり、にっこりしたりする赤ちゃんは、すきまを埋めなくても、先回りして待っていることを見せているのかもしれません。

いくつものことばを話す家も、ひとつに決めなくていい

いちばん自然につながれることばで話しましょう。赤ちゃんは2つ以上のことばから学べますが、知っていることばが、それぞれのことばに分かれていることがあります。ことばの環境全体で意味のあるコミュニケーションを数え、赤ちゃんがふだんどのことばを聞いているかを専門家に伝えましょう。

コミュニケーションの心配があるとき、いくつものことばにふれていることを、聞こえや発達の相談を先のばしにする理由にしないでください。資格のある専門家は、広いパターンを評価し、できる範囲でふさわしいことばの支援とも連携してくれます。

発表会のわなを避ける

赤ちゃんに何度もことばを言わせようとすると、やりとりがぴりぴりします。場面の中でことばをやって見せて、次へ進みましょう。直すときは、批判するのではなく、広げて返します。ボールを見ながら「ば」と言ったら、「ボール。ボールがころころ転がってるね」。やりとりは意味をもったまま、まねを求めずに、はっきりしたお手本をあげられます。

ポイント: 今日、ひと間をひとつためしてみましょう。赤ちゃんの知っていることを言って、5秒待ち、目線、動き、声、身ぶりのどれでも、赤ちゃんの番として受けとめます。

UNICEF, Care for Child Development

CDC, Milestone checklists and family resources