赤ちゃんの発達を支える、シンプルな一日の流れ
赤ちゃんの発達のための一日の流れは、一日を回しにくくするものではなく、使いやすくするものであるべきです。別々のお勉強の時間を入れるのではなく、もともとあるできごとに、おしゃべり、動き、遊びの短い機会を結びつけましょう。ペースを決めるのは、やはり赤ちゃんの睡眠、授乳、健康です。
ゆるやかなよりどころを4つ選ぶ
- 起きたあと:赤ちゃんがぱっちりしているときに、数分の床での動き。
- お世話のあいだ:かんたんな実況、目を合わせる、赤ちゃんのこたえをひと間まつ。
- 授乳の前かあと:心地よいときに、静かな歌、わらべうた、絵本をながめる。
- お出かけや窓辺で:赤ちゃんが気づいた音、人、物を、ひとつ名前で言う。
よりどころは、約束の時間ではなく、思い出すためのきっかけです。赤ちゃんがおなかをすかせている、具合が悪い、眠いときは、その必要を満たして、活動は飛ばしましょう。
ひとつひとつは小さく
5分あれば、たいてい十分です。物をひとつ手の届くところに置く、歌をひとつ歌う、絵本を2ページ見る。長いほどいいとは限りません。赤ちゃんが顔をそむけたり、落ち着かなくなったりしたら、ひと休み。「もうおしまい」のサインについていくことも、それ自体がこたえるやりとりです。
静かな時間と、ひとりの時間も
発達に、たえまない刺激は必要ありません。起きている赤ちゃんは、大人がそばにいれば、まわりを見たり、足をけったり、安全な物をさわったりして過ごせます。静かな時間は、赤ちゃんが受けとったことを消化する時間になり、大人にもふだんの用事をすませる余裕をくれます。おもちゃでいっぱいの場所をつくるより、安全な物を少し入れかえましょう。
ひっかかりで、流れを見直す
1週間たったら、どのよりどころが自然にできて、どれがストレスになったかを考えましょう。楽なほうは残し、むずかしいほうは場所を変えるか、やめます。授乳の変化、お客さん、寝不足を乗りこえられる流れのほうが、2日しか使えないくわしい計画より役に立ちます。
ひとつの例、決まりではなく
朝、最初にぱっちり起きたあとは、大人が見守る床遊び。次のおむつ替えでは、声のまねっこ。あとで、絵本か、家にある物での遊び。寝る前は、いつも同じことばか歌。これだけで、もう変化に富んだ、発達を支える一日です。
時刻ではなく、できごとから組み立てる
赤ちゃんの一日はすぐに変わるので、きっちりした時間割はくずれやすいものです。できごとにもとづくよりどころのほうが長もちします。起きたあと、おむつ替えのあいだ、出かける前、寝る前の流れのあいだ。時刻は動いても、順番はいつもと同じだとわかります。
赤ちゃんの目ざめの状態に合わせた流れ
- 静かにぱっちり:顔、絵本、歌、ゆっくり見る遊び。
- 元気にぱっちり:床での動き、手をのばす、にぎやかな人との遊び。
- 眠くなってきた:選択肢を減らし、音を小さくして、寝かしつけの流れを始める。
- 泣いている、具合が悪い:なぐさめ、授乳、医療の必要を優先する。
状態に活動を合わせれば、眠い赤ちゃんを参加させなければ、というプレッシャーが減ります。同じ子でも、明日は別のかたちが必要かもしれません。
チェックリストではなく、メニューを
動き、ことば、ふれあいの分類ごとに、少しの選択肢のリストをもっておきましょう。場面に合ったときに、どれかからひとつ選びます。ふつうの活動にはいくつもの分野がふくまれていることが多いので、毎日すべての分野にしるしをつける必要はありません。大人がコップの名前を言いながら赤ちゃんがそれに手をのばすことには、動き、注意、ことばが、いっしょに入っています。
大人の余力に合わせて計画する
授乳いすのそばに厚紙絵本を置く、安全な床用のかごをひとつ出しておく、もう知っている歌を使う。準備を減らせば、ふつうの日にも、こたえる遊びがしやすくなります。プリントする教材、大量の片づけ、新しい買いものに頼る流れは、それが本当に楽しいのでなければ避けましょう。
動けるようになったら、見直す
あおむけの赤ちゃんにうまくいった流れも、寝返り、はいはい、つかまり立ちが始まったら見直しが必要です。次の活動を足す前に、環境を見直しましょう。階段と家具を固定し、コードや小さな物を移し、探検していい場所をつくります。安全の準備は、もうひとつの計画した運動より、発達を効果的に支えることがあります。
くずれたあとの立てなおし
病気、旅行、お客さん、眠りの変化で、すべてのよりどころが途切れることもあります。一日全体を組みなおすのではなく、いちばんかんたんななじみのところから再開しましょう。寝る前の歌や、朝の床の時間ひとつで、見通しはとりもどせます。もうひとつのよりどころを足すのは、最初のものがまた自然に感じられるようになってからです。
週に一度、ふり返る
赤ちゃんが何を楽しんだか、何がいつもひっかかったか、何をいつも忘れたかを考えましょう。大切な必要を満たしているのでなければ、むずかしい項目はやめます。発達のための流れは、役に立つやりとりを思い出しやすくして、頭の中の負担を減らすものであるべきです。親を評価する証拠になってはいけません。
とても忙しい家庭のためのかたち
よりどころを3つだけ選びましょう。都合のいい目ざめのあとの床の時間ひとつ、お世話のあいだのおしゃべりひとつ、寝る前のいつもの歌ひとつ。ほかの大人も、同じよりどころを、まったく同じやりかたでなくても使えます。大変な日にどれもできなくても、また明日から始めればいいのです。目的は、ふれあいと動きを思い出しやすくすることで、途切れさせてはいけないもうひとつの記録をつくることではありません。
計画は短いメモひとつにまとめて見えるところにはっておけば、ほかの大人も、くわしい引きつぎや別の教材なしに使えます。
ポイント: 大変な日は、ふれあいとお世話で十分です。予定していた遊びができなくても、発達が後もどりすることはありません。