発達の目安と、日々の育ち。親が知っておきたいちがい
発達の目安と日々の育ちのちがいは、道しるべと、そこへ向かう道のりのちがいです。目安は、支えなしでおすわりする、といった目に見える技能を記録するものです。育ちには、その技能を可能にする小さな変化がふくまれます。首のすわりがしっかりしてくる、手でバランスをとる、ぐらっとしても立てなおす、といったことです。
目安でわかること
発達の目安は、家族と専門家に共通のことばをくれます。多くの子がある年齢までに何ができるかを知る助けになり、ある技能が見られないときに、ちょうどいい時期に相談するきっかけにもなります。目安は、発達を見守るためのものです。正式なスクリーニングの検査はもっとくわしく、訓練を受けた専門家が行うか、結果を読みとります。
目安と目安のあいだの育ち
- はっきりしたことばの前に、声のやりとりが長くなる、音をまねする、同じ身ぶりをいつも使う、といったことが見られる。
- はいはいの前に、おなかを軸にくるっと回る、後ろに進む、バランスをくずさずに遠くまで手をのばす、といったことが見られる。
- ひとり遊びが数分続くようになる前に、大人がまだ近くにいるかを確かめながら探検する。
こうした途中の一歩が大切なのは、発達が練習を通して積みあがっていくからです。それに、技能があるかないかを何度も確かめるより、ずっとよい情報をくれます。
テストせずに見守るには
ふだんの機会をつくって、子どもの反応についていきましょう。安全な物を手の届くところに置く、いつもの歌の途中でひと息まつ、赤ちゃんが次の番を始められる余地をあける。技能が見られなくても、みんながいらいらするまで同じうながしをくり返すのはやめましょう。また別の日に、心地よい場面でためしてみればいいのです。
2つの見かたを合わせて使う
目安のチェックリストは、いつ心配を相談するかを決める助けになります。育ちのメモは、何が変わってきていて、何がまだむずかしいかを説明する助けになります。乳幼児健診には両方を持っていきましょう。目安のひとつが見られないとき、何かがおかしいという直感が消えないときは、スクリーニングについてたずねてみてください。
実際の例、おもちゃに手をのばす
チェックリストには、ほしいおもちゃに赤ちゃんが手をのばす、と書かれているかもしれません。その一行のうしろにある育ちは、ずっと豊かです。まず赤ちゃんはおもちゃに気づき、見つめ続けます。肩が安定してきて、腕がまんなかへ動き、ちょうどいいときに手が開き、バランスをくずさずに体が調整されます。はじめのうちは、空ぶりしたり、おもちゃをかすったり、片側だけでうまくいったりするかもしれません。こうした試みは、目安の失敗ではありません。技能をつくっていく過程そのものです。
コミュニケーションでも同じです。わかることばが出る前に、赤ちゃんは話す人の顔をじっと見る、声のやりとりが長くなる、同じ音節をくり返す、同じ身ぶりをいつも使う、名前を言われたなじみの物のほうを見る、といったことをします。ことばの数だけを数えていたら、その育ちの多くを見のがしてしまいます。
目安の年齢は、平均の年齢ではない
CDCの発達の目安の年齢は、発達の見守りを支えるためにつくられています。今のチェックリストの項目は、少なくとも75パーセントの子がその技能を見せると考えられる年齢に置かれています。だからこそ、見られない項目は相談する意味があるのです。それは、どの子もその年齢で初めてその技能を身につけるという意味ではありませんし、チェックリストを発達の基準や診断の道具にするものでもありません。
同じ技能について、別のサイトでちがう年齢を見つけることがあります。そこでは、平均、いちばん早くよく見られる時期、診察で使うスクリーニングの項目、広い幅などを説明しているのかもしれません。数字をくらべる前に、その年齢が何を意味しているのかを確かめましょう。見守りの判断には、信頼できるチェックリストをひとつに決めて使い、疑問は子どもをみている医師に聞きましょう。
専門家は、情報をどう使い分けるか
- 見守りは、親、子どもをみる人、定期的な健診から、時間をかけて観察を集めることです。
- スクリーニングは、確かめられた検査を使って、もっとくわしい評価がすすめられるかを見きわめることです。
- 評価は、発達をもっと深く調べるもので、診断や支援の計画につながることがあります。
親は見守ることはできますが、ネットのクイズを組み合わせて、専門家のスクリーニングをつくりなおそうとしないでください。見守りで心配が出てきたら、ふさわしい次の一歩は、資格のある機関にスクリーニングや評価をお願いすることです。
育ちの道すじがわかるメモを
「すわる」「すわらない」だけを書くのではなく、どれくらい支えが必要かを書きましょう。たとえば「生後7か月、手を前について10秒すわれた。2週間後、おもちゃに手をのばして、1回バランスを立てなおした」。ことばなら、ある声や身ぶりがよりはっきりした意図をもってきているか、ちがう人の前でも出るかをメモします。
こうした記録は、育ちつつある力をお祝いする助けになり、専門家に役立つくわしい情報もくれます。目安のリストが、合格か不合格かの通知表になるのも防げます。目的は、何も問題がないと証明することではありません。支えられるくらい、そして動くべきときに動けるくらい、子どもをはっきり見ることです。
ポイント: できていたことができなくなったときは、次のチェックリストの年齢を待たないでください。資格のある医療者に連絡し、何が変わったかを正確に伝えましょう。