保育園に慣れるまで、どのくらいかかる?
朝は涙のお別れ、夕方からはべったり。そんな毎日のさなかにいると、親の頭にあるのはただひとつ、「いつになったら慣れるの?」という疑問です。正直に言えば、子どもによって違います。それでもよくあるパターンはあり、それを知っておくと、不安な時期を少し落ち着いて待てるようになります。
ひと言でいうと
多くの子どもにとって、いちばんつらい時期は2〜6週間ほどです。最初の2週間で落ち着く子もたくさんいますし、本当に自分の場所だと感じるまで2か月ほどかかる子もいます。さらに時間が必要な子も少しいます。とくに月齢が低い子、それまで親と離れて過ごしたことがあまりない子、もともと慎重な子です。正しい日数がひとつあるわけではありません。あるのは大まかな向きだけで、まっすぐではなくても、少しずつ楽になっていくはずです。
慣れていく道のりは、でこぼこ
慣れかたが一日ごとにきれいに右肩上がりになることは、まずありません。ずいぶん平気になったと思ったら、また泣く日が来る。行きつ戻りつしながら、全体としては少しずつ上向いていく。それが現実に近い姿です。
よい日と悪い日があるのは当たり前です。順調な1週間のあとに一度泣く朝があっても、ふりだしに戻ったわけではありません。
早まること、長引くこと
その子が慣れるまでにかかる時間には、いくつかのことが関わっています。
- 年齢と発達の段階。分離不安は2歳ごろにかけて強くなりやすいので、1歳3か月の子のほうが、落ち着いた3歳の子より強く抵抗することがあります。もっとも、大きい子には大きい子なりの心配があります。
- 性格。慎重で敏感な子は、おおらかな子よりも、ゆっくりやさしく段階をふむ必要があることが多いです。
- 続けること。決まった時間に定期的に通うと、子どもはリズムを覚えやすくなります。休みが多いと、少しずつ時計が巻きもどります。
- 担当の先生。毎日迎えてくれる、あたたかくいつも同じ先生がいると、信頼が早く育ちます。
- 家庭の落ち着き。きょうだいの誕生、引っ越し、病気が重なると、時間が長くかかることがあります。
順調に向かっているサイン
うまくいっているかどうかは、涙がゼロになったかで判断しなくて大丈夫です。一日ではなく、流れを見ましょう。
- 朝の別れで泣く時間が短くなった、または親が帰ったあと早く泣きやむようになった。
- 数分で遊びに入れるようになったと、先生が教えてくれる。
- お友だちや歌、おやつ、先生の名前を口にしはじめた。
- 園での食事やお昼寝が、だんだんよくなってきた。
- 夕方が落ち着いてきた、または帰宅後のかんしゃくがやわらいできた。
親が帰ったあとの様子を、担任の先生に聞いてみましょう。玄関での大泣きから想像するより、ずっと前に進んでいることがわかるものです。
慣れていくのを、どう支える?
子どもが慣れるのを急がせることはできません。でも、慣れやすい条件を整えることはできます。
- 最初の数週間は、決まった日、決まった時間に、規則的に通う。
- 毎回、短くていつも同じお別れの流れを使う。
- 睡眠をしっかりとらせ、食べなれたものを出して、子どもに余力を残しておく。
- 家でも保育園のことをあたたかく話し、先生の名前や園での遊びを話題にする。
- 慣れるのは疲れる仕事なので、夜はいつもより多めにぎゅっとして、ゆっくり過ごす。
そして何より、親がどんと構えていること。子どもは親を見ています。保育園を安全で、当たり前で、楽しい暮らしの一部として扱っていると、その気持ちは少しずつ子どもに伝わっていきます。
もう少しよく見たほうがいいとき
慣れるのがゆっくりなのは、たいていその子にもっと時間が必要なだけで、いちばんの薬は待つことです。ただ、6〜8週間ほどたってもまったくよくならない、朝の別れのときだけでなく一日の大半をつらそうに過ごしている、園でずっと食べない、飲まない、できていたことができなくなってきた、家での機嫌が大きく変わって戻らない、という場合は、園や地域の保健師さんとしっかり話してみましょう。こうしたときは、あわてるのではなく、注意を向けることが大切です。よい園なら、いっしょに考えてくれるはずです。
自分にもやさしく
わが子がなかなか慣れられない姿を見るのは、本当につらいものです。罪悪感があるからといって、まちがった選択をしているわけではありません。いつもきちんと別れて、愛情いっぱいに再会する。そのくり返しが、世界は安全で、親はかならず戻ってくる、ということを子どもに教えます。その学びは、ゆれる数週間に見合う価値があります。時間をかけ、先生を頼り、ほとんどの子が最後には楽しく落ち着いた毎日にたどり着くことを信じてください。
ポイント: 保育園に慣れるまでの決まった日数はありませんが、多くの子は2〜6週間かけてなじんでいきます。つらい朝一回ではなく、全体の流れを見ましょう。
HealthyChildren.org (AAP), Building Adjustment to Child Care