活発な子が保育園になじむために、親ができること

生まれつきボリュームが大きめの子がいます。歩くより走る、何にでもよじのぼる、じっと座っているのが苦手で、エネルギーが尽きることがない。にぎやかな保育園は、やることも動ける場所もたっぷりあって、こういう子にはすばらしい場所になりえます。でも一方で、座って守らなければならない決まりが多い場所に感じられることもあります。活発な子が園になじむために大切なのは、そのエネルギーに逆らうのではなく、家でも園でも、うまく生かしていくことです。

エネルギーを、強みとして見る

親がくたくたのときは、元気いっぱいの子を「手がかかる子」と見てしまいがちです。でも、もうひとつの見かたも忘れないでいてください。こうした子は、意欲にあふれ、体を動かすことに自信があり、好奇心旺盛で、生き生きしていることが多いのです。活発な気質は、行動の問題ではありません。動きたい気持ちが理解され、うまく生かされると、同じエネルギーが夢中になる力や喜びに変わります。親や先生がどう受けとめるかで、子どもが自分をどう見るようになるかも変わっていきます。

登園前に、体を動かしておく

エネルギーがはちきれそうなまま園に着いた子にとって、朝の会で座っているのはとてもむずかしいことです。少しの工夫が助けになります。

  • 登園前に体を動かす時間をとる。散歩、キックバイク、庭や公園でひと走り、体を使った遊び。
  • あわただしくて体を動かさない朝のあとに、いきなり「じっとして」を求めることは避ける。
  • できるなら、チャイルドシートやベビーカーに乗せたまま静かな部屋へ直行するのではなく、園までの道で歩いたり動いたりさせる。

少し発散してから着くと、園への切りかえがずっとスムーズになります。

先生と、しっかり連携する

いちばん頼りになるのは、先生とのこまめな話し合いです。わが子についてわかっていることを伝えて、初日から支えてもらえるようにしましょう。

  • 子どもがいっぱいいっぱいになってきたとき、そわそわしてきたときに、どんなふうに表れるかを伝える。
  • 一日の中で、動く時間と静かな時間のバランスがどうなっているか、外遊びはどのくらいあるかを聞く。
  • 運ぶ、片づける、準備を手伝うなど、体を使うお手伝いや役割をまかせてもらえないか提案する。
  • 座っている場面での、やさしい工夫を相談する。手で何かいじっていられる席や、ちょっと体を動かす休けいなど。

外遊びがたっぷりあって、手や体を使う遊びが多い園は、たいてい活発な子に合います。園選びの段階から考えに入れておきましょう。

切りかえは、わかりやすく体を使って

すばやく動く子がいちばん苦労しやすいのは、切りかえの場面です。ひとつのことをやめて、別のことを始めなければならないとき。はっきりした予告と、少し体を動かすことが助けになります。

  • 変わる前に予告する。「あと2分三輪車に乗ったら、おやつだよ」
  • できるときは、動きながら切りかえる。テーブルまでケンケン、手洗いまで行進。
  • 親のお別れは短く、自信をもって。立ったまま長いさよならをさせるのではなく、すぐに遊びに入れるようにする。

眠りと、安定した食事を守る

活発な子は、疲れすぎやおなかがすいた状態になると、あっという間に気持ちのコントロールがきかなくなり、すべてがくずれてしまいます。お昼寝と寝る時間は、しっかり守りましょう。よく動く体ほど、たっぷりの休息が必要です。甘いもので急に元気になるより、ゆっくり長くエネルギーになるごはんやおやつを出し、朝ごはんをしっかり食べてから登園できるようにします。よく休み、よく食べた活発な子は、エネルギー切れの子よりずっとうまくやっていけます。

「元気」と「つらい」の違いに気づく

元気いっぱいの子の多くは、動ける場所と自分をわかってくれる大人がいれば、楽しく落ち着いていきます。それでも、楽しそうに忙しくしているのか、本当にいっぱいいっぱいになっているのかは、そっと見ておきましょう。ずっと動き続けている、何にもまったく取り組めない、大きなかんしゃくがしょっちゅう起きる、にぎやかさを楽しむよりつらそうにしている。そんなときは先生と話してみる価値があります。活発な子が、実はやることが足りなくて退屈していることもあれば、にぎやかでうるさい部屋が刺激の強すぎる場所で、静かなコーナーが必要なこともあります。

じっとしていることだけでなく、がんばりをほめる

活発な子には、「止まって」と言うときにしか声をかけていない、ということになりがちです。よいところを見つけて、ほめるようにしましょう。待てたとき、ゆずれたとき、手伝えたとき、集中できたとき。「絵本の時間、すごくよく聞いていたね」のような具体的であたたかい励ましが、伸ばしたい力そのものを育てます。じっとしていることについてばかり言われる子は、自分は「できない子」だと思うようになります。やさしさやがんばりについて聞かされる子は、もっとよいことを学びます。

時間をかけて、いつも同じように

どんな子とも同じように、活発な子にも新しい園のリズムを覚える時間が必要で、最初の数週間はでこぼこするかもしれません。規則的に通うこと、見通しのある受けわたし、家と園で同じ期待。いつも同じであることが、流れを身につける助けになります。小さな「できた」を喜び、先生との連絡を続けましょう。

相談したいとき

元気いっぱいなのは、たいていは気質で、多くの活発な子は、必要なことが満たされれば伸び伸び育っていきます。ただ、長いあいだどんな遊びにもまったく落ち着いて取り組めない、動きのせいで自分やまわりがけがをしそうになることがしょっちゅうある、楽しく忙しいというよりいつもつらそうにしている、発達や注意、行動について、場所をこえて広く心配がある、という場合は、園や地域の保健師さんに落ち着いて相談してみましょう。保健師さんは、安心できることばや次の一歩を示してくれます。とはいえほとんどの場合、活発な子に必要なのは、動ける場所と、そのエネルギーを応援してくれる大人です。

ポイント: 活発な子が保育園になじむには、エネルギーを強みとして受けとめ、登園前に少し発散させ、体を動かすことや役割について先生と相談し、眠りと食事を守りましょう。

NHS, Separation anxiety

CDC, Positive Parenting Tips: Preschoolers