長いお休み明けの登園、泣く子をどう支える?
年末年始やお盆の長いお休み、病気でしばらく休んだあと、家でいっしょに過ごした時期、親の育休明け。久しぶりの登園は、まるで最初からやりなおしのように感じられることがあります。楽しそうに通っていた子が急にしがみついて泣きだし、ここまで戻ってしまうのかと驚く親も多いものです。でもこれはふつうのことで、後戻りというより、慣れなおしです。休み明けを、みんなにとって少しやさしくする方法を見ていきましょう。
休み明けがでこぼこしやすい理由
家で楽しく過ごした期間、子どもはいつも親がそばにいて、ゆっくりしたペースで、毎日のお別れもありませんでした。そこから一日離れて過ごす生活に戻るのは、もう一度やってくる本当の変化で、気持ちがそれを映しだします。
- 離れるさみしさが、また顔を出す。親とたっぷり過ごした心地よさのぶん、お別れがまたつらく感じられます。
- 生活リズムのくずれ。お休みのあいだに、睡眠や食事、一日の流れがずれていることがあります。
- なじみがうすれる。何週間も離れていると、先生やお友だち、部屋が、少し遠いものに感じられます。
- 発達の新しい段階。最後に通っていたころより、ただ甘えが強い時期に入っていることもあります。
休み明けにゆれるのは想定内だとわかっていれば、心配はずいぶん小さくなります。
初日の前に、生活リズムを戻す
いきなり本番を迎えるのではなく、最初の朝の前に、子どもの体内時計を園のリズムに少しずつ戻してあげる。それは親ができるとてもやさしいことのひとつです。
- 数日前から、起きる時間、食事、お昼寝を、園の時間に近づけていく。
- 着がえ、朝ごはん、出発という、朝の流れを取りもどす。
- かばん、服、お気に入りの物を用意して、最初の朝があわてないようにする。
生活リズムがすでに園の一日と合っている子は、ひと晩で切りかえを求められる子より、ずっと楽に乗りこえられます。
気持ちの準備運動を
前の数日間、園に戻ることを明るく、さらりと話しましょう。好きなことを思い出させてあげます。大好きな先生、お友だち、園庭、お気に入りのおもちゃ。なじみの人や場所の名前を出すと、お休みのあいだにうすれたつながりの感覚がよみがえってきます。盛りすぎず、正直にあたたかく。休み明けへの親自身の不安は、子どもに伝えないようにしましょう。
ゆっくり始められるか相談する
長いあいだ休んでいた、あるいは戻ることをとても不安がっているなら、いきなり一日まるごとではなく、少しずつ慣らせないか園に相談してみましょう。最初の日は短めにする、慣らしの訪問をする、朝はなじみの担当の先生に迎えてもらう。こうした工夫で、休み明けはずいぶんなめらかになります。よい園は、長い休みのあとにはやさしい助走が必要なこともあるとわかっていて、たいていいっしょに考えてくれます。
お別れは落ち着いて、いつも同じに
お別れのルーティンを復活させましょう。これまでなかったなら、シンプルなものをつくります。短く、あたたかく、見通しのあるお別れと、迷わない退場は、前と変わらない確かさがまだここにあると子どもを安心させます。さよならを言って、かならず戻ってくる、ということです。ぐずぐず残ったり、「もう一回ぎゅっ」と戻ったりしたくなる気持ちはこらえましょう。涙を長引かせるだけです。なじみの先生に引きつぎ、まかせてください。ほとんどの子は数分で落ち着きます。
おむかえで、つながりなおす
何週間もいつもよりくっついて過ごしたあと、長く離れる日々に戻ると、子どもはつながりを強く求めるようになります。再会はあたたかく、急がずに。夜はじっくりふたりで過ごす時間をとり、みんなが慣れなおすあいだは、園のあとの時間を落ち着いたものにしましょう。戻って最初の数日は、家で大きな気持ちが出てくると考えておき、プレッシャーではなく気長さでこたえてください。
時間をかけて、どんと構えて
休み明けの朝に泣いたからといって、1週間ずっと泣くとはかぎりません。2回目の慣れは、たいてい最初より早く進みます。少しさびついていても、その下では場所も人ももうなじみがあるからです。毎日やりかたを変えるのではなく、ひとつの落ち着いたやりかたを1週間ほど続け、担当の先生とこまめに連絡をとり、全体の流れを見ましょう。ほとんどの子は、数日から2週間ほどで、またいつもの調子を取りもどします。
もう少し注意して見たいとき
お休みのあと、とくに長いお休みのあとに、ある程度ゆれるのはまったくふつうのことです。ただ、数週間たっても、朝の別れのときだけでなく一日の大半をひどくつらそうに過ごしている、園で食べない、眠れない、できていたことが大きく後戻りしたまま戻らない、ただ落ち着かないのではなくこわがっているように見える、保育について心配になることを子どもが言ったり見せたりする、という場合は、園や地域の保健師さんに落ち着いて相談しましょう。病気で休んでいたなら、本当に登園できるくらい元気になっているかも確かめてください。親の直感を信じて。そして、ほとんどの子にとって、なじみの園に戻ることは、少しの気長さとあたたかく落ち着いたスタートがあれば、うまくできる慣れなおしだと覚えておいてください。
ポイント: 長いお休み明けの登園は、失敗ではなく慣れなおしです。前もって生活リズムを戻し、気持ちの準備をして、お別れは落ち着いて、慣れるまで少し時間をあげましょう。