人見知りの子が保育園に慣れるまで、親ができること

新しい部屋に入るなり、まっすぐ砂場に飛びこんでいく子がいます。一方で、少し離れたところからじっと様子を見て、時間をかけてから新しい場所を信頼する子もいます。わが子が後者なら、保育園はちょっと高い山に感じられるかもしれません。でも、その子のペースでなら、まちがいなくのぼっていける山です。目標は、人見知りをなくすことではありません。園を十分に安心できる場所にして、生まれもった慎重さがゆるんでいけるようにすることです。

わが子の気質を知る

ゆっくり時間をかけてなじむのは、まったく健やかな気質で、直すべき問題ではありません。慎重な子は、加わる前によく観察し、少しずつ心を開き、なじみの人といつもの流れの中でいちばん安心します。その観察力は強みです。こうした子は、行動する前によく考え、深く長続きする友情を築くことが多いのです。人見知りを欠点ではなく「その子のスタイル」として見ると、支えかたが変わります。そして、子どもが「自分はどこかおかしいんだ」と思いこむのを防げます。

慣らし保育は、ゆっくりめに

慎重な子は、ふつう、人なつこい子よりも長く、ゆるやかな助走が必要です。園に慣らし保育や見学の機会があれば、できるだけたくさん利用し、ペースを急がないようにしましょう。

  • 最初は短い時間から。親はすぐそばにいます。
  • 輪に入るよう急かさず、親のひざやとなりから観察させてあげる。
  • 急にいなくなるのではなく、子どもがリラックスしてきたら、少しずつ距離をとっていく。
  • 一日まるごと預ける前に、時間を少しずつのばしていく。

わが子が自分のペースで部屋に一歩近づくたびに、それは心の中でそっと喜んでいい前進です。

ひとりの先生との関係を育てる

人見知りの子は、知らない顔がずらりと並ぶより、つかまっていられるなじみの大人がひとりいるほうが、ずっとうまくやっていけます。いつも同じ担当の先生がつくよう園にお願いし、その関係が育つよう手伝いましょう。あたたかく紹介し、子どもの好きなものを伝え、先生には急に距離をつめるのではなく子どものペースに合わせてもらうようお願いします。信頼できる大人がひとりいれば、そこが安全基地になり、慎重な子もそこから少しずつ探検を始められます。

お別れは、あたたかく自信をもって

人見知りの子は、ここが安全な場所かどうかを、親の顔を見て判断します。親が不安そうな顔をしていれば、何かこわいことがあるのだと受けとります。お別れはあたたかく、落ち着いて、短く。いつも同じルーティンで、ひとりで放っておくのではなく担当の先生に引きついでください。親の静かな自信は、「あなたは大丈夫な人たちにあずけられている」という、いちばん強いメッセージのひとつです。

決めつけず、説明しすぎない

よかれと思って、子どもが聞いている前で先生に会うたび「この子、人見知りなんです」と言ってしまうことがあります。何度も自分にレッテルをはられるのを聞くと、子どもはその役にしがみつきやすくなります。決めつけるかわりに、様子を説明しましょう。「しばらく見てから、仲間に入るのが好きなんです」。家で緊張のことを話しすぎるのも、かえって不安をふくらませることがあります。心配そうになぐさめるより、さらりとしたあたたかさのほうがうまくいきます。

押しださず、でもそっと励ます

人見知りの子を輪のまんなかに押しだすことと、一日中ひとりで隠れさせておくことのあいだには、ちょうどいい道があります。無理じいはまずうまくいかず、こわさを深めることもあります。かわりに、プレッシャーの少ない小さな一歩を支えましょう。ほかの子ひとりのそばに座る、静かな遊びに加わる、コップを配る係をしてみる。輪に入るスピードは子どもに決めさせ、先生には背中を押すのではなく、橋をかけてもらいます。自信は、投げこまれることからではなく、小さな成功のくり返しから育ちます。

園の外でも、なじみをつくる

園の世界がなじみのあるものに感じられるほど、子どもは落ち着きやすくなります。家で先生やお友だちの名前を出して、あたたかく話しましょう。入園をテーマにした絵本を読むのもいいでしょう。園が許してくれるなら、部屋や担当の先生の写真を撮らせてもらい、いっしょにながめます。子育てひろばや公園で、ほかの子どもとゆるやかにふれあうのも、一日まるごとのプレッシャーなしに、同じ年ごろの子といる練習になります。

時間をかけて、どんと構えて

ゆっくりなじむ子は、慣れるまでに時間がかかることが多く、それはまったくふつうのことです。一日の出来より、流れの向きのほうが大切です。小さな前進のしるしを見つけましょう。お別れが短くなった、お友だちの名前を言った、作ったものを見せてくれた、担当の先生に心を開いてきた。こうしたことが積みかさなっていきます。少しずつよい方向に向かっているかぎり、いちばんの道具は待つことです。

もう少し注意して見たいとき

人見知りそのものは心配なことではなく、慎重な子の多くは、時間とともにすっかりなじんでいきます。ただ、何週間たっても、ただひかえめというより一日中ひどくつらそうにしている、園で食べない、飲まない、観察しているというよりこわがっているように見える、できていたことが後戻りしている、落ち着いていた様子が急に変わった、という場合は、園や地域の保健師さんに落ち着いて相談してみましょう。ごくまれに、親と離れることや話すことが極端に、ずっとむずかしい場合は、専門家にみてもらったほうがよいこともあり、保健師さんが相談にのってくれます。でもたいていは、人見知りの子に必要なのは、時間と、あたたかさと、プレッシャーのないことです。

ポイント: 人見知りの子には、ゆっくりなじむ気質を大切にし、少しずつ慣らして、ひとりの担当の先生をよりどころにし、押しださず決めつけずに、小さな一歩を励ましましょう。

NHS, Separation anxiety

CDC, Positive Parenting Tips: Preschoolers