子どもにどなってしまったあと、関係をやりなおす方法

声を荒らげてしまった。思っていたより大きな声でどなってしまい、子どもは小さくなって、びっくりした顔をしている。そして、熱い罪悪感がこみあげてくる。ほとんどの親が知っている瞬間です。どうか気を落とさないでください。子どもにいちばん影響するのは、どなったことそのものではなく、そのあとに何が起きるかです。どなってしまったあとのやりなおし方を知っていれば、つらい瞬間を、信頼をこわすのではなく、むしろ強める瞬間に変えられます。

完璧より、やりなおしが大事なわけ

いつも落ち着いていられる親はいません。疲れも、ストレスも、子どものあおりも本物で、どんなにおだやかな親にも後悔する瞬間はあります。大事なのは、一度もどならない記録をつくることではなく、それはそもそも無理な話で、こじれた関係はなおせるのだと子どもに見せることです。つらい瞬間のあとに愛情あるやりなおしを体験した子は、深いことを学びます。関係はぶつかりあいがあってもこわれない、うまくいかなかったあとも自分は愛されている、まちがいのあとにくるのは、ずっと続く拒絶ではなく、なおすことなのだ、と。

まず、自分の嵐をしずめる

まだ気持ちが燃えあがっているうちは、やりなおしはできません。子どものところへ行く前に、自分の体が落ち着くチャンスをあげましょう。安全なら少しその場を離れる、ゆっくり息をする、歯をくいしばるのをやめる、肩を下ろす。気持ちが高ぶっている最中に謝ろうとすると、たいてい、またとがったことばが出てしまいます。急がなくて大丈夫です。本当に落ち着いてからの5分後や20分後のやりなおしは、まだくすぶりながら歯をくいしばって言う「ごめん」より、ずっと届きます。

説明より先に、つながりなおす

子どものところへ戻ったら、ことばより先にあたたかさを。目の高さまでかがみ、表情をやわらげ、そばに寄りましょう。どなられた子は、こわかったり、親の愛情が不安になったりしていることがよくあるので、最初の仕事は安心を取りもどすことです。やさしい声、広げた腕、近くに座ること。親がまたあたたかくなったと感じてはじめて、子どもは親の話を受けとれます。つながりなおしは、どなり声でバタンと閉まったドアを、もう一度開けてくれます。

シンプルに、心から認める

うまくいくやりなおしは、短く、正直で、言いわけがありません。たとえば「どなっちゃって、ごめんね。声が大きすぎたし、怒りすぎた。あなたのせいじゃないよ」。これが何をしていて、何をしていないかに注目してください。起きたことを言い、責任を引き受け、あなたは悪くないと子どもを安心させています。そして、「ごめんね、でもあなたがちゃんと聞いてくれていたら」という、よくあるわなを避けています。この言い方は、責任をそっと子どもに返してしまうのです。どなってしまったあとの謝罪は、すっきりと。

やりなおしではないもの

よいやりなおしは、平謝りではありませんし、筋の通った約束ごとをぜんぶ取り消すことでもありません。よくある流れを考えてみましょう。

  • どなったことを謝っても、もとの約束ごとはそのまま守っていい。
  • 罪悪感から、ごほうびやおやつをどっさりあげなくていい。
  • 自分の一日をぜんぶ説明したり、言いわけしたりしなくていい。
  • 子どもに親をなぐさめさせたり、親の気持ちの世話をさせたりしない。

やりなおしは、関係を取りもどすためのものです。子どもに主導権を渡したり、親の後悔でおぼれさせたりするものではありません。落ち着いて、あたたかく、短く認めれば、じゅうぶんです。

みんなが落ち着いてから、話してみる

あとで、おだやかになったら、年齢に合った短いことばで、何があったのかを子どもがわかる手助けをしてもいいでしょう。「さっき、ママはすごく怒って、どなっちゃったね。大人にも大きな気持ちはあるの。どならないで伝えられるように、ママも練習中なんだ」。正直で、役に立つことばです。気持ちはあっていいものだと伝えながら、どなることがめざす形ではないとはっきりさせ、子ども自身も、大きな気持ちになったとき、次はもっとよい扱い方を見つけられるのだと、そっと教えています。

自分の引き金を知る

やりなおしはその瞬間をいやしますが、そこまでいく回数を減らせると、家族みんなが楽になります。責めずに、何が自分の限界をこえさせやすいのか、気づいてみましょう。空腹、疲れ、時間に追われている、うるさい、古い傷にふれる特定の行動。自分のパターンが見えてくると、先回りできます。何か食べる、ペースを落とす、手を借りる、ふっとうする前にひと呼吸ぶん離れる。自分の状態を整えるのはわがままではなく、予防です。

どなるのが止められないと感じるとき

ときどきどなってしまうのは、よくあることです。でも、望むよりずっと多くどなっていて止められない、自分の怒りがこわい、気分の落ちこみ、いっぱいいっぱい、希望がもてない状態が続く、子どもをこわがらせたり傷つけたりしそうになったことがある、という場合は、助けを求めることが大切です。どれも、あなたが悪い親だということではありませんし、支えは本当に役に立ちます。かかりつけ医や地域の保健師さん、自治体の子育て相談の窓口に話してみてください。たずねることは、はずかしいことではなく、強くて愛情深い行動です。

もっとやさしい基準を

よい親は決して取りみださない、という考えは、手ばなしてみましょう。よい親とは、つまずいたときに、あたたかさと正直さをもって戻ってくる親です。どなってしまったあとにやりなおすたびに、親はただ悪い瞬間をとりつくろっているのではありません。人としての生き方を子どもに教えているのです。足りないところがあっても、それを認め、愛情をもってなおす。その教えは、子どもの一生を支えてくれます。

ポイント: まず自分を落ち着かせ、あたたかさでつながりなおし、短く正直に謝りましょう。愛情あるやりなおしは、決してかっとならないことよりも多くを子どもに教えてくれます。

NHS, Anger management issues

UNICEF, How to comfort your child