生後11か月の赤ちゃんの発達:もうすぐ1歳
生後11か月ごろの赤ちゃんは、見ていてほれぼれするほど、ねらいをもって動きます。いつも使う物を使いかたどおりに扱う、動きをまねする、毎日の流れの中のかんたんなことばがわかる、立つ練習をする、そんな姿が見られるかもしれません。1歳のチェックリストはもうすぐですが、早めの試験にせず、1歳になってから使いましょう。
毎日の流れの中で、ことばに意味が育つ
くり返す動作のときは、いつも同じ短いことばを使いましょう。コップ、くつ、おふろ、もっと、おしまい。よく使うことばのあとに間をとり、赤ちゃんが見る、しぐさをする、声を出すかを見てみます。発音がはっきりしなくても、意味のこもった「それらしい声」は立派なコミュニケーションです。
まねっこが、遊びの道具になります
- 本当のお別れのときに手をふって、まねしようとするか待ってみましょう。
- スプーンでコップを1回たたいてから、スプーンを渡してみましょう。
- お人形や自分の髪をとかすふりをしてみせましょう。
- 別の動きを見せる前に、まず赤ちゃんの動きをまねしましょう。
赤ちゃんが別のことをしたら、その安全なアイデアについていきましょう。まねっこは誘いかけで、命令ではありません。
立っちの練習がはじまることも
つたい歩きをする子、少しの間ひとりで立つ子、最初の一歩をふみ出す子もいます。生後11か月でひとり歩きしない子もたくさんいます。安定した家具、片づいた床、すぐそばでの見守りを用意しましょう。車輪のついた歩行器は避け、児童館などで歩きはじめた日をくらべるのはやめておきましょう。
手の力が、毎日への参加を支える
入れものに物を入れる、指先でつまむような持ちかたをする、コップを持つのを手伝う、といったことができるかもしれません。遊ぶ物は大きめの物を選び、食べものはその子に合わせて調理しましょう。ボタン電池、磁石、硬貨などの小さな物は、絶対に手の届かないところにしまってください。
1歳の健診に向けて準備を
自然に見られる力と、聞きたいことをメモしておきましょう。9か月の目安でまだ見られないものがある、できていたことができなくなった、音や人への反応がとても少ない、声やしぐさがほとんどない、動きの左右差が大きい、食べることや飲みこみが心配、といったときは今のうちに相談しましょう。
かんたんなことばに、使う理由を
役に立つことばを少しだけ選び、ぴったりの瞬間に使いましょう。食べものをもう1つ見せながら「もっと?」、腕を差しだしながら「だっこ」、赤ちゃんがボールを持ったら「ボール」。お手本を見せるたびに言わせようとするのはやめておきます。はっきり話せるより先に理解が育つことが多く、同じ声がだんだん安定してきて、やがて大人にもことばだとわかるようになります。
お世話に参加してもらう
シャツを2枚見せて1枚にさわってもらう、着がえの途中で腕を出すのを待つ、かき混ぜるのをやってみせてからスプーンを渡す。これは自立のテストではありません。毎日の流れを予想して、小さな動きで参加するチャンスです。時間に余裕をもって、赤ちゃんの手に負えないところは落ち着いて手伝いましょう。
安全に動けるルートをつくる
- 安定したつかまる場所を2つ、手を離して一歩ふみ出すのではなく、横に手をのばせば届く距離に並べましょう。
- 足もとで転がるおもちゃや、角のとがった家具をルートから片づけましょう。
- 室内では、きれいですべりにくい床の上を、はだしで動かせてあげましょう。
- すわる、ひざ立ち、立つの間の切りかえは、床遊びの中で練習しましょう。
両手を高く持って歩かせると、赤ちゃん自身のバランスのとりかたがくずれてしまうことがあります。赤ちゃんのペースについていき、必要なときだけ胴体の低いところを支えましょう。
食事では、実験がつきものです
生後11か月ごろは、小さなかけらをつまむ、わざと食べものを落とす、スプーンをくるくる回す、コップを持とうとする、といったことをします。これまでどおりまっすぐすわらせてそばで見守り、食べもののかたさはよその家にならうのではなく、その子の力に合わせましょう。落とすのは、探検かもしれないし、もうおなかいっぱいのサインかもしれないし、ただ疲れただけかもしれません。「ごはんはテーブルの上ね」と落ち着いて伝え、頃合いを見て食事を終わりにすれば十分です。
1歳の相談の準備
しぐさ、声、ことばへの反応、物の使いかた、動きかたの例を書きとめておきましょう。なくなってしまった力、左右で違って見える動き、食べることの問題、気になる感覚の反応もあれば書き加えます。発達のチェックが予定されているか、気になることが残ったらどうなるのかをたずねましょう。具体的な観察があると、役に立つ次の一歩を決めやすくなります。
慣れるのに時間がかかる子を、大切に
親戚の集まりなどでは、家では自信満々なのに、顔をかくしたり、いつもの遊びをいやがったり、しがみついたりするかもしれません。安心できる基地としてそばにいて、まわりを観察させてあげましょう。親戚には、バイバイやことば、あんよを求めないようお願いします。慣れてきたら、赤ちゃんは自分なりのやりかたでやりとりをはじめるかもしれません。気質によって人前での見せかたは変わります。だからこそ、誕生日会での1回の姿より、慣れた場所と慣れない場所の両方での観察のほうが役に立つのです。
切りかえを、目に見えるように
遊びがおしまいになることを、かんたんな合図で伝えましょう。物を1つかごに入れて「おしまい」と言い、次にすることを示します。抗議されるかもしれませんが、それは予告が失敗したからではなく、やめるのがむずかしいからです。くり返すうちに、流れになじんでいきます。生後11か月の赤ちゃんに、ひとりで片づけることや、がっかりした気持ちを自分でおさめることは求めないでください。そばにいて、線引きは守り、切りかえを手伝いましょう。
ポイント: 1歳の話題は、歩くことだけではありません。伝える力、人との遊び、物の使いかた、体の動き、どれもが発達の全体像をつくっています。