生後10か月の赤ちゃんの発達:体の動き、しぐさ、遊び

生後10か月ごろの発達は、まったく新しい分野が加わるというより、いくつもの力を組み合わせていく時期です。人に向かって移動し、しぐさで手伝いを頼み、それから両手で物を探る、そんな流れが見られるかもしれません。次の目安の区切りは12か月なので、1歳の目安を10か月の期限のように考えないでください。

しぐさで、気持ちがはっきりしてきます

手をのばす、両手を上げる、物を見せる、バイバイしようとする、指さしのような動き、といったしぐさを探してみましょう。そのメッセージにことばをつけます。「コップを見せてくれてるのね」。わからないときは、落ち着いて予想を言ってみて、反応を見ましょう。伝える力は、うまくいくことだけでなく、行き違いを直すことでも育ちます。

物遊びに、ねらいが出てきます

  • 口の広い入れものと大きめの物をいくつか用意して、入れたり出したりさせてあげましょう。
  • 遊びがわかってきたら、おもちゃを半分かくし、次は全部かくしてみましょう。
  • 物を使って動きを1つやってみせ、赤ちゃんがどうするか待ってみましょう。
  • たたく、落とす、くり返すは、あなたががまんできる範囲の中で続けさせてあげましょう。

つかまり立ちとつたい歩きには、安全な部屋を

家具につかまって立ったり、横に歩いたりする赤ちゃんもいれば、もっとあとの子もいます。家具を固定し、ぐらつくテーブルを片づけ、階段の安全対策をし、熱い飲みものやコードを移動させましょう。安全な室内の床なら、はだしのほうが足の裏から役に立つ感覚が伝わります。手を引っぱって、立たせたり歩かせたりしないでください。

絵本は、読むだけでなく、さわるもの

じょうぶなページをめくらせたり、絵を指さしたり、本を閉じたりさせてあげましょう。赤ちゃんが選んだ絵を1つ取りあげて名前を言い、その音をまねしてみます。全部のページを読み終える必要はありません。大切なのは、いっしょに同じものを見ることです。

相談したいとき

9か月の目安を見直しておきましょう。前の時期の目安が見られない、おすわりや体の動きが心配、音や人からの働きかけにほとんど反応しない、しぐさや声がとても少ない、できていたことができなくなった、といったときは医師に相談してください。

ことばがはっきりしなくても、伝わるように

同じ声でも、赤ちゃんがどこを見て、何に手をのばしているかで意味が変わります。かんたんな予想を言ってみましょう。「スプーンがほしいの?」。それから実物を見せて、こたえを見ます。違っていたら、イライラにせず、もう一度試しましょう。こうした行き違いを直すやりとりが、伝えることはふたりでする仕事で、はっきりしない最初の一歩にも意味があると教えてくれます。

ずっと楽しませなくても、「こうすると、こうなる」は学べます

この時期の赤ちゃんは、同じ物を何度も落とす、ふたを押す、しかけをめくる、2つの物を打ち合わせる、といったことをくり返します。大人の忍耐をためすようでも、くり返しは実験です。投げるのは床でやわらかいボールだけ、など、場面に合った線を引きましょう。その範囲の中で、結果に気づけるまで動きをくり返させてあげます。

立つ練習を、より安全に

  • つかまる物が、すべったり、倒れたり、指をはさんだりしないか確かめましょう。
  • 立たせてあげるのではなく、床から自分でつかまり立ちさせましょう。
  • ひざくらいの高さに興味をひく物を置いて、しゃがむきっかけをつくりましょう。
  • きれいであたたかい室内の床では、足がすべるなら靴下をぬがせましょう。

立った姿勢から下りるのを覚えるには、立ち上がるより時間がかかることがよくあります。床の近くでおもちゃを見せ、ひざが曲がる間は胴体を支えましょう。腕を引っぱったり、歩くよう求めたりしないでください。

集中する時間を守る

赤ちゃんがコップを回したり、おもちゃに手を届かせる方法を考えたりしているときは、すぐに正しいやりかたを見せたくなる気持ちをおさえましょう。近くで待ち、助けになるときだけ、がんばっている様子をことばにします。この時期の集中は1分もたないこともありますが、考えを最後までやりきらせてもらうことで伸びていきます。おもちゃを全部床に広げるより、シンプルな物を数個ずつ入れかえましょう。

ばらつきは、ていねいに読みとって

生後10か月で、つたい歩きは自信満々でもしぐさは少ない子もいれば、伝える力は豊かでも動きは慎重な子もいます。ある分野が得意だからといって、別の分野の心配が消えるわけではなく、ある力が遅めだからといって、必ず問題があるわけでもありません。9か月のサインを見直し、いろいろな分野の成長を見守り、続いている差、できていたことの後戻り、体の左右の大きな違いがあれば相談しましょう。

画面に、やりとりの代わりをさせない

動画は赤ちゃんの目をひきつけても、本物の遊びにあるタイミングや動き、反応は返してくれません。いつもの待ち時間には、間をあけながら歌う、窓の外をながめる、厚紙の絵本、バッグに入れた安全な物を試してみましょう。ビデオ通話は別で、相手がこたえてくれます。あなたが赤ちゃんの隣にいて、誰が話しているか説明してあげるとなおよいでしょう。画面の使いかたは住んでいる国の最新の目安に従い、食事、遊び、寝かしつけの時間は、テレビのつけっぱなしから守りましょう。

家庭のことばを、自然に使って

あなたがあたたかく、表情豊かに、正確に話せることば(ひとつでも、いくつでも)で話しましょう。いくつものことばを聞いて育つからといって、会話をかんたんな単語だけにする必要はありません。人によって使うことばが違ってもよく、語彙がそれぞれのことばに分かれていてもかまいません。ことばの発達が心配で相談するときは、すべてのことばでのしぐさ、声、わかっていることばを伝えましょう。

ポイント: つかまり立ちができても、安全に下りる方法はまだ知らないかもしれません。何度も立たせてあげるのではなく、そばにいて、ひざを曲げてしゃがむ動きを見せてあげましょう。

CDC, Developmental Milestones

NHS, Baby moves