読み聞かせの途中で、子どもが口をはさんだら

おはなしを読みはじめて3文で、もう4回止められた。「これなあに?どうしてかなしいの?わたしも赤いくつした持ってる!」。「ちょっと最後まで読ませて」と言って先へ進みたくなります。でも、子どもが質問やつぶやきで読み聞かせに口をはさむとき、たいていはすてきなことをしているのです。その口はさみは、好奇心いっぱいで夢中な頭のしるしで、大人のこたえ方しだいで、本が会話に感じられるか、お説教に感じられるかが変わります。

口をはさむのは、いいしるし

質問をはさむ、何かを指さす、おはなしを自分の暮らしとつなげる子は、本について一生けんめい考えています。理解しようとし、知っていることと結びつけ、読むことを、自分にされることではなく、やりとりとして扱っています。こうした口はさみは、まさに望んでいる関わり方です。おはなしをだいなしにするどころか、子どもの質問やつぶやきこそ、いちばんゆたかな部分であることがよくあります。

ひと言受けとめて、おはなしにもどる

シンプルな動きは、子どもの言ったことを受けとめ、短くあたたかくこたえ、それからまた本へ流れていくことです。「そうだね、かなしそうな顔してるね。どうしてか見てみようか」。子どもの考えを大切にしながら、おはなしがすっかり消えてしまうこともありません。本を読み終えることと子どもの話を聞くことのどちらかを選ぶ必要はありません。短く本心からこたえて、そっとページにもどれば、たいていどちらも手に入ります。

大切な口はさみには、ついていく

さっとうなずく以上の価値がある口はさみもあります。子どもが本当の質問をしたり、その子にとってはっきり大切なつながりを見つけたりしたら、最後のページまでたどりつかなくても、止まってちゃんと話してかまいません。本がきっかけで生まれる会話は、本そのものより価値があることがよくあります。読むことは最後までの競走ではなく、10分の好奇心いっぱいのおしゃべりを生んだおはなしは、みごとに役目をはたしています。

使えるひと言

  • 「いい質問だね。どう思う?」
  • 「ほんとだ!あなたの赤いくつしたみたいだね」
  • 「心配そうな顔してるね。続きを読んでみよう」
  • 「ここまで読んだら、そのことを全部教えてね」
  • 「わたしもそれ、ふしぎに思ってた。いっしょに確かめてみる?」

口はさみが止まらないとき

ときには、ふたつの文もつなげられないほど口をはさみつづけ、みんながいらいらしてしまうこともあります。そんな日は、書かれたことばはあっさりあきらめて、子どものつぶやきについてページをめぐる、絵を中心にした会話にまるごと切りかえてもいいのです。「このページを読んだら、あなたが話す番ね」とリズムをやさしく伝えることもできます。「しーっ」より軽いふれ方のほうがずっとうまくいきます。「しーっ」は、自分の考えは歓迎されていないと子どもに感じさせることがあるからです。

好奇心と、避けたい気持ちを見わける

ときには、ひっきりなしの口はさみが、おはなしのことより、疲れている、おなかがすいている、刺激が多すぎる、ただ読んでもらう気分ではない、という子どものことであることもあります。口はさみが好奇心より落ちつかなさに感じられたら、明るく本をとじて、また別のときに試してかまいません。読むことは楽しみであるべきで、子どもがその子なりのやり方で今じゃないと伝えているときに、押しきる必要はありません。

大人のこたえ方が大切な理由

口はさみへの対応は、読むことが何のためにあるかを子どもに教えます。質問を歓迎すると、本はただ静かにすわって受けとるものではなく、考えて話すためのものだと伝わります。このやりとりこそ、ことばの学びがたくさん起きるところです。子どもは自分の考えと好奇心へのこたえとして、新しいことばを聞くからです。つぶやきが興味をもって受けとめられる子は、夢中で問いかける読み手に育ちます。それこそがゴールです。

あとにとっておいてもいい

口はさみを歓迎するといっても、おはなしの途中でひとつ残らず追いかけるということではありません。小さなつぶやきには、あたたかくうなずいて「それ、最後に教えてね」と言えばよく、自分の考えは少しあとでもちゃんとそこにあると、子どもにやさしく教えられます。あとで子どもが言いたかったことにもどれば、ちゃんと聞いていたと伝わり、本のおわりがしっかりしたおしゃべりでしめくくられます。やがて、話すときと聞くときがあるという会話のリズムを、軽くあしらわれたと感じることなく、子どもが学ぶ助けになります。

やさしいひと言

おはなしのあいだに口をはさむのは夢中の健やかなしるしなので、ここで心配することは何もありません。いつものように、子どもの注意、理解、ことばに広い心配があるときは、地域の保健師さんやかかりつけの小児科医が安心や支えをくれます。そうでなければ、小さな口はさみは、子どもが本当に聞いて考えている証拠として、ほめことばのように受けとってください。

覚えておきたいこと

子どもが質問やつぶやきで読み聞かせに口をはさむとき、考えている頭を見せてくれています。言ったことを受けとめ、あたたかくこたえ、はっきり大切なときには口はさみについていき、そうでないときはそっとおはなしにもどりましょう。いいおはなしは最後のことばまで静かに読まなければ、という考えは手放して。会話は本をだいなしにしているのではなく、たいていは、そこがいちばんいいところなのです。

ポイント: 口はさみはいたずらではなく、夢中のしるし。あたたかくこたえ、大切なものにはついていき、本をふたりのやりとりにしましょう。

NHS, Help your baby learn to talk

American Academy of Pediatrics, HealthyChildren.org: Books & Reading