絵本の入れかえ。少ない選択肢で、深く楽しむ

本棚はぎっしりなのに、子どもはほとんどに見向きもしない。そんな家庭はたくさんあります。小さな子の前に本をもっと積みあげると、願いとは逆のことが起きがちです。選択肢が多すぎると小さな頭は圧倒され、何もちゃんと選ばれず、どれもちらっと見られるだけ。多くの家庭がすすめるひとつの静かな解決が、全部を一度に並べるのではなく、絵本を入れかえることです。

棚の本が少ないほど、読むことが増える理由

小さな子は、選択肢の範囲がせまいほど深く関わります。40冊の背表紙を前にすると、小さな子はあちこち飛びまわって何にも落ちつきません。よく選んだ6冊を前にすると、じっくり見て、またもどってきて、1冊ずつと仲よくなります。選択肢が少ないと、棚全体がごちゃごちゃではなく扱えるものに感じられ、散らかった場所がひそかに生む小さなストレスも減ります。絵本を入れかえるのは、子どもからおはなしをかくすことではありません。目の前の本を、本当に見えるようにしてあげることです。

シンプルな入れかえのしくみ

本のほとんどを箱、押し入れ、高い棚に集め、6冊から10冊ほどを出しておきます。1、2週間ごとにいくつか下げて、ほかの本をもどします。2週間見なかった本は、ずっと家にあったのに、新しいもののかがやきをもってもどってくることがよくあります。完ぺきな数も、きっちりした予定もありません。ねらいは、かたいしくみではなく、やさしく定期的な入れかえです。

並べる本の選び方

  • なじみの安心できる本に、あまり見ない本を1、2冊まぜる。
  • いろいろな種類を。ことばあそびの本、おはなし、ショベルカーや動物の図鑑。
  • 何冊かは表紙を前に向けて、絵に誘ってもらう。
  • 恐竜、バス、ねんねなど、今の夢中についていく。
  • 子どもが自由に選べるよう、手の届くところに並べる。

もどってきたお気に入りに、まかせる

本をまとめてもどしたら、子どもがどれにひかれるか見て、それは少し長めに出しておきましょう。入れかえは、変化のための変化を押しつけることではありません。今まさに旬のおはなしなら、そのままに。ねらいは、扱える数の本との深いくり返しの関わりで、くり返しは小さな子にとって宝物です。何度も選ばれる本は、その場所をちゃんと勝ちとっています。

入れかえを、小さなイベントに

子どもはちょっとした習わしが大好きなので、入れかえを小さな行事にしてみましょう。箱をおろすのを手伝ってもらい、「新しい」本を出して、どこに置くか決めてもらう。毎週同じ曜日にすると、ほっとするリズムが加わる家庭もあります。片づけではなくお楽しみとして伝えれば、入れかえは待ちどおしいものになり、自分の小さな図書館を自分で動かしている満足感を子どもにくれます。

休んでいる本の置き場所

出していない本には、大人は取りやすいけれど、子どもの目にいつも入らない置き場所を。たんすの上のふたつきの箱、低い戸棚、浅いケースいくつか、どれもよく使えます。テーマ別や、もう卒業した本、これから合う本など、ざっくり分けておけば、2週間ごとの入れかえが面倒ではなくすぐにできます。入れかえが大人にとってらくなら本当に続けられ、それこそが、この方法を長くうまくいかせる理由です。

全部いっぺんに出したがる子のとき

自分のコレクションを全部見て、ごそごそ探すのが本当に好きな子もいて、それでまったくかまいません。入れかえは道具で、きまりではありません。いっぱいの棚で子どもが楽しく夢中なら、直すことは何もありません。入れかえが本領を発揮するのは、おもに、選択肢に圧倒されているように見えるとき、棚がごちゃごちゃのとき、すてきな本がただ埋もれているせいで見向きもされないときです。

画面と紙の本について、ひと言

画面が注目を強くうばいあう年齢に、入れかえは紙の本の魅力を保つ助けになります。いちばん小さな子のスクリーンタイムについて、公衆衛生の目安は慎重です。そのひとつの理由は、スワイプしている時間は、本を手にとり、ページをめくり、大人とおはなしを分かちあう時間ではないからです。すっきりして誘いかけるような紙の本の並びは、子どもに手軽で魅力的なもうひとつの選択肢をあげ、多くの家庭がめざしているバランスを支えます。

覚えておきたいこと

大きな本棚はいりません。たいていは、並べるのを小さくすることが必要なのです。よく選んだほどほどの本を入れかえていくと、1冊1冊が気づかれ、また手にとられ、本当に楽しまれます。入れかえは軽くときどきに、子どもの今の夢中についていき、くり返しに静かな仕事をまかせましょう。深い関わりはたいてい、もっと多くの本ではなく、もっとよく見えている少しの本から生まれます。

ポイント: 一度に出す本は少しだけにして、定期的に入れかえる。よく選んだ少しの本が、深く、落ちついた関わりを誘います。

WHO, Guidelines on physical activity, sedentary behaviour and sleep for children under 5

American Academy of Pediatrics, HealthyChildren.org: Reading books with babies