きょうだいで、ひとつのおはなしを楽しむには
赤ちゃんと5歳の子に同時に1冊を読むのは、できない曲芸のように感じられます。下の子はページをつかみ、上の子はたいくつそうで、読むより審判をしているようなもの。でも、いっしょのおはなしの時間は、きょうだいができるいちばんあたたかいことのひとつで、年齢のちがうきょうだいへの読み聞かせは、だれも満足させられないということではありません。ちょっとした工夫で、ひとつのおはなしが本当にふたりを包みこめます。
いっしょのおはなしに、工夫の価値がある理由
いっしょに読むことはきょうだいのいっしょにいる感覚を育て、ひとりより多くの子とのめずらしい、おだやかなつながりのポケットをくれます。実用的でもあります。ふたつ別々のおはなしの時間を、いそがしい夜におさめるのはむずかしいものです。うまくいけば、上の子は仲間に入れてもらえて役に立っていると感じ、下の子はことばと近さを吸収し、大人はふたりとだっこできます。少し計画する価値があります。
ふたりを思いうかべて本を選ぶ
ひみつは本そのものにあることがよくあります。絵のゆたかな絵本は、赤ちゃんが絵とリズムを楽しみ、上の子がおはなしを追えるのでうまくいきます。韻をふむ本やくり返しの本は幅広い年齢を喜ばせ、長めの絵本なら上の子が少し背のびできます。いちばん小さな子にはシンプルな表面、その下にもう少しの深さやユーモアがある、いくつかの層で楽しめるおはなしを探しましょう。
上の子に仕事をあげる
上のきょうだいに役目があると、たいくつはとけていくことがよくあります。本を持つ、ページをめくる、赤ちゃんに絵を指さして教える、動物の鳴き声をする、覚えた一節を「読む」。上の子はたいていお手伝い役が大好きで、ただ聞くことが、能動的な役になります。下の子にとっても読むことのお手本になり、下の子は親の言うことを聞くより、お兄ちゃんお姉ちゃんのまねをするほうがずっと好きです。
ふたりとも夢中でいられる方法
- 大人がふたりに読むあいだ、赤ちゃんには自分用の布の絵本で遊ばせる。
- 下の子には絵の名前を言うために止まり、上の子にはすじを運ぶ。
- 上の子に、赤ちゃんに「これなあに?」と聞いてもらい、どんななんごも喜ぶ。
- 下の子はひざの上に、上の子はぴったりとなりに。
- 落ちつかない小さな手のために、つかめるボードブックを近くにいくつか。
ちがう形の注目を受けいれる
赤ちゃんは幼児のようにすわって聞くことはできず、それでかまいません。下の子ははいはいでどこかへ行き、角をかじり、もどってくるかもしれません。そのあいだも大人の声といっしょのぬくもりを吸収しています。ふたりがぴったりじっとしているかで成功をはからないで。赤ちゃんが近くで楽しくうろうろしていて、上の子が夢中なら、おはなしはうまくいっています。みんなに同じようにすわるよう言いはると、たいてい涙で終わります。
けんかは、やさしく
上の子が大人の注目を分けるのをいやがったり、赤ちゃんがつかむせいで本当にすじがだいなしになったりすることもあります。それぞれにはっきりした役をあげる、本を選ぶ人を交代にする、ときどき別々に読んでだれも損をしたと感じないようにする、などで防げます。「今夜はあなたが選んで、明日は妹ね」のひと言で、たくさんのもめごとが防げます。おはなしの時間をいつもいっしょにする必要はありません。ときには、それぞれと少しずつひとりの時間をとるほうがやさしい答えです。
年の差を、強みに
年の差は、おはなしの時間をだいなしにするどころか、ゆたかにしてくれることがあります。上のきょうだいが赤ちゃんに語ってあげるとき、ことば、根気、思いやりを練習していて、赤ちゃんは熱心なもうひとりの読み手を手に入れます。上の子が下の子にやさしく教え、仲間に入れるよう励ますと、本の外までずっと続くきずなが育ちます。やがて、いっしょの読書が、大人がいなくても子どもたちが自分で選んでするものになる家庭も多いものです。
それぞれに、ひとりの番も
いっしょの読書はすてきですが、それぞれの子に必要な1対1の時間をおしのけてはいけません。できるときは、それぞれの寝る時間などに、短いひとりのおはなしをときどきすべりこませて、どちらも、ふたりいっしょでしか大人と過ごせないと感じないように。その子の年齢と気分にぴったり合わせた本で、数分ひとりの時間をとるだけでも、見てもらえているという気持ちが満たされます。いっしょのおはなしはきょうだいどうしのきずなを、ひとりのおはなしは大人とのきずなを守ります。
発達について、やさしいひと言
いっしょの読書はゆたかでまったく安全なので、いつものちょっとしたもめごと以外に気をつけることはほとんどありません。いつものように、音に反応しない赤ちゃんでも、ことばに苦労している上の子でも、どちらかの子の聞こえ、ことば、理解、発達全体に広い心配があるときは、地域の保健師さんやかかりつけの小児科医に伝えましょう。おはなしの時間は、子どもたちのようすを見る、毎日のすてきな窓です。
覚えておきたいこと
年齢のちがうきょうだいへの読み聞かせは、みんなに同じだけ合う完ぺきな1冊を見つけることではありません。柔軟なおはなしを選び、上の子に意味のある役をあげ、赤ちゃんはくねくねしながらその子なりに聞くと受けいれること。あたたかく、期待は現実的に、いっしょのおはなしの時間を、子どもたちが分かちあうことを覚えるシンプルな楽しみにしましょう。
ポイント: ふたつの層で楽しめる本を選び、上の子にちゃんとした仕事をあげ、赤ちゃんはその子なりに聞けばいい。きれいにそろった注目より、いっしょにいることが大切です。