小さな子との図書館は、現実的に

頭のなかの、おだやかな図書館の情景を思いうかべてみましょう。小さな子は静かに本を見てまわり、大人はその雰囲気を味わい、みんなきれいな本の束を持って帰る。次に、現実を思いうかべてみましょう。たいてい、棚から本を引っぱりだして出口へ突進する小さな人がいます。どちらの絵もふつうです。楽しい外出のコツは、もっとお行儀のいい子ではなく、現実的な期待です。ここで紹介する工夫は、まさにそこを中心につくられています。

「うまくいった」の基準をリセットする

小さな子とのいい図書館通いとは、短くて、だいたい楽しくて、かんしゃくの前に終わるものです。静かではないし、じっくり本を選ぶこともありません。10分か15分いて、2、3冊持って帰るつもりで行けば、ゆったりした1時間を思いえがくより、ずっと気楽にいられます。大人の図書館のイメージではなく、子どもの段階で外出を判断すると、すべてが変わります。

時間をうまく選ぶ

小さな子がいちばん調子がいいのは、おなかが満たされて、休んでいて、お昼寝前でないときです。お昼ごはんの直前や、長い午前のおわりにおしこんだ外出は、困りごとをまねきます。元気なときをねらい、図書館に小さな子向けのわらべうたの会やおはなし会があるか調べてみましょう。自由に見てまわるより、ゆるい目的があって行くほうがうまくいくことがよくあります。時間をうまく選んだ短い外出は、時間の悪い長い外出に、いつでもまさります。

その子のやり方で探らせる

小さな子は体全体で探るので、引っぱる、ぱらぱらめくる、はいはいする、さわる、を予想しておきましょう。子どもの本のコーナーの多くは、低い棚、床のクッション、さわるためのボードブックと、まさにそのためにつくられています。ずっと「しーっ」と直しつづけるのではなく、子どものコーナーのなかを歩きまわらせ、本を引っぱりださせ、手で選ばせましょう。少しの散らかりも関わり方の一部で、たいていの図書館の職員さんは、それを本当に想定しています。

計画はシンプルに

  • わらべうたの会か、2、3冊借りる、というざっくりした目標で行く。
  • まっすぐ子どものコーナーに行き、そこにいる。
  • 本のいくつかは、変わっていても子どもに選ばせる。
  • 外出は短く、いいところで、くずれる前に帰る。
  • 借りるのがすぐすむよう、図書館カードとバッグを持っていく。

借りることも楽しみのうちに

図書館の魔法は、本が来ては帰っていくことで、それは小さな子にぴったりです。本を運ばせ、カウンターや自動貸出機での手続きを手伝わせ、バッグに入れさせましょう。次に返すことが、それだけで小さな習慣になります。借りたものを全部読まなければならないプレッシャーもなく、持って帰ってはずれだった本にもお金はかかりません。その自由も、図書館が小さな子にやさしい理由のひとつです。

むずかしい瞬間は、落ちついて

小さな子が大声を出す、帰りたがらない、ほかの子が持っている本をほしがる、ということもあるでしょう。たいていの図書館の職員さんは何でも見てきていて、子どもコーナーの少しのにぎやかさは気にしません。どうにもならなくなったら、2、3冊すくいあげて帰ってまったくかまいません。長々と続けて涙で終わるより、早く終わる短くていい外出のほうが、長い目で見てずっといいのです。また来ればいいのですから。

習慣はやさしく育てる

はじめのころの外出のねらいは、一晩で完ぺきな本好きを育てることではなく、図書館を、子どもが楽しさと結びつける、なじみのあたたかい場所にすることです。定期的な短い外出が、これをすばらしくかなえてくれます。何か月かで、子どもは流れを覚え、落ちつき、行くのを楽しみにしはじめます。たくさんの本を無料で借りられるので、1冊も買わずに、変わっていく子どもの興味についていけます。

いつもの予定に

すばらしい一回の外出より、なじみのリズムのほうがずっと多くをしてくれます。毎週だいたい同じ曜日に、10分でも行けば、図書館はうまくやらなければならないたまのお出かけではなく、子どものふだんの景色の一部になります。やがて子どもは流れを覚え、職員さんにあいさつし、お気に入りのすみへまっすぐ向かい、ずっと早く落ちつきます。いつも次があるので、1回ごとのプレッシャーもなくなります。短くたびたびの習慣は、たまの大遠征にいつでもまさります。

やさしいひと言

図書館通いはゆたかになるだけのことなので、医学的に心配することはありません。いつものように、子どものことば、聞こえ、理解、新しい場所でのようすに広い心配があるときは、地域の保健師さんやかかりつけの小児科医に聞いてみましょう。そうでなければ、扱うのは大人自身の期待だけで、ハードルを下げることこそが、みんなをまた図書館へ向かわせます。

覚えておきたいこと

小さな子との図書館の工夫は、どれも同じ方向をさしています。短く、時間をうまく選び、手で探らせ、かんしゃくの前に帰ること。楽しく終わるおだやかな10分の外出のほうが、長くピリピリした外出より、ずっと確実に図書館好きの子を育てます。たびたび、短く行って、全部無料だということを楽しみましょう。

ポイント: 小さな子との図書館は、短く、時間を選び、手でさわって。子どもの段階で判断し、いつもいいところで帰りましょう。

NHS, Help your baby learn to talk

American Academy of Pediatrics, HealthyChildren.org: Reading books with toddlers