小さな子が絵本のあいだ、すわっていてくれないとき
ソファをぽんぽんたたいて、すてきな本を開くと、小さな子はもう部屋のはんぶんまで行っている。おはなしの時間が小さなたつまきに読み聞かせているように感じるなら、あなただけではありません。絵本のあいだすわっていない小さな子はとても多く、ほかの子はみんな天使のように聞いていると思いこんで心配になる親もいます。本当は、この年齢で動きたいのはまったくふつうで、答えはほとんどの場合、じっとすわらせることではありません。
むずかしいのは、おはなしではなく、すわっていること
小さな子は動くようにできています。体は歩く、登る、走るを覚えるのにいそがしく、ほんの数分その場にいることさえ、本当にむずかしく感じることがあります。だから絵本のときにすわらないのは、たいていおはなしを拒んでいるのではなく、その子の性質が、読み聞かせはこうあるべきという大人のイメージとぶつかっているだけなのです。じっとしていることを期待するのをやめれば、いらいらのほとんどは消え、今いるところの子どもに会いに行けます。
動きながら、聞いていい
読み聞かせに、ひざやクッションは必要ありません。積み木を積みながら、車を押しながら、部屋を歩きまわりながらでも、ちゃんと聞けます。ことばは届き、絵はふと見たときにそこにあります。すわるのをいやがる子が、そばでうろうろしながら、おはなしをまるごと喜んで吸収していると気づく親はたくさんいます。止まれと言わずに、いそがしい子に読み聞かせを続ければ、たたかわずに、本が子どもの世界にありつづけます。
本を進むペースは、子どもについていく
小さな子は、おはなしを大人のペースで最初から最後まで読んでほしいとはめったに思いません。ページをめくる、好きな絵に飛ぶ、本をばたんととじる。それとたたかうより、ついていきましょう。たどりついたページについて話し、指さしたものの名前を言い、ペースは子どもにまかせて。1ページを2分「読んで」最後までたどりつかないこともありますが、それでもゆたかで楽しいおはなしの時間に数えられます。
うまくいく実用的な方法
- 本はうんと短くして、子どもがあきる前にやめる。
- 読んでいるあいだ、立っても、歩きまわっても、何かで遊んでもいい。
- しかけ、手ざわり、少ないことばの、じょうぶで参加できる本を選ぶ。
- おやつのあとやお風呂のなかなど、落ちついた時間に読む。
- どのページを見るか、どのくらいとどまるかは、子どもについていく。
することがある本を
元気な小さな子は、することをくれる本のほうがずっとよく関わることがよくあります。めくるしかけ、さわるページ、何かを探す、音を出す、動きをするよう誘う本は、読むことを遊びに変えます。おはなしが手と体を使うとき、絵本のときにすわらない子にも、そこにいる理由がふいに生まれます。本が、元気いっぱいのその子のやり方に合わせてくれたからです。
動いている時間に、おはなしを織りこむ
すわることがつまずきなら、おはなしを、子どもがもういる場所へ持っていきましょう。お散歩で、ベビーカーで、お風呂で、水たまりでぱしゃぱしゃしているあいだに語る。ブランコを押しながら、ことばあそびの本をそらで暗唱する。おはなしにいすはいりません。ソファでのきちんとしたおはなしをいやがる小さな子も、もう楽しんでいる遊びに織りこまれたおはなしは大好きかもしれません。
気分は軽く、また試す
いちばん大切なのは、本をいつも楽しみのままにして、決してたたかいにしないことです。気分がのらなければ、明るく本をとじて、またあとで。いやがる子を無理にすわらせると、読むことは仕事だと教えてしまい、望んでいることの正反対です。短く、前向きで、プレッシャーのない瞬間をたびたびさしだすほうが、どれだけ言いはるより確実に本好きを育てます。
大人が楽しむ姿を見せる
小さな子は、言われたことより見たことをずっとよくまねします。大人が本を楽しみ、絵に笑い、ひと息つくためにおはなしに手をのばす姿を見ると、本は自分で選ぶ価値のある楽しみなんだと吸収します。見せびらかす必要はありません。本をまわりに置き、ときどき自分でも手にとり、読むことを大人が大切にしていると見せるだけで、種がまかれ、くねくねの時期を過ぎたずっとあとに芽を出すことがよくあります。
確かめておきたいとき
絵本のあいだすわらない小さな子は、ほとんどいつも、ただのふつうのいそがしい小さな子です。それでも、楽しいはずのほとんど何にも集中できないように見える、絵や大人の声にほとんど興味を示さない、よく聞こえていないように見える、ことばや発達に広い心配がある、という場合は、地域の保健師さんやかかりつけの小児科医に伝えるのが賢明です。聞こえの検査もふくめたかんたんな確認で、安心できたり、必要なら早めの支えを手配してもらえたりします。
覚えておきたいこと
絵本のあいだすわらないのは、健やかで元気な子のしるしで、読むことの問題ではありません。動いてもいいことにして、ペースについていき、参加できる本に手をのばし、もう楽しんでいる瞬間におはなしを持っていきましょう。毎回短くあたたかく、楽しくなくなったらすぐにやめて。本好きは楽しさを通して育ち、くねくねの小さな子も、まちがいなく本好きの子になれます。
ポイント: すわらない小さな子はふつう。動いてもいいことにして、ペースについていき、手を使う本を選び、どのおはなしも短く、あたたかく、プレッシャーなしで。
American Academy of Pediatrics, HealthyChildren.org: Reading books with toddlers