1歳から5歳まで、ことばはどう育っていく?
1歳ではじめての「まんま」、2歳で「ママ、きて」、3歳で「なんで?」の嵐、5歳ではすっかりおしゃべり。ことばの育ちは、見ていて本当に楽しいものです。でも同時に、「うちの子は順調?」と気になる場面も。まずは、伝える力のすべての面を見わたしてみましょう。ことばの数だけでなく、理解、しぐさ、声、発音、遊び、やりとりをふくめて見ること、言わせるのではなく、ふだんの姿を知り、必要なときに評価につなげることが大切です。
ひと言でいうと
覚えておきたいのは、伝える力はことばの数だけでは決まらないということ。理解、しぐさ、声、発音、遊び、やりとりをまとめて見ます。上手に言わせる必要はなく、ふだんのやりとりを知り、成長や聞こえ、保護者の心配があれば相談につなげればいいのです。
実際にはどうするか
年齢ごとの目安は、合格か不合格かの期限ではなく、観察のきっかけとして使いましょう。聞こえ、人とのやりとり、体の発達、発達全体の様子のすべてが関係します。しっかりできていた力がなくなったときは、いつまでも様子を見るのではなく、すぐに相談しましょう。
はじめに見ておきたいこと
まず、子どもの「わかる」「言える」、そして伝わったときとつまずいたときの姿を書いてみましょう。しぐさ、遊び、発音、なめらかさ、家庭で使うすべてのことば、失われた力があればそれも。ネットの厳密な基準で「不合格」になるのを待つ必要はありません。相談は、役に立つ情報を集めるためのものです。
ことばの育ちの見守りかた
- 伝える力の、すべての面を見わたしましょう。
- ふだんの遊びの中で、自然に出る力を見ましょう。
- 発達の目安は、観察のきっかけとして使いましょう。
- できていた力がなくなったら、すぐに動きましょう。
まずはふだんの日々の中で「伝える力のすべての面を見わたす」と「ふだんの遊びの中で自然に出る力を見る」を続け、具体的な例を小児科や言語聴覚士に持っていきましょう。相談が進む間もやりとりは楽しく続けますが、家での練習を、聞こえや発達の確認の代わりにはしないでください。
4つのステップのつながり
最初は「伝える力のすべての面を見わたす」。次に「ふだんの遊びの中で自然に出る力を見る」、そして「発達の目安は、観察のきっかけとして使う」。最後に「できていた力がなくなったら、すぐに動く」です。子どものこたえをそのまま受けとめ、役に立つ次の一歩をお手本として1つ見せましょう。言ってみせてと求める必要はありません。
家族や保育園と、そろえておくこと
まわりの大人とは、「伝える力のすべての面を見わたす」と「ふだんの遊びの中で自然に出る力を見る」の2つを共有しておくと安心です。言いかたまでそろえなくてもかまいません。子どもにとって見覚えのあるこたえが返ってくることが大事です。ことばが育つ途中は、しぐさも、家庭のどのことばも、ちゃんと数えましょう。
しばらく続けて、ふり返る
1日だけの、いつもよりうまくいった日や大変だった日で判断せず、ふだんの何回かの場面で最初のステップを試してみましょう。どんな状況だったか、子どもがどうこたえたか、家族の暮らしにどう影響したかを、プレッシャーにならない程度に短くメモします。
ふり返りでは、3つめのステップの様子と見くらべます。安全に、わかりやすく参加できるようになったことは残し、家族の負担が大きいことは簡単にして、変化は1回に1つずつ。体調、安全、発達の心配があるときは、評価を先にしてください。
大人にできること、できないこと
大人の役割は、よく見て、こたえて、専門家につなげること。診断名を選ぶことや、練習量で差を必ずうめることはできません。発音、ことば、聞こえ、人とかかわる力は互いに影響し合うため、全体像を見る評価が役立ちます。
安全と、子どもの尊厳を守る
後戻り、聞こえの心配、強いいらだち、進まない伝える力。これらがあれば、ためらわず専門家につなげます。人前でクイズを出す、言わせる、話すまで必要なものを渡さない、といった方法は使わないでください。様子を見きわめる間も、尊厳を守る支援を。
うまくいかなくなる理由
よくあるつまずきは、いつのまにか質問攻めになる、言わせようとする、はっきりしたしぐさを受けとらないふりをする、伸びが止まっても様子見を続ける、の4つです。日々のやりとりも専門家の評価も、子どもにとってのテストではありません。
前進のしるし
前進は、理解、しぐさ、声、単語、二語文、発音、参加のどれにもあらわれます。1回のテストではなく、ふだんの様子で数えましょう。ひとつの面が伸びても、ほかの面の心配が続いているなら、それはそれとして見ていく必要があります。
メモには、何回言えたかだけでなく、どんな状況で、どう参加したかも残しておきます。後で判断するとき、うながした結果ではなく、ふだんの姿にもとづいて考えられるからです。
専門家に相談したいとき
わかる力、話す力、発音のはっきりさ、話しかたのなめらかさ、人とのやりとりが伸びていない、聞こえがはっきりしない、いらだちが強い、できていたことができなくなった、といったときは、小児科や言語聴覚士に相談しましょう。診断名や、はっきり基準に届かなかった証拠がなくても相談してかまいません。評価は、子どもが使うすべてのことばをふまえて行われるべきです。
覚えておきたいこと
完璧に従う子どもも、完璧な毎日も、目標ではありません。最初の一歩を出発点に、つながりと安全を大切にし、時間をかけた変化の方向を見て、一般的なアドバイスで答えが出ないときは、その子に合った専門家の評価を受けましょう。
ポイント: まず「伝える力のすべての面を見わたす」から。無理なく続けられる形にして、何が変わるかを見直しましょう。
ASHA, Communication milestones