1歳半の子は、いくつくらいことばを話す?
1歳6か月健診の問診票に「意味のあることばをいくつ話しますか」。思わず指を折って数え、少ない気がして不安になる保護者は少なくありません。まずは、家庭で使うすべてのことばで、意味のあることばを数えてみましょう。ことばの数は、伝える力の一部です。理解、しぐさ、声、発音、遊び、やりとりもふくめて見ること。言わせるのではなく、ふだんの姿を知り、成長、聞こえ、保護者の心配から必要なときに評価につなげることが大切です。
ひと言でいうと
1歳半のことばの数は、伝える力のほんの一部です。いつも同じように使う「それらしいことば」や、家庭で使うすべてのことばを数に入れ、そのうえで、理解、指さし、見せる、まね、同じものをいっしょに見る力、新しく言おうとすることが出てきているかも見ましょう。
実際にはどうするか
子どもに何度も言わせて確かめたり、ネットの正確な数字に届かないことを確かめてから相談しようとしたりしないでください。小児科医や言語聴覚士は、子ども全体を見て、話しことばが少ないときや成長がはっきりしないときは、聞こえの検査も手配してくれます。
はじめに見ておきたいこと
わかること、言えること、伝わる場面とつまずく場面。しぐさ、遊び、発音の聞きとりやすさ、話のなめらかさ、家で使うどのことばも、できなくなったこともふくめて、具体的にメモしておきましょう。専門家に相談するのは、ネットに書かれた基準に届かないのを待つためではなく、客観的な材料をそろえるためです。
1歳半のことばの見かた
- 家庭のすべてのことばで、意味のあることばを数えましょう。
- いつも同じように使う「それらしいことば」も、数に入れましょう。
- しぐさ、理解、同じものをいっしょに見る力にも目を向けましょう。
- 心配なときは、聞こえとことばの確認を頼みましょう。
いつもの毎日で「家庭のすべてのことばで、意味のあることばを数える」と「いつも同じように使う「それらしいことば」も入れる」を続け、例を集めたら、小児科や言語聴覚士のところへ。相談中も、子どもにこたえるやりとりは続けましょう。ただ、家での練習を、聞こえや発達のチェックの代わりにしないことが大切です。
4つのステップのつながり
はじめに「家庭のすべてのことばで、意味のあることばを数える」、次に「いつも同じように使う「それらしいことば」も入れる」、その次に「しぐさ、理解、同じものをいっしょに見る力を見る」、最後に「心配なときは、聞こえとことばの確認を頼む」。子どものこたえをありのまま受けとり、役立つ次のことばや動きをひとつ見せるだけで十分です。言ってみせることは求めません。
家族や保育園と、そろえておくこと
家族や保育園とは、最初のふたつ、「家庭のすべてのことばで、意味のあることばを数える」と「いつも同じように使う「それらしいことば」も入れる」をそろえておきましょう。大人みんなが同じことばを使う必要はありませんが、子どもがわかりやすいこたえが返ってくるようにします。話すことばが育つ間は、どの大人も、しぐさと家庭で使うすべてのことばを数に入れましょう。
しばらく続けて、ふり返る
いつもの暮らしの中で、何回か最初のステップを試してみましょう。特別な1日で判断しないのがコツです。状況、子どものこたえ、家族の回しやすさを、短く記録しておきます。記録が負担になっては本末転倒です。
見直すときは、3つめのステップでの様子とくらべてみましょう。参加しやすくなった、わかりやすくなったことは続け、家族が続けられないことはシンプルにし、変えるのは一度に1つだけ。ただし、健康、安全、発達の心配があるなら、先に専門家の評価を受けましょう。
大人にできること、できないこと
観察すること、こたえること、専門家につなぐこと。ここまでが大人にできることです。診断を決めておくことも、ドリルを増やせば差が縮まると保証することもできません。発音、ことば、聞こえ、やりとりの力は重なるので、全体をとらえる評価が大切です。
安全と、子どもの尊厳を守る
できていた力が消えた、聞こえがあやしい、いらだちが強い、伝える力が伸びない。そんなときは、すぐに専門家へ。人前でのテスト、強制的なくり返し、ことばと引きかえの要求は避けましょう。状況がはっきりするまでの支援も、子どもの伝える力と尊厳を守るものに。
うまくいかなくなる理由
工夫をじゃましやすいのは、問題を出すほうが会話より多くなること、くり返しを要求すること、伝わっているしぐさを無視すること、伸びが止まっても待ちすぎること。こたえるやりとりと専門家の評価はそれぞれ別の仕事で、どちらも発表会にしないでください。
前進のしるし
数えるのは、言わせてみた1回ではなく、自然な理解、しぐさ、声、ことば、ことばの組み合わせ、聞きとりやすさ、参加の様子です。どこかが伸びたことは大事な情報ですが、別の面の心配がなくなったことにはなりません。
短いメモには、回数だけでなく、どんな場面でどう参加したかも書いておきましょう。そうすれば、あとで何かを決めるとき、言わせたテストではなく、ふだんのコミュニケーションをもとに考えられます。
専門家に相談したいとき
小児科や言語聴覚士に相談したいのは、理解、表現、発音、なめらかさ、人とのかかわりが進まないとき、聞こえがはっきりしないとき、いらだちが大きいとき、できていた力がなくなったときです。相談の前に診断や基準の確認はいりません。評価は、子どものすべてのことばをふまえて行われるべきです。
覚えておきたいこと
目指すのは、言うことをよく聞く子でも、完璧な家の日課でもありません。最初の一歩からはじめて、つながりと安全を守り、時間をかけて向かう方向を見守り、一般的な情報ではわからないときは、その子のための専門家の評価を活用しましょう。
ポイント: はじめは「家庭のすべてのことばで、意味のあることばを数える」。続けられる形にして、どう変わったかを見直しましょう。
ASHA, Communication milestones