6歳の子の本の選び方
6歳は曲がり角です。自分で文字を読むことを覚え、一文字ずつ拾い読みしながら自信をつけていく一方で、読んでもらうのも、長めのおはなしを聞くのもまだ大好き。6歳の子の本をうまく選ぶには、両方の面にこたえる必要があります。力をつけるためにひとりで読める本と、おはなし好きの気持ちを生かしつづける、いっしょに読むゆたかな本です。
6歳のふたつの読み方
6歳の子は、ふたつの読む世界に同時に住んでいます。ひとつでは、文字を読みといています。文字と音を合わせ、つなげてことばにし、かんたんな文を自分で読む。これは力のいることで、成功できるよう今のレベルに合った本が必要です。もうひとつでは、まだ聞き手で、ひとりでは決して読めないほど複雑なおはなしを、読み聞かせなら楽しめます。
どちらも大切です。練習用の本だけだと、読むことが仕事のように感じられるかもしれません。読み聞かせだけだと、必要な練習がたりません。いい答えは両方をすること、そして子どもの頭のなかで、ふたつをはっきり分けておくことです。
ひとりで読む本
6歳の子がひとりで練習する本を選ぶときは、こんな本を探しましょう。
- 読む力に合った文で、ほとんどのことばが手の届く範囲にある。
- 短い章や区切りがあり、進んでいる感じとやりとげた気持ちがある。
- ことばを支え、楽しさを保つ、たっぷりの絵。
- うまく読めるよう助けてくれる、くり返しや予想できることば。
- むずかしいところを乗りこえる力になる、大好きな題材。
幼年童話のシリーズやかんたんなまんがは、ここでとても役立ちます。とくにまんがは読むのが苦手な子を引きこみ、まんがを読むことも立派な読書です。かんたんな本のくり返しも読ませてあげましょう。すらすら読める力は、心地よく感じられる本を何度も何度も読むことから生まれます。
いっしょに読む本
子どもが少し自分で読めるようになっても、読み聞かせは続けましょう。いっしょに読む本はずっと長く、ゆたかにできます。はじめての章のある本、長めの絵本、おもしろいおはなし、冒険、やさしいなぞとき。いっしょに読むことで語彙が育ち、想像力に栄養がいき、拾い読みの練習のその先にどんなごほうびが待っているかを子どもに見せられます。
長めの本を何晩もかけて1章ずつ読みはじめるのにも、すてきな年齢です。「次はどうなるの?」のはらはらがおはなしへの本気の食いつきを育て、ふたりで話せる世界をくれます。
興味についていき、視野を広げる
6歳の子は強い夢中をもっていることがよくあります。動物、サッカー、宇宙、妖精、だじゃれ、想像できるかぎりいちばん気持ちわるいものの豆知識。おはなしと図鑑の両方でえさをあげましょう。物語には手をつけない子が、すごい豆知識の本はむさぼるように読むかもしれず、それも読書です。同時に、いろいろな家族や文化を描いた本もふくめ、新しい題材や登場人物をやさしくさしだして、子どもの世界を広げつづけましょう。
なぞなぞの本、詩、図鑑、どれも立派な読書です。めざすのは、いつも心をつかむものが見つかる、幅広い読書の食事です。
テストではなく、楽しいままに
6歳の子に読むことをきらいにさせるいちばんの近道は、どの本も評価される発表にすることです。子どもが読んでくれるときは、あたたかい聞き手に。むずかしいことばは、苦しませずに手伝い、がんばりをほめ、疲れきる前にやめましょう。大人が読むときは、テストすることは何もありません。いっしょに楽しむおはなしがあるだけです。
図書館でも家でも、自分の本をたくさん選ばせましょう。自分のものという気持ちがやる気を動かし、自分で選んだ本は、かんたんでも変わっていても、楽しんで最後まで読まれる可能性がずっと高いのです。
よくあるつまずき
同じクラスの子と比べることは、よくある心配のもとです。読めるようになる年齢には大きな幅があり、ゆっくりのスタートは将来の判定ではありません。先を急ぐより、楽しさと着実な練習に目を向けましょう。
読み聞かせを早くやめすぎるのも、よくあるつまずきです。読んでもらうことは、ひとりで読めるようになったずっとあとも価値があるので、いっしょのおはなしは続けましょう。
相談したほうがいいとき
読めるようになる道のりはでこぼこで、最初はむずかしく感じる6歳の子もたくさんいます。支えがあっても1年をとおして読むことがほとんど進まない、読むことをいつも避けたりひどくつらがったりする、はっきり聞こえていない、見えていないように見える、ことばや注意に広く心配がある、という場合は、学校の先生やかかりつけの小児科医に相談しましょう。こうした相談が確認や助けへの扉を開き、早めに始めるのは大げさではなく、いつでも筋のとおったことです。
覚えておきたいこと
6歳の子の本は、ふたつの流れで。力をつけるためにひとりで読める、かんたんでやる気の出る本と、魔法を生かしつづけるためにいっしょに読むゆたかなおはなし。夢中についていき、物語に図鑑、なぞなぞ、まんがをまぜ、本当に選べる自由を。そして何より、楽しさを守りましょう。読むことはまだ楽しいと思っている6歳の子は、どんどんじょうずになっていきます。それこそが望んでいることです。
ポイント: 6歳には、ひとりで読めるかんたんな本と、いっしょに読むゆたかなおはなしの両方を。興味についていき、読むことはテストではなく楽しみに。