「次はどうなる?」おはなしの先を予想する力を育てる

「次はどうなると思う?」は、本をはさんでかけられる、いちばん力のある問いかけのひとつで、お金もかかりません。ページをめくる前に止まってふしぎがると、子どもはただ聞く人から、自分で考える人に変わります。おはなしの先を予想させるのは、理解する力、筋道を立てて考える力、ことばを、いっぺんに静かに育てるシンプルな習慣です。

予想することが大切な理由

予想とは、手がかりを使って先を考えることです。次に来るものを当てるには、おはなしを頭にとどめ、ここまでに何があったかに気づき、絵とパターンを使って、ありそうなことを考える必要があります。それは理解そのものの働きで、ことばを聞くだけでなく、わかって、先回りしているのです。

読むこともぐっと楽しくなります。おはなしが「どうなる、どうなる」のふたりのゲームになり、ページをめくって答えがわかるごほうびが子どもを夢中にさせつづけます。こうした好奇心こそ、一生の本好きのエンジンです。

なじみの本、くり返しのある本から

いちばんかんたんな始め方は、子どもがもうよく知っている本か、くり返しのはっきりした本です。「ねこさん、いぬさん、うしさん……」と進むおはなしなら、子どもはリズムを感じて次の動物を当てられます。ページをめくる前に止まって、「次はだれが来ると思う?」。大好きな本なら答えを知っていて、見せるのが大好きなので、予想する自信がつきます。

韻をふむ本、ことばあそびの本も役立ちます。音がそろうことばの直前で止まり、子どもにうめてもらいましょう。当たるととてもうれしく、音とおはなしという手がかりを使って予想することを教えます。

いい場面で、いい問いかけを

問いかけは、ひっきりなしではなく、いい場所にいくつかちりばめましょう。読みはじめる前に表紙を見て「どんなおはなしだと思う?」、はらはらする場面で「このあと、くまさんはどうするかな?」、おわりの近くで「どうやっておわると思う?」。そんなふうに、ここぞというところで。

理由をやさしく聞いてみましょう。「どうしてそう思ったの?」。当たるかどうかより理由のほうが大切です。説明するところで、より深く考えているからです。

はずれた予想も歓迎する

予想はいい推理で、正解のあるテストではないので、どの予想も大切に扱いましょう。子どもが、りゅうが騎士を食べちゃうと予想したのに、ふたりが友だちになったら、その驚きこそ楽しく、学びになります。「わあ、わたしもそう思った。見てみよう。あ、友だちになった。びっくりだね」。はずれて、それを知ることも楽しさの一部で、おはなしはどんでん返しがあると子どもに教えます。

正解ばかりを求めると、まちがうくらいならと口をとざす子もいます。気楽に、何も賭けない遊びにしておけば、子どもは自由にアイデアを出しつづけます。

いっしょに予想を確かめる

予想したら、ページをめくって見てみましょう。予想して、確かめる。この小さなくり返しが、この力の中心です。「箱のなかは子いぬだって言ってたね。見てみよう。子ねこだ。おしい」。予想と実際に起きたことを比べると、次に手がかりをどう読むかが整い、おはなしに参加している満足感もえられます。

知らない新しい本は予想がむずかしいぶん、力がのびます。長めのおはなしなら、章のおわりで止まって、明日はどうなるかふしぎがってみるのもいいでしょう。

ふだんの読み聞かせのなかに

特別な時間はいりません。1冊に1回の「次はどうなる?」でじゅうぶんで、もういっしょに読んでいるおはなしにしぜんにおさまります。やがて子どもは、うながさなくても予想しはじめ、来ると思うことを先に口にするようになります。それこそがねらいです。同じ力は本の外でも使えます。お気に入りの動画やわらべうたを止めて、声に出してふしぎがってみましょう。

よくあるつまずき

聞きすぎるのがいちばんの落とし穴です。毎ページ予想で止まると、おはなしが止まり、楽しさがうすれます。いい場面をふたつほど選んで、あとは流れにまかせましょう。

強く直しすぎるのも、わなのひとつ。予想は推理なので、失敗はありません。考えたことをほめ、驚きを楽しみ、気楽な雰囲気を保てば、子どもは声に出してふしぎがりつづけます。

相談したほうがいいとき

予想する力はゆっくり育ち、小さな子はいちばんかんたんな推理しかできませんが、それはまったくふつうです。全体として、年齢から考えてわかるはずのかんたんなおはなしのすじについていくのがむずかしい、ことばが思うように育っていない、本がはっきり聞こえていない、見えていないように見える、という場合は、地域の保健師さん、かかりつけの小児科医、園の先生に話してみましょう。これらは発達の一般的な目安で、警報ではなく、やさしく伝えています。

覚えておきたいこと

おはなしの先を予想させるには、なじみの本やくり返しのある本から始め、いい場面で止まって声に出してふしぎがり、どの予想も歓迎して、ページをめくっていっしょに確かめましょう。テストではなく遊びに。この小さな習慣が、読むことを自分で考えることに変え、一生ページをめくりつづける好奇心を子どもに味わわせてくれます。

ポイント: ページをめくる前に「次はどうなる?」と聞き、どの予想もいい挑戦として受けとめ、いっしょに確かめる。読むことが、好奇心いっぱいの考える時間になります。

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NHS, Learning to talk (Start for Life)