毎日10分、家族の読み聞かせを習慣にするには

本好きな子に育てるのに、1時間も、静かな家も、完ぺきな流れもいりません。ほとんどの日に1日10分。それが何か月、何年と積みかさなると、とても大きな力になります。このガイドのねらいは、実際のいそがしい暮らしに合い、新年の目標が色あせたずっとあとも続く、毎日10分の家族の読み聞かせの習慣をつくる手助けです。

10分でじゅうぶんな理由

大きくたまにより、小さくいつも。毎日の短いおはなしは、1年で何時間もの読み聞かせになり、子どものことば、集中力、本好きを育てるのは長さではなく、続くことです。10分ならほとんどどんな日でもできるのも大切なところ。疲れた夜でも続けられる習慣は、水曜にはあきらめてしまう張りきった計画より、ずっと価値があります。

同じくらい大切なのは、毎日のおはなしが、子どもとの、おだやかでまるごとの注目のポケットになることです。そのくっつきぶりも読むことを心地よくする理由のひとつで、心地よさこそが子どもを本にもどってこさせます。

もうしていることにくっつける

毎日10分を続けるいちばんかんたんな方法は、今ある習慣に読み聞かせをくっつけることです。そうすれば意志の力ではなく、しぜんに起きるようになります。しぜんな時間を選びましょう。

  • 寝る前。定番の落ちつきの時間で、おだやかで予想できます。
  • 朝ごはんのあとや登園前。朝のほうがおだやかなら。
  • 夕ごはんのあと、寝る前のあわただしさの前に。
  • お風呂のなか。ふける本で、そこがいちばん静かな時間なら。

毎日の流れに読み聞かせを結びつければ、覚えておく必要も、決める必要もなくなります。「歯みがきのあとは絵本」が、歯みがきと同じように、ただそうなるものになります。

ハードルは低く

新しい習慣をこわすいちばんの近道は、基準を高くしすぎることです。10分は目標ではなく上限。2分でボードブック1冊の日もあり、それでも立派な1回です。理想の静かな時間を待たないで。たいてい来ません。にぎやかな台所でのさっとしたおはなしは、いつまでも来ない完ぺきなおはなしよりずっといいのです。

本を最後まで読む、「ちゃんと」読む、決まった量を読む、は手放しましょう。たいへんな日は、短いおはなし1冊か、子どもがなじみのおはなしを語りなおすだけでも、続けた日に数えられます。1回ごとの質より、習慣を守ることのほうが大切です。

子どものほうから引っぱってくるものに

習慣は、子どもがほしがるときにいちばん定着するので、10分を仕事ではなく楽しみに。

  • 同じ本でも、子どもに選ばせる。
  • 声色を使い、くっついて、あたたかくゆっくりと。
  • 子どもの興味についていき、大好きな本を。
  • まだ楽しいうちにやめて、明日を楽しみに残す。

読み聞かせが一日のなかの、ぬくぬくしてつながった時間になると、子どもがせがみはじめます。習慣が根づいた、いちばん確かなしるしです。

本はあちこちに

習慣をこわすのは面倒さです。手間ゼロで始められるほど、本を手の届くところに置きましょう。ベッドのそばにかご、リビングに何冊か、車にいくつか、待合室や行列のためにかばんに1冊。決めた時間にいつも本が手の届くところにあれば、10分はほとんどひとりでに始まります。定期的に図書館に行けば中身が新しくなり、どちらもあきません。

読む人は、みんなで分けあう

習慣は、ひとりの親にかかっているわけではありません。交代で、パートナー、おじいちゃんおばあちゃん、上のきょうだいにも入ってもらえば、大人がくたくたのときや留守のときも読み聞かせは続きます。子どもはいろいろな声でおはなしを聞くのが好きで、分けあうことで10分を長く続けられます。どの大人にも元気がない日は、朗読の音声や、子どもが絵を「読む」ことでも、本は一日の一部のままです。

よくあるつまずき

読み聞かせの習慣がくずれるいちばんの理由は、目標が高すぎることです。毎晩3冊と心に決めると、最初のいそがしい夜にだめだったと感じてしまいます。自分に約束するのは10分だけ。それ以上はおまけにしましょう。

もうひとつのわなは、全部か無かの考え方です。1日ぬけても、そうさせなければ習慣はこわれません。罪悪感なしに一晩休み、また明日始めればいいのです。大切なのは何週間、何か月と続くことで、完ぺきな連続記録ではありません。

相談したほうがいいとき

読み聞かせの習慣は、流れとつながりのことなので、習慣そのものに医学的な危険信号はありません。いつものように、もっと広い心配、たとえば長いあいだ本にまったく興味を示さない、ことばが思うように育っていない、おはなしがはっきり聞こえていない、見えていないように見える、という場合は、地域の保健師さんやかかりつけの小児科医に伝えましょう。これらは発達の一般的な目安で、警報ではなく、やさしい目安として伝えています。

覚えておきたいこと

毎日10分の家族の読み聞かせを習慣にするには、もうしていることにくっつけ、いちばんたいへんな日でもできるくらいハードルを低くし、あたたかく子どもが主役にして、本をあちこちに置くこと。読む人をみんなで分けあい、たまに休んだ夜はゆるしましょう。急がない1日10分を何年も続けることは、子どもの読む力と親子のきずなのために、いちばん力があって、いちばん手の届くことのひとつです。

ポイント: 読み聞かせを毎日の流れにくっつけ、できる範囲のあたたかい10分にして、休んだ日はゆるす。本好きを育てるのは、時間をかけて続けることです。

AAP HealthyChildren, Reading Books With Babies

NHS, Help your baby learn to talk