年齢のちがう子が、いっしょに楽しめる音楽と体の遊び
年齢のちがう子と同時に遊ぶのは、おなじみの曲芸です。5歳の子がわくわくすることは赤ちゃんにはたいくつか、刺激が強すぎる。小さな子に合うことは、上の子には赤ちゃんっぽく感じられる。音楽と体の遊びは、このパズルのかなりの部分を解いてくれます。うまく選んだ遊びなら、みんなが同じ楽しい遊びのなかで自分のレベルで加われて、だれも取り残されず、大人が3つの遊びを同時に回す必要もありません。
音楽が年齢のちがいに合う理由
音楽はもともと柔軟です。ひとつの歌が、ひざの上でぴょんぴょんする赤ちゃん、手遊びをする小さな子、リードしたり自分なりのひねりを足したりする上の子を、まとめて包みこめます。みんなが同じやり方でなくていいのです。その組みこまれた合わせやすさこそ、年齢のちがう遊びに必要なもので、いちばん小さい子といちばん大きい子がひとつの遊びを分かちあいながら、それぞれが年齢に合ったものを受けとれます。いっしょの歌が、みんなの共通の場所になります。
年齢をこえてのびる遊び
いちばんいい遊びには、どの段階にも場所があります。
- 音楽が止まったらストップ。赤ちゃんは抱っこでゆらゆら、小さな子はぐらぐらストップ、上の子はむずかしい形でキープ。
- リーダーについて。順番にリーダーになって動きをつくり、みんなが自分にできる形でまねする。
- 音楽に合わせて動いて止まる像遊び。止まることはどの年齢にも合います。
- 楽器や手づくりマラカスでの家族バンド。それぞれが自分のやり方で演奏。
- まねっこリズム。小さい子にはかんたん、大きい子にはむずかしめのパターンで。
こうした遊びなら、ひとつの遊びが本当にみんなに合います。
上の子に役割を
上の子は、すぐに遊びが自分には子どもっぽいと感じてしまうので、大事に思える仕事をまかせましょう。動きを考えるリーダー、音楽を止めて「ストップ」を言う係、下の子にやり方を見せる手伝い係。責任をまかされると上の子は夢中のままで、大人の味方になり、小さい子たちには大好きなお手本ができます。みんなにとっていいことです。
いちばん小さい子を守る
上の子のために遊びを上にのばしながら、いちばん小さい子は安全に、仲間に入れたままに。くるくる回るきょうだいにぶつからず、楽しさが見えるところに赤ちゃんを抱くかすわらせ、音楽は小さな耳にやさしい音量で、そばの動きがあらっぽくなりすぎないように。赤ちゃんは多くをしなくても仲間です。ひざの上ではずんで、遊びを見ているのも立派な参加で、喜びのまんなかにいることこそが大切です。
ペースと元気を整える
年齢のちがう遊びはめちゃくちゃになりがちなので、少し形をつくると助けになります。元気な遊びとおだやかな遊びを交互にすれば、上の子は元気を発散でき、赤ちゃんはやさしくのびのびできます。小さい子が圧倒されていないか、上の子があらっぽくなりすぎていないか見て、遊びをそれに合わせて。「速い遊び、それからゆっくりの遊び」という決まったリズムがあれば、みんなほどよく落ちついたままで、涙で終わるほど盛りあがりすぎません。
ひとりひとりを輝かせる
年齢のちがう遊びでの公平さは、みんなが同じことをすることより、みんなに出番があることです。上の子にはかっこいい動きを見せてもらい、小さな子には次の歌を選んでもらい、赤ちゃんには手をふったりはずんだりしたら拍手を。自分にできることを見てもらえるとそれぞれが感じると、いつものきょうだいのぶつかりあいがやわらぎ、遊びは競いあうものではなく、いっしょにつくるものになります。みんなに配られる大人の注目が、のりの役目をしてくれます。
大人がらくをする
完ぺきなプログラムを指揮する必要はありません。たよれる遊びをいくつかポケットにしのばせ、ひとつ始めて流れにまかせ、興味が落ちたら切りかえられるようにしておきましょう。長く大がかりより、短くたびたび。楽しいめちゃくちゃになっても、それはたいていうまくいっているしるしです。めざすのはいっしょの楽しさと少しの体の動きで、みごとな流れではないので、自分を責めなくていいのです。
発達について、やさしいひと言
どの年齢の子も自分のペースで育ち、年齢のちがう遊びではそのちがいがはっきり見えますが、それはふつうのことで、たがいに比べるものではありません。音楽と体の動きは、その子たちに共通の場所をくれるだけです。時間がたっても音や音楽に反応しない、大人の声が聞こえていないように見える、年齢から考えて動いたりやりとりしたりしない、できていたことができなくなった、という子がいたら、地域の保健師さんやかかりつけの小児科医に伝えましょう。
覚えておきたいこと
ひとりひとりが自分のやり方で加われるようにすれば、ひとつの歌が、幅広い年齢をまとめて包めます。柔軟な遊びを選び、上の子にちゃんとした役割を、いちばん小さい子は楽しさのまんなかで安全に、元気とおだやかのバランスを。ひとつのいっしょの遊び、もっと楽しそうな子どもたち、そしてずっと少ない曲芸が手に入ります。
ポイント: 柔軟な音楽遊びを選び、上の子にはリーダー役を、いちばん小さい子は安全に楽しさのなかへ。ひとつの遊びが、どの年齢にも合います。
WHO, Guidelines on physical activity, sedentary behaviour and sleep for children under five