はずかしがりやの子のための、ダンス遊び

観客が大好きな子もいれば、見られていると感じたとたん固まってしまい、人前でおどるなんて考えられない子もいます。お子さまがそうなら、答えはスポットライトの下へ誘いだすことではなく、音楽に合わせて動くことを、ないしょで、気楽で、安心なものにすることです。はずかしがりやの子に合うダンス遊びがうまくいくのは、まさにプレッシャーをはずし、自信がその子のペースで育つようにするからです。

はずかしさが何をしているのか

はずかしがりやは直すべき問題ではなく、気質で、とても愛らしいものであることも多いのです。慎重な子は、よく見ていて、思慮深く、感じる心がゆたかなことがよくあります。おどるのをためらうとき、たいていは、見られることやまちがえることへの本当の心配と向きあっています。強く押すと、そのこわさを確かなものにしてしまいがち。助けになるのは、観客をなくし、かかっているものを小さくし、だれにも判定されなければ音楽に合わせて動くのは楽しいと気づかせることです。

だれも見ていないところから

いちばんシンプルな変化が、いちばん効くことがよくあります。きょうだいも、お客さんも、スマホの録画もない、ふたりきりのときにおどりましょう。明かりを落として、ドアをしめて、ふたりだけのないしょの時間に。パーティーでは決しておどらない子も、見られていないと感じるとき、親と台所でうれしそうにくるくる回ることがよくあります。そのないしょの練習が自信をたくわえ、いつか自分のタイミングで、決して求められてではなく、使えるようになります。

向かいあわず、となりで動く

子どもと向かいあって「まねして」と言うと、発表のように感じられることがあります。となりに立つかすわって、大人は大人で好きに動くと、それはいっしょにいる感じになります。プレッシャーの少ないやり方を試してみましょう。

  • 同じ方向を向いて横に並んでおどる。大人の前にさらされずにすみます。
  • ふたりでスカーフやリボンをふる。動くのは子どもではなく布です。
  • 最初はすわったまま、手と肩だけでおどる。
  • 毛布の下にかくれて、拍に合わせてばあっと出てくる。いつ出るかは自分で決められます。

スカーフはとくにやさしい方法です。注目が体ではなく布に向くからです。はずかしがりやの子のダンス遊びは、少しかくれられる小道具があるほうがうまくいくことが多いのです。

リードせず、ついていく

はずかしがりやの子は、主導権をにぎると自信がつきます。ステップを見せるかわりに、子どもがする小さな動きをなんでもまねしましょう。足を1回トンとしたら、大人もやさしく、さりげなくまねします。いつもの関係が逆になります。大人に合わせようとするのではなく、大人が自分に合わせていると気づき、自分の動き方はこれでいいんだと静かに伝わります。これを何度も感じた子は、だんだん、もっと試してみる勇気がわいてきます。

見ていることも参加のうち

加わる前に長いこと見ている必要がある子もいて、それでまったくかまいません。大人がゆれているあいだ、ひざの上で指を拍に合わせてトントンしている子は、その子なりのやり方で、まるごと参加しています。「ほら、いっしょにやろう」と言いたくなっても、こらえて。ためらっていることにスポットライトを当てるだけです。見ることからやることに移るタイミングは、子どもに決めさせましょう。プレッシャーがなければ、ほとんどの場合、やがて動きだします。

集団の場ではやさしく

誕生日会、子育てひろば、園の発表会は、はずかしがりやの子を圧倒することがあり、みんなでおどるのは悪夢のように感じられるかもしれません。そばにいて、はしから見ていられるようにし、子どもにかわって謝ったり、ためらっていることに注目を集めたりしないことで助けられます。「好きなときに入っていいし、いっしょに見ててもいいよ」と言えば、追いつめられません。先に家でないしょに練習しておけば、準備ができたときには動きがもうなじみのある安心なものになっています。

はずかしさと、つらさのちがいに気づく

ふつうのはずかしさは、プレッシャーがなくなり、信頼する人といっしょにいるとやわらぎます。ほとんどの場面でとても強くこわがっている、なかなかおさまらないほど強く動揺する、人との関わりをほとんど避ける、コミュニケーションや人とのつながりに広く心配がある、という場合は、地域の保健師さんやかかりつけの小児科医に気軽に話してみましょう。それは安心と支えをもらうためで、時間が必要なだけのもともとひかえめな子にレッテルをはることではありません。

本当に育てている自信

めざすのは、親せきの前で言われたときにおどる子ではありません。自分の体も、動きも、ペースも、これでいいと感じられる子です。おどることがないしょで、楽しく、子どもが主役のままなら、はずかしがりやの子は、音楽はさらされるものではなく楽しみのもとだと少しずつ学びます。その心の中の許しは、どんな発表よりずっと大切で、ずっとプレッシャーをかけずにいれば、その子のいい時期に花ひらいていきます。

ポイント: はずかしがりやの子のダンス遊びは、観客をなくし、子どもについていくこと。自信はないしょの時間に、プレッシャーなしで育ちます。

NHS, Play ideas and reading

CDC, Positive Parenting Tips: child development