年の離れたきょうだいで楽しむ手遊び歌
ひとりはやっとおすわりができるくらい、もうひとりはスキップもくるくる回るのもお手のもの。いっしょに歌おうとしても、ちょうどいいところが見つからない気がします。安心してください。きょうだいで楽しむ手遊び歌は、全員が同じ動きをしなくていいのです。それぞれが自分のレベルで加われば、ひとつの歌がいくつもの年齢をまとめて包みこみます。その分かちあう時間は、ぴったりそろった遊びよりも、家族にとってずっと意味があることがよくあります。
年齢がばらばらだからこそ、うまくいく
お兄ちゃんが腕をふるのを見ている赤ちゃんは、動きを目で追い、リズムを予想し、仲間に入っている感覚を学んでいます。上の子は、歌詞を知っている側になれて、静かに自信がつきます。小さな子は大人より年上の子をずっとよくまねするので、「パン、パン、ドン」とやって見せる幼児は、知らないうちに先生役をしています。公平な勝負の審判をしているのではありません。それぞれがちがうふうにひたれる、あたたかいリズムを家族でつくっているのです。
層のある歌を選ぶ
いちばん役に立つのは、くり返すわかりやすい動きがあって、そこに細かい工夫を足せる歌です。「いとまき」「バスごっこ」「幸せなら手をたたこう」がうまくいくのは、基本の動きは小さな子にもかんたんで、上の子はスピードやおふざけ、自分でつくった歌詞を足せるからです。たくさんの曲を追いかけるより、2、3曲をわが家の定番にしましょう。なじみがあるからこそ、2歳の子と6歳の子が同じ拍にのれるのです。
それぞれに、本当の役割を
年齢のちがう遊びは、みんなに合った役割があるとスムーズです。
- 赤ちゃんはひざに抱いて、拍に合わせてやさしくゆらすか、顔が見える場所にすわらせて。
- 小さな子は、大きくてわかりやすい動き。手をたたく、足をドンとする、「ブッブー」と言う。
- 上の子は、1番をリードする、次の歌を選ぶ、みんながまねする新しい動きを考える。
選ぶ人を交代にすると、いちばん上の子ばかりにならず、おとなしい真ん中の子にも番が回ります。きょうだいが育っていける手遊び歌なら、同じ曲が、変えなくても1歳から7歳まで使えます。
動きの大きさを変える
年齢ごとにちがう歌はいりません。同じ動きの大きさを変えるだけです。「おふねはぎっちらこ」なら、赤ちゃんは腕の中でゆらゆら、小さな子は左右にゆれて、上の子はだれかと組んで大きく後ろにそってこぎます。ゆっくりと速くでも層ができます。小さい子にはゆっくり歌い、そのあと速くして、大きい子たちが大喜びする笑いを。こうしてひとつの歌が、ひとりが自分の番をおとなしく待つのではなく、みんなを本当に夢中にさせつづけます。
ぐらつく場面への対処
本当のきょうだいの音楽タイムには、頭をぶつける子、抱っこしてほしい子、歌の途中でどこかへ行ってしまう小さな子がつきものです。どれも失敗ではありません。かたい家具のない、やわらかい空間をあけておけば、張りきって回る子が赤ちゃんにぶつかりません。ふたりが同じリーダー役をやりたがったら、細かく公平さを話しあうより「この歌はあなた、次はあなた」で。勢いがあまって追いかけっこや大声になったら、テンポをぐっと落としましょう。小さな手の動きで静かにゆっくり歌う「きらきら星」は、すっかりやめるより、部屋の空気をうまく整えなおしてくれることがよくあります。
短く、くり返せるように
3、4曲でじゅうぶんです。小さな子は同じ少しの曲をたびたびくり返すことで育ち、疲れすぎで終わる長い時間より、朝ごはんのあとやお風呂の前の5分のほうがたいていうまくいきます。きょうだいで楽しむ手遊び歌が毎日の一部になると、やさしく体を動かすことも織りこまれます。5歳未満の子は、体を動かすことを一度に長くではなく、一日を通して短く、こまめにとるのがいいとされています。
ずっと続くちがいについて
たいていは、下の子が少しだけ参加するのはまったくふつうのことです。ときには、そっと確かめておきたいことに親が気づくこともあります。大人の声やなじみの歌のほうにまったく顔を向けない赤ちゃん、いつも音に反応しない子、同じ年の友だちと比べて体の動きがめだって遅れているように見える上の子。どれも、その場で心配するのではなく、乳幼児健診などのいつもの機会に伝える理由です。いっしょに歌うことはテストではなく、どの子も上手にできなくても仲間です。
覚えておきたいこと
めざすのはつながりで、そろうことではありません。赤ちゃんが見ていて、小さな子が拍の近くで足をドンドンして、上の子がリーダーになれてにこにこしている。それなら歌はまさにその役目をはたしています。年齢のちがう音楽遊びは、年の差が解決すべき問題ではなく、強みになる数少ない遊びのひとつです。
ポイント: きょうだいの手遊び歌は、そろわなくていいもの。それぞれが自分のレベルで加わり、リーダーは交代にしましょう。
WHO, To grow up healthy, children need to sit less and play more