2歳前後の子の、はじめてのお友だちとの遊び。準備と当日のコツ

小さな子どうしのはじめての出会いで大切なのは、きちんとしたお行儀より、興味をもてるくらい安心していられることです。この年ごろの子は、いっしょに遊ぶというより、たいていとなりに並んで遊びます。だから親の仕事は、すてきな共同の遊びをつくりだすことではありません。なじみの大人がそばにいて、小さなふたりが近くにいられる、短くてプレッシャーの少ない時間を用意することです。

はじめのうちがでこぼこなわけ

小さな子は、ほかの子にもそれぞれのほしいものがあることを、まだ学んでいる途中です。ひったくる、じっと見る、しがみつく、ほかの子が手に持っているそのおもちゃが急にほしくなる。どれも、わが子が意地悪だとか、遅れているということではありません。ほかの子のとなりで、あまり協力せずにそれぞれ遊ぶ「並行遊び」は、1歳から2歳ごろには発達のうえでふつうのことで、その後の数年でゆっくりと本当の貸し借りへと移っていきます。

日にちだけでなく、時間帯を選ぶ

親が動かせるいちばん大きなてこは、時間帯です。疲れていたり、おなかがすいていたりする小さな子は、どんなにおだやかな相手とでも苦戦します。お昼寝のあと、食事かおやつのあと、子どもが休めておなかがいっぱいのときをねらいましょう。はじめては短く、45分から1時間くらいにして、もっと早く終わる心づもりもしておきます。みんながくずれるまで粘るより、うまくいっているうちに終わるほうが、ずっといいのです。

前もっての、ちょっとした準備

練習をくり返す必要はありませんが、いくつかの小さなことで、はじめてのお友だちとの遊びの準備を、発表会のようにせずにできます。1日か2日前から、相手の子の名前を話題にしておくと、まったく知らない子がやってくるわけではなくなります。いっしょに遊ぶことや貸し借りについてのかんたんな絵本を読むのもいいでしょう。家に来てもらうなら、いちばん大切なものをひとつかふたつ、前もってしまっておかせてあげてください。どうしても貸せないおもちゃは、無理に教える教訓ではなく、守ってあげていいものです。

場を整える

  • 休めて、おなかがいっぱいの時間帯を選ぶ。
  • 人数はごく少なく、できれば相手はひとりだけ。
  • 積み木、ボール、クレヨンなど、同じおもちゃをふたつずつか、遊び方の決まっていないおもちゃを出しておく。
  • まだ貸せないお気に入りの物は、ひとつかふたつしまっておく。
  • 短めの予定にして、気軽に帰れる流れをつくる。

遊び方の決まっていないおもちゃは、思っている以上に大切です。バケツがふたつ、スコップがふたつ、大きな砂の山があれば、ぴかぴかのトラック1台よりずっと取りあいが起きにくいのです。行きわたるだけあれば、小さな子どうしも、一瞬一瞬が綱引きにならずに、近くにいられます。

遊んでいるあいだは、近くで、ひかえめに

やりとりのたびに上からのぞきこむのではなく、近くに座っていましょう。小さな子は親の落ち着きから合図を受けとります。いつでも手を貸せるけれど遊びを仕切らない、のんびりした大人がいると、子どもには探検する余地ができます。助けになるときは、そっとことばにしましょう。「ふたりともボールがほしいんだね。こっちにもひとつあるよ」。いつか使ってほしいことばのお手本を見せつつ、今日はたいてい、文ではなく親の声の調子をまねするのだと受け入れておきましょう。

ひったくりは起きます。起きたら、静かに入りましょう。物を戻す、交換をさしだす、声は落ち着いたまま。これは罰すべきいたずらではなく、まだ建設中の力です。短く、さらりと気持ちを向けなおすほうが、2歳の子にはついてこられない長い説明より、ずっと多くを教えます。

おやつ、場所、帰り方

とちゅうでいっしょにおやつを食べると、みんなに自然なひと休みができて、高まってきた緊張がリセットされます。ふたりを座らせて、それぞれのお皿で出せば、最後のビスケットをめぐるおなじみのけんかもかわせます。部屋にも目を配って、元気な小さな子が、のぼってほしくないところにのぼっていないか気をつけましょう。

終わりどきのサインに目を向けましょう。目をこする、べったりになる、ひったくりがきつくなる、何度もぐらつく。小さな決まりごと、たとえば玄関で手をふる、短い「バイバイ」の歌などで終わりへ向かうと、帰ることに形ができて、とつぜんのショックになりません。

そのあとは、あたたかく、シンプルに

小さな子にふり返りは必要ありませんが、あたたかいひと言があると、思い出がよく残ります。「今日はみおちゃんと遊んだね。楽しかったね」。貸し借りの教訓をつめこむのはやめましょう。残したい気持ちは、お友だちが来るのは楽しいことで、ストレスではない、ということです。

もう少し支えを求めたいとき

はじめてのお友だちとの遊びがでこぼこなのはふつうのことなので、これは心配させるためではなく、安心のための話です。でも、いろいろな場面で、2歳から3歳ごろになってもほかの子にまったく興味を示さない、指さしをしない、何かを見せようと注意を分かちあわない、前は言えたことばやできた関わりがなくなった、ふつうの音や人といるだけで、いつもいっぱいいっぱいに見える、という場合は、地域の保健師さんやかかりつけ医に気軽に話してみましょう。それは話してみるきっかけで、結論ではありません。早めの支えは、多くの家族が思っているより手配しやすいものです。

近くにいられた、それだけで一歩

はじめてのお友だちとの遊びの準備では、基本を守りましょう。休めておなかがいっぱいの子、短い時間、たっぷりの同じおもちゃ、そばにいる落ち着いた大人。完璧な貸し借りへの期待はひかえめにして、ほかの子の近くにいられたこと自体を祝い、協力する力は、それ自身のゆっくりしたペースで育つのにまかせましょう。

ポイント: いいはじめてのお友だちとの遊びは、短くて、時間帯がよくて、プレッシャーが少なく、落ち着いた大人がそばにいて、おもちゃが行きわたっているものです。

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