子どもが友だちを仲間はずれにしたとき、されたとき

「入っちゃだめ、これはわたしたちだけの遊び」。このことばを耳にするのは、わが子が言っていても、わが子に向けられていても、落ち着かないものです。仲間はずれは、人づきあいのいちばん早く、いちばん痛い部分のひとつで、小さいうちから始まります。子どもが誰かを仲間はずれにしたときにどうするかを知っていて、それを、はずかしさや怒りで顔を赤くするのではなく、落ち着いてできると、子どもはもっとやさしく、そして同時にもっとたくましくなっていけます。

まず、なぜ起きるのかを知る

小さな子がほかの子をはずすのは、聞こえるほど意地悪な理由であることはめったにありません。多くの場合、盛りあがっている遊びを守ろうとしているだけで、新しい子が入ったらこわれるのではと心配しているのです。遊びをどう広げればいいかまだわからない、という、ぶきっちょな人づきあいの力のこともあります。ときには、力を見せたいとか、よくわからずにまねしたことばのこともあります。わざとの意地悪なのは、ほんのときどきです。理由がわかると、いちばんおそれていることではなく、実際に起きていることにこたえられます。

わが子がはずしている側のとき

仲間はずれにしているのがわが子なら、落ち着いて、みんなの前ではずかしめるのは避けましょう。それはたいてい、ふり返りではなく、身がまえる気持ちを引きだします。シンプルに、やさしく向き合い、罰ではなく思いやりに頼りましょう。

  • 大さわぎにせずに、起きたことをことばにする。「さなちゃん、入りたそうだったね」
  • 相手の立場をうながす。「あそこに立ってて、どんな気持ちだったと思う?」
  • わが家で大切にしていることを、はっきり伝える。「うちでは、ほかの子も入れてあげるようにしてるよ」
  • 具体的な入れ方をさしだす。「お店屋さんのお客さんになってもらったら?」
  • 仲間に入れてあげられた瞬間に気づいて、ほめる。

めざすのは、いつも誰とでも遊ぶよう無理じいすることではなく、誰かがはずれていることに気づいて、やさしさを選ぶ習慣を育てることです。それは力で、一回きりのお説教ではなく、やさしく何度もくり返す関わりで育っていきます。

本当の限度も、大切に

とるべきバランスがあります。子どもには好みや、親しい友だち関係や、たまの1対1の遊びがあっていいのです。何でもみんなを入れるよう無理じいするのは、現実的でも健やかでもありません。教えたい線は、友だちとふたりの時間をもつことと、わざと、くり返し、誰かを締めだすことのあいだにあります。ふだんの親しい遊びをする権利は守りながら、基本のやさしさと、わざとの意地悪をしないことは、求められるのです。

わが子がはずされた側のとき

わが子がされた側なら、まずなぐさめ、親自身の反応はどっしりと。痛みに名前をつけましょう。「入っちゃだめって言われて、すごくいやだったね」。落ち着いてきたら、一回のことわりが、誰にも好かれていない証拠にならないよう、そっと見方を広げます。小さな子のグループは、遊びを守っているだけのことが多く、ずっと続く判断をしているわけではありません。次の一手を考える手伝いをしましょう。あとでまたためす、もっとやさしい子をひとり見つける、自分で遊びを始めて、ほかの子が加わってくるのを待つ。

その場だけでなく、力を育てる

わが子がどちらの側にいても、その下にある力は同じです。人の気持ちを読むこと、入ることと迎えいれること、「だめ」を受けとめること。家でごっこ遊びや絵本を通して練習しましょう。仲間に入れてもらう、はずされる、を描いた絵本を読み、登場人物がどう感じているか話し、やさしい入り方や迎え方を練習します。入れてとたのむことばと、誰かを招きいれることばの両方を持っている子は、「やさしくしなさい」しか聞いたことのない子より、ずっとそなえができています。

親自身が、仲間に入れるお手本を

子どもは、思いやりの多くを、親を見て学びます。親が人を迎えいれる姿、輪のはじっこにいる人に気づく姿、ほかの人のことをやさしく話す姿を見せましょう。誰も話しかけていない子にこちらから声をかける、集まりではずかしがりの親せきをそっと輪に入れる。そのとき親は、どんなお説教よりも多くを教えています。毎日のあたたかさのお手本こそが、子どもが受けとる、いちばん強い「仲間に入れる」学びです。

もっと支えを求めたいとき

ある程度の仲間はずれは、痛くても、子ども時代のふつうの一部です。それが大人の出番になるのは、わざとで、くり返されていて、ひとりの子にねらいを定めているときで、それはいじめの領域に入っていきます。わが子がずっと仲間はずれにされている、親ががんばってもくり返しはずす側になっている、行きたがらない、元気がない、不安そう、といったつらさのサインがある、行動や発達へのもっと広い心配もいっしょにある、という場合は、園や学校に、落ち着いて、事実にもとづいて話しましょう。家と園や学校が早めに手を組んで支えるのが、いちばんうまくいきます。

やさしさも、たくましさも育てる

子どもが誰かを仲間はずれにしたときにどうするかは、落ち着いて、なぜ起きているのかを理解するところから始まります。小さいころの仲間はずれのほとんどは、意地悪ではなく、ぶきっちょなものです。わが子がはずしているなら、思いやりをうながし、具体的な入れ方をさしだしながら、ふだんの親しい遊びの権利も大切にする。わが子がはずされたなら、まずなぐさめ、次の一手を見つける手伝いを。その下にある力を教え、親自身が仲間に入れるお手本を見せ、仲間はずれがわざとでくり返されるようになったら、園や学校とつながりましょう。

ポイント: 小さいころの仲間はずれのほとんどは、意地悪ではなく、ぶきっちょなものです。思いやりと仲間に入れる動きをうながし、はずされた子をなぐさめ、わざとでくり返されるなら園や学校とつながりましょう。

UNICEF, How to talk to your children about bullying

American Academy of Pediatrics, The Power of Play