人見知りの子とお誕生会へ。にぎやかな場で安心させるには

お誕生会は楽しいもののはずですが、人見知りの子や慣れるまで時間のかかる子にとっては、音と、知らない顔と、仲間に入らなきゃというプレッシャーの壁になることがあります。ほかの子がエアトランポリンへかけだしていくなか、わが子は親の足にしがみついている。そんな姿に、おなじみの同情と心配がまざった気持ちになるかもしれません。ほっとする知らせは、人見知りは欠点ではなくふつうの気質で、いくつかの考えた工夫で、お誕生会をつらいものではなく、なんとかなるものにしてあげられる、ということです。

人見知りとは何かを知る

人見知りの子は、困らせているのでも、人づきあいがいやなのでもありません。新しい場面では慎重で、関わる前に観察する時間が必要な子がたくさんいるのです。お誕生会は、人見知りの子が苦手なもの、人ごみ、音、予測のつかなさ、高い期待を、圧倒的な2時間ほどにぎゅっとつめこんでいます。その子の目で見ると、いらいらではなく根気でこたえられますし、一歩下がっているのは、こばんでいるのではなく、加わる勇気を集めているのだと思いだせます。

出かける前に準備する

少しの下ごしらえが、着いたときのショックをやわらげます。お誕生会のことを前もって話しておきましょう。誰のお誕生会か、何がありそうか、誰が来るか。できれば早めに着きましょう。もう真っ最中の部屋に入っていくのは、だんだん盛りあがっていくところで最初のほうにいるより、ずっとむずかしいからです。助けになるなら、小さなお気に入りの物を持たせてあげてもいいでしょう。そして親自身の期待も整えて、楽しい予定表ではなく、その子のペースについていく心づもりをしておきます。

近くにいて、安心の基地になる

会場では、親の落ち着いたそばにいることが、その部屋でいちばん役に立つものです。子どもを親から引きはがして輪の中へ押しだすのではなく、準備ができたら出かけていける安心の基地として、親を使わせてあげましょう。小さな一歩が助けになります。

  • 送って帰るのではなく、近くにいて、いつでも手を貸せるようにする。
  • 加わる前に、はじっこから見させてあげる。
  • なじみのある子や、やさしそうな子をひとり見つける手伝いをする。
  • そっと実況する。「これから、プレゼント回しのゲームをするみたいだね」
  • いつ入るかは、子どものリードについていく。

はじっこから見ているのは、加われていないのではありません。慎重な子が、このお誕生会は安全だと確かめるやり方です。急がせずに、その時間をあげましょう。

押さない、そしてラベルをはらない

いちばん大きなわなはふたつ、押すことと、ラベルをはることです。人見知りの子を遊びのまんなかへ無理に入れると、たいてい裏目に出て、こうした場面はこわいものだという考えを固めてしまいます。そして、人前でわが子を「人見知りで」と言ったり、代わりに謝ったりすると、自分にはどこか悪いところがあると感じさせ、それに合わせて生きるバッジになってしまうことがあります。代わりに、あたたかく、ふつうのことばで伝えましょう。「最初は少し見ているのが好きなんです」。余白をあげて、自信がその子のタイミングで顔を出すのにまかせましょう。

プレッシャーのかかる場面をやわらげる

とくに大変な場面があります。にぎやかなみんなでのゲーム、みんなに見られながらろうそくを吹き消すこと、プレゼント回し。圧倒されてしまう部分は、とばしてもいいし、親のひざの上から見ていてもいいのです。音がつらくなったら、静かなすみっこでひと息つきましょう。何かをやってみせること、合図で「ありがとう」を言うこと、ハッピーバースデーの合唱に加わることを無理じいしないでください。短い休憩で、もうぎりぎりの子がリセットされることがあります。

小さな一歩を祝い、帰りどきを知る

勇気を出した瞬間に気づいて、そっと受けとめましょう。ゲームにひとつ加わった、こんにちはと言えた、すべり台に挑戦した。人目が気になる子が引っこんでしまうような大さわぎにはせずに。ほめるのはひかえめに、心から。そして、早めに帰るのはまったくかまわないのだと知っておいてください。子どもが圧倒される前に終わる、短くていい思い出の訪問は、涙の最後まで粘るより、ずっといいお誕生会の記憶をつくります。いい気分のうちに帰るのは、負けではなく勝ちです。

もう少しよく見たいとき

人見知りはよくある、ふつうの気質で、たいていの子は時間とやさしい支えで慣れていきます。でも、人づきあいの場面での不安が強く、続いていて、本当はしたいことができなくなっている、どんな人づきあいの場も避けるほどつらそうにする、ことば、気分、発達へのもっと広い心配もいっしょにある、という場合は、地域の保健師さん、かかりつけ医、園の担任の先生に話してみてもいいでしょう。それは支えのある話しあいへの合図で、慎重な子が心配の種だというしるしではありません。

にぎやかな会も、少しずつ楽しめるように

人見知りの子をお誕生会で支えるには、まず、慎重さは困った行動ではなく気質だとわかることから始めましょう。前もって準備し、早めに着き、子どもが自分のペースで出かけていける、落ち着いた、いつでもそこにいる基地になる。押したりラベルをはったりしたくなる気持ちをこらえ、プレッシャーのかかる場面をやわらげ、小さな勇気の一歩をそっと祝い、かんしゃくまで粘るより、いい思い出のうちに早めに帰りましょう。やさしく向き合えば、大きくてにぎやかなお誕生会でさえ、人見知りの子が少しずつ楽しめるようになるものに変わっていきます。

ポイント: 人見知りの子が出かけていける、落ち着いた基地になりましょう。前もって準備し、その子のペースで慣れさせ、決して押したりラベルをはったりしないこと。

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