水を注ぐ遊び:いっぱい、からっぽ、あふれる

コップや水差しをいくつか並べて水を入れると、お子さまはひとつからひとつへ、いつまでも楽しそうに注ぎます。ただのばしゃばしゃに見えますが、そこには本物の算数が流れています。どの入れ物がたくさん入る?コップはいつ、いっぱいになる?そのまま注ぎつづけたら、どうなる?水を注ぐことは「どれだけ入るか」、つまり、かさの考えにふれる、いちばんやさしい方法のひとつで、たいていの家に必要な物は全部そろっています。

注ぐ遊びが、なかなか飽きない理由

注ぐことは、すぐに、何度でも結果をくれて、自分で動かしている満足感もあります。かたむければ、水はねらったところへ動いてくれる。ちゃぷんという音、ちょろちょろ、ときどきあふれる水。どれも目と耳で受けとれる手ごたえです。手首のかたむけかたひとつで結果が変わるので、何十回くり返しても新鮮なまま。そのくり返しこそが、下にある考えをしみこませてくれます。

「どれだけ入るか」という考え

どの入れ物にも、いっぱいになるまでに入る量があり、それを容量やかさと言います。背の高い細いグラスと、低くて広いボウルは、見た目がまるでちがっても同じ量が入ることがあり、子どもも大人もびっくりします。ふちまで入れれば、いっぱい。あければ、からっぽ。いっぱいの入れ物にさらに注ぐと、あふれる。お子さまはこうした考えを、教えられるのではなく、体験しながら身につけます。

集めるもの

  • いろいろな入れ物。コップ、水差し、ペットボトル、ボウル、じょうご、小さなきゅうす。
  • こぼれても大丈夫なように上で作業する、大きなたらい、洗いおけ、またはお風呂。
  • 気持ちのいい温度の水。
  • タオル、エプロンか、ぬれてもいい服。

形も大きさもちがう入れ物を選ぶと、くらべっこがぐっと豊かになります。

いっしょに試してみたいこと

注ぐ遊びは、質問の実況をつけるといちばんうまくいきます。どの入れ物がいちばんたくさん入ると思うか聞いて、ひとつをいっぱいにして別の入れ物にあけて確かめましょう。コップをふちまで満たして「いっぱいだね」と話し、それからも注ぎつづけて、たらいにあふれるのを見ます。同じコップ1杯分を、背の高いグラスと広いボウルに注いで、見た目はちがっても同じ量だと気づく。注ぐたびに、小さな実験になります。

楽しさの下で起きていること

学びは本当に算数的です。かさをくらべ、大きさや形が目をだますことがあるとわかりはじめます。いっぱい、からっぽ、半分、多い、少ない、あふれる、こぼれる、という量のことばに出会います。ていねいに注ぐことは、目と手の連携をみがきます。どっちがたくさん入るか予想して確かめるのは、はじめての科学的な考えです。コップ何杯で水差しがいっぱいになるかを数えれば、授業の感じなしに数の感覚もしのびこみます。いっぱい、なみなみ、半分、あふれそう、ということばで水を表すと量のことばが豊かになり、入れ物をくらべることで、見た目にだまされることもあると気づきます。練習するうちに、注ぐのもどんどん正確になり、小さくてもうれしい「できる」が増えていきます。

遊びを広げる

基本がかんたんになってきたら、挑戦を足しましょう。小さなコップ何杯で大きな水差しがいっぱいになるか聞いて、注ぎながら数える。じょうごで細いびんを満たして、どうして便利なのか話す。コップに線をひいて、ぴったりその線まで注ぐ挑戦をして、コントロールを育てる。水の一部をこおらせて氷にし、入れると水の高さがどう上がるか探る。どの工夫も、いっぱい、からっぽ、あふれるを真ん中に置いたまま、新しいひねりを加えてくれます。

水遊びを安全に

水遊びには、いつも見守りが必要です。浅いたらいでも、赤ちゃんや小さな子を決して水とふたりきりにしないでください。小さな子はすばやく静かに水にしずんでしまうことがあるので、ずっと手の届く範囲にいましょう。ぬれた床はすべりやすいので、たらいの上かお風呂で遊び、こぼれた水はすぐにふきとります。小さな入れ物、キャップ、じょうごは、口に入れるかもしれない赤ちゃんから遠ざけましょう。遊びが終わったら、水を入れたまま置いておかず、すぐに捨ててください。

少し気にかけたいとき

これは合格も不合格もない、ゆったりした遊び心のある学びです。いつものように、お子さまをいちばんよく見ているのは親です。体の動き、多い少ないのようなかんたんな考えの理解、探ることへの興味に、もっと広い心配がある、年齢のわりに注ぐことがとてもむずかしそう、という場合は、かかりつけの小児科医や地域の保健師さんにやさしく伝えてみるのは妥当なことです。早めに聞くのは、いつでも賢明で歓迎されます。

入る量には、限りがある

注ぐ遊びは、たらいの水を、お子さまが手で感じられる「かさ」の学びに変えてくれます。くらべて、予想して、数えて、注ぎながら、入れ物に入る量には限りがあること、形が目をだますことを発見します。コップをいくつか並べて、たらいの上で、どっちがたくさん入るかを聞き、注ぎながらわかっていってもらいましょう。

ポイント: たらいの上でコップと水差しを渡し、どっちがたくさん入るか聞いて、いっぱいにしたり、あけたり、あふれさせたりしながら、かさを発見させてあげましょう。親はずっと手の届く範囲に。

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